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公開番号2024150018
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-23
出願番号2023063223
出願日2023-04-10
発明の名称炭化水素製造装置
出願人株式会社豊田中央研究所,株式会社豊田自動織機,トヨタ自動車株式会社,株式会社アイシン,株式会社デンソー
代理人個人,個人
主分類C07C 1/12 20060101AFI20241016BHJP(有機化学)
要約【課題】触媒反応が失活するのを抑制しつつ、製造される炭化水素の純度を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】炭化水素製造装置であって、混合ガスの供給源に接続され、二酸化炭素を吸着する第1吸着材を収容し、二酸化炭素の脱離にパージガスを用いない第1回収器と、供給源に対して第1回収器と並列に接続され、二酸化炭素を吸着する第2吸着材を収容し、二酸化炭素の脱離にパージガスを用いる第2回収器と、第1回収器から供給される第1供給ガスもしくは第2回収器から供給される第2供給ガスを用いた炭化水素の合成反応を促進する触媒を収容した反応器と、第1,2供給ガスに対して水素を添加可能な水素添加部と、反応器への第1供給ガスの供給および反応器への第2供給ガスの供給を制御する制御部と、を備え、制御部は、反応器へ第2供給ガスを供給させる前に、反応器へ第1供給ガスを供給させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭化水素製造装置であって、
二酸化炭素を含む混合ガスの供給源に接続され、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素を吸着する第1吸着材を収容し、前記第1吸着材からの二酸化炭素の脱離にパージガスを用いない第1回収器と、
前記供給源に対して前記第1回収器と並列に接続され、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素を吸着する第2吸着材を収容し、前記第2吸着材からの二酸化炭素の脱離にパージガスを用いる第2回収器と、
前記第1回収器および前記第2回収器と接続され、前記第1回収器から供給される第1供給ガスもしくは前記第2回収器から供給される第2供給ガスを用いた炭化水素の合成反応を促進する触媒を収容した反応器と、
前記第1供給ガスおよび前記第2供給ガスに対して水素を添加可能な水素添加部と、
前記反応器への前記第1供給ガスの供給および前記反応器への前記第2供給ガスの供給を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記反応器へ前記第2供給ガスを供給させる前に、前記反応器へ前記第1供給ガスを供給させる、炭化水素製造装置。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
請求項1に記載の炭化水素製造装置であって、
前記制御部は、前記触媒による前記合成反応が安定していると判定した場合、前記反応器への前記第1供給ガスの供給を停止させるとともに、前記反応器への前記第2供給ガスの供給を開始させる、炭化水素製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素製造装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する炭化水素製造装置が知られている。例えば、特許文献1には、吸着器から二酸化炭素を脱離させる際に、炭化水素の合成時に生じた熱エネルギーを用いた加熱と、水素によるパージと、を利用するメタン製造装置が開示されている。パージによって吸着器から脱離した二酸化炭素とパージに用いられた水素とを含んだガスは、反応器に供給されて炭化水素の合成反応に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-142806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、吸着器に二酸化炭素を吸着させる吸着工程と吸着器から二酸化炭素を脱離される脱離工程とが交互に繰り返され、この吸着工程時には吸着器が加熱されて二酸化炭素の脱離を促している。脱離工程時に吸着器から送出されるガス中の二酸化炭素濃度は、吸着器内の温度等に応じて変動する。例えば、吸着工程と交互に繰り返される脱離工程のうち最初の脱離工程時に吸着器から送出されるガス中の二酸化炭素濃度は、加熱を十分に受けておらず比較的低温の吸着器からは二酸化炭素が脱離しにくいことから、それ以降の脱離工程時の同ガス中の二酸化炭素濃度と比べて低くなる傾向にある。また、そのような最初の脱離工程時においては、反応器も合成反応時の発熱による加熱を十分に受けておらず触媒も比較的低温であることからその触媒の活性も不安定である。そのような状態の触媒に対して、吸着器から二酸化炭素濃度の低いガス(合成反応に好適なガス比から大きく外れたガス)が供給された場合には、触媒反応を失活させる虞がある。しかし、特許文献1のメタン製造装置では、脱離工程ごとのガス中の二酸化炭素濃度の変動については、何ら考慮されていない。このため、触媒反応が失活するのを抑制しつつ、製造される炭化水素の純度を向上させることができる技術が要望されていた。
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、触媒反応が失活するのを抑制しつつ、製造される炭化水素の純度を向上させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、炭化水素製造装置が提供される。この炭化水素製造装置は、二酸化炭素を含む混合ガスの供給源に接続され、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素を吸着する第1吸着材を収容し、前記第1吸着材からの二酸化炭素の脱離にパージガスを用いない第1回収器と、前記供給源に対して前記第1回収器と並列に接続され、前記混合ガスに含まれる二酸化炭素を吸着する第2吸着材を収容し、前記第2吸着材からの二酸化炭素の脱離にパージガスを用いる第2回収器と、前記第1回収器および前記第2回収器と接続され、前記第1回収器から供給される第1供給ガスもしくは前記第2回収器から供給される第2供給ガスを用いた炭化水素の合成反応を促進する触媒を収容した反応器と、前記第1供給ガスおよび前記第2供給ガスに対して水素を添加可能な水素添加部と、前記反応器への前記第1供給ガスの供給および前記反応器への前記第2供給ガスの供給を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記反応器へ前記第2供給ガスを供給させる前に、前記反応器へ前記第1供給ガスを供給させる。
【0008】
この構成によれば、第1吸着材からの二酸化炭素の脱離にはパージガスを用いないことから、第1回収器から反応器に供給される第1供給ガスは、二酸化炭素のみを含む。一方、第2吸着材からの二酸化炭素の脱離にはパージガスを用いることから、第2回収器から反応器に供給される第2供給ガスは、二酸化炭素および水素を含む。このような第1,2供給ガスのうち、第2回収器内の温度等に応じて二酸化炭素濃度が変動する第2供給ガスよりも、二酸化炭素濃度が一定の第1供給ガスの方が、水素添加部による好適なガス比への調整を精度良く行うことができる。したがって、この構成によれば、このような第1供給ガスが第2供給ガスよりも先に反応器へ供給されることから、反応器内の触媒が暖機過程にあったとしても、好適なガス比に近付くようそのガス比が精度良く調整された第1供給ガスを用いて触媒に安定的に合成反応を行わせることができる。また、このような第1供給ガス供給時には高い純度の炭化水素を触媒に合成させることができる。すなわち、この構成によれば、触媒反応が失活するのを抑制しつつ、製造される炭化水素の純度を向上させることができる。
【0009】
(2)上記形態の炭化水素製造装置において、前記制御部は、前記触媒による前記合成反応が安定していると判定した場合、前記反応器への前記第1供給ガスの供給を停止させるとともに、前記反応器への前記第2供給ガスの供給を開始させてもよい。
この構成によれば、触媒による合成反応が安定していると判定されてから、第2供給ガスが反応器に供給される。触媒による合成反応が安定している場合、触媒は十分に暖められているとみなすことができる。このため、第2供給ガスを反応器に供給する際に第2供給ガスのガス比を合成反応に好適なガス比へ精度良く調整できなかったとしても、触媒は既に十分暖められていることから、触媒反応を失活させることなく第2供給ガスを用いた合成反応を触媒に実行させることができる。
【0010】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、炭化水素製造装置、炭化水素製造システム、炭化水素製造方法、炭化水素製造装置の制御方法、これら装置や方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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