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公開番号
2024149141
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023062840
出願日
2023-04-07
発明の名称
インクジェット記録用インク
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C09D
11/38 20140101AFI20241010BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】高吸液性の記録媒体に記録する際においても画像濃度及び耐擦過性に優れた記録物を得ることができ、かつ、連続吐出性にも優れるインクジェット記録用インクを提供する。
【解決手段】顔料、ワックス、界面活性剤、有機溶剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、該界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Aと、アセチレン系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Bとを含み、該インクジェット記録用インク中の界面活性剤Bの含有量が0.15質量%以下である、インクジェット記録用インクである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
顔料、ワックス、界面活性剤、有機溶剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、
該界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Aと、アセチレン系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Bとを含み、
該インクジェット記録用インク中の界面活性剤Bの含有量が0.15質量%以下である、インクジェット記録用インク。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
ワックスが、界面活性剤Aにより分散されてなる、請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項3】
インクジェット記録用インク中の界面活性剤Bの含有量の顔料の含有量に対する質量比[界面活性剤B/顔料]が0.0001以上0.025以下である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項4】
有機溶剤が1,2-アルカンジオールを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項5】
1,2-アルカンジオールが1,2-ヘキサンジオールである、請求項4に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項6】
インクジェット記録用インク中の1,2-アルカンジオールの含有量が1.5質量%以上20質量%以下である、請求項4又は5に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項7】
有機溶剤が更にポリアルキレングリコールを含有する、請求項4~6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項8】
ポリアルキレングリコールがジプロピレングリコールである、請求項7に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項9】
界面活性剤BのHLBが13.5以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
【請求項10】
インクジェット記録用インク中のワックスの含有量が0.2質量%以上である、請求項1~9のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録用インクに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、微細なノズルからインク液滴を直接吐出し、記録媒体に付着させて、文字や画像が記録された記録物を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易でかつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、記録媒体に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
近年では、インクジェット記録方式は民生用印刷に留まらず、普通紙を用いた商業印刷への利用が進んでおり、環境への負荷低減を目的として、溶剤として主に水を用いるインクジェット記録用水系インクの需要が高まっている。
このような要望に応えるために、吐出安定性といったインクジェット記録用インクの基本的な性能を満たした上で、得られる記録物の付加価値を高める様々なインクジェット記録用水系インクが提案されている。
例えば、特許文献1には、定着性等に優れたインクの提供を目的として、ワックス、有機溶剤、及び水を含有するインクであって、該有機溶剤が、溶解パラメータが9以上11以下の化合物と、100℃における飽和蒸気圧が特定の範囲である化合物と、を含有するインクが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-8294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、普通紙のような高吸液性の記録媒体へのインクジェット記録において、画像濃度及び耐擦過性が十分でないことが判明した。
また、インクジェット記録用インクの基本的な性能である吐出安定性としては、記録物を連続して製造する等の場合に、インクジェットノズルからインクを連続して吐出する際の連続吐出性に優れることも求められる。
本発明は、高吸液性の記録媒体に記録する際においても画像濃度及び耐擦過性に優れた記録物を得ることができ、かつ、連続吐出性にも優れるインクジェット記録用インクを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、顔料、ワックス、界面活性剤、有機溶剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、該界面活性剤が特定の界面活性剤を少なくとも2種含み、インクジェット記録用インク中の特定の界面活性剤の含有量が特定の値以下であることにより、上記の課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、顔料、ワックス、界面活性剤、有機溶剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、
