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公開番号
2024148839
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-18
出願番号
2023062327
出願日
2023-04-06
発明の名