該界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Aと、アセチレン系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Bとを含み、
該インクジェット記録用インク中の界面活性剤Bの含有量が0.15質量%以下である、インクジェット記録用インクを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、高吸液性の記録媒体に記録する際においても画像濃度及び耐擦過性に優れた記録物を得ることができ、かつ、連続吐出性にも優れるインクジェット記録用インクを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[インクジェット記録用インク]
本発明のインクジェット記録用インク(以下、「本発明のインク」又は「インク」ともいう)は、顔料、ワックス、界面活性剤、有機溶剤、及び水を含有するインクジェット記録用インクであって、該界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Aと、アセチレン系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Bとを含み、該インクジェット記録用インク中の界面活性剤Bの含有量が0.15質量%以下である。
なお、本発明において「記録」とは、文字や画像を記録する印刷、印字を含む概念であり、「記録物」とは、文字や画像が記録された印刷物、印字物を含む概念である。
本発明において「ワックス」とは、常温(25℃)で固体又は半固体であって、加熱すると液体となる有機物を意味する。ここで、「ワックスが半固体である」とは、ワックスに力がかかると変形して流動するが、ワックスに力がかからない状態では一定の形状を保持できることを意味する。また、ワックスが液体となる温度、いわゆるワックスの融点は、45℃以上160℃以下の範囲に存在する。
また、本発明において「高吸液性」とは、記録媒体と純水との接触時間100msにおける該記録媒体の吸水量が8g/m
2
超であることを意味する。また、「低吸液性」とは、低吸液性、非吸液性を含む概念であり、記録媒体と純水との接触時間100msにおける該記録媒体の吸水量が0g/m
2
以上8g/m
2
以下であることを意味する。
また、本発明において「連続吐出性」とは、記録物を連続して製造する等の場合に、インクジェットノズルからインクを連続して吐出する際の吐出性を意味する。
さらに、本明細書において、高吸液性の記録媒体に記録する際における画像濃度及び耐擦過性をそれぞれ単に「画像濃度」及び「耐擦過性」とも称する。
【0008】
本発明のインクは、普通紙のような高吸液性の記録媒体に記録する際においても画像濃度及び耐擦過性に優れた記録物を得ることができ、かつ、連続吐出性にも優れるインクジェットインクを提供することができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明のインクは、アセチレン系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Bを含む。該界面活性剤Bは、インクジェットノズル先端のインク気液界面への吸着性が高く、インク気液界面のメニスカスの適切な形成に寄与し、インクジェットノズルからインクを安定的に連続吐出させることができるため、連続吐出性を高める作用を有すると考えられる。一方で、界面活性剤Bは、顔料にもその一部が吸着し、一般的に用いられているインクジェット記録用の普通紙の表面上に存在する多価金属塩による凝集又は増粘の効果を妨げる作用も有する。そこで、本発明においては、界面活性剤Bの含有量を特定の値以下とすることにより、界面活性剤Bの顔料への吸着を抑制し、普通紙の表面上に存在する多価金属塩による凝集又は増粘の効果を妨げる作用を抑制することができ、優れた連続吐出性と高い画像濃度とを両立させることができると考えられる。
また、本発明のインクは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、及びアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上である界面活性剤Aを含む。界面活性剤Aは、ワックスの耐擦過性向上の機能を発揮させつつ、ワックスがインク中に安定に分散させる機能を高め、連続吐出性の向上に寄与すると考えられる。
【0009】
<顔料>
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよく、レーキ顔料、蛍光顔料を用いることもできる。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロム等の金属酸化物、真珠光沢顔料等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、アゾレーキ顔料、不溶性モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料類;フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンツイミダゾロン顔料、スレン顔料等の多環式顔料類等が挙げられる。
無彩色インクにおいては、ホワイト、ブラック、グレー等の無彩色顔料、有彩色インクにおいては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、レッド、オレンジ、グリーン等の有彩色の有機顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・オレンジ、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンから選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
顔料は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0010】
本発明のインク中の顔料の形態としては、分散剤としてポリマー分散剤若しくは界面活性剤で分散されてなる形態、又は分散剤を用いずに分散されてなる自己分散顔料の形態が挙げられる。ポリマー分散剤としては、水溶性ポリマー及び水不溶性ポリマーのいずれであってもよい。
ここで、ポリマーの「水溶性」及び「水不溶性」については、105℃で2時間乾燥させ、恒量に達したポリマーを、飽和に達するまで25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10gを超える時は「水溶性」、10g以下である時は「水不溶性」と判断する。また、ポリマーがアニオン性基を有していて、さらに本発明のインクに配合される際に該アニオン性基が中和剤で中和されている場合には、本発明のインクに配合される際の該ポリマーと該中和剤との質量比が同一となる条件で中和剤を混在させた条件で測定した溶解量で「水溶性」及び「水不溶性」を判断する。
(【0011】以降は省略されています)
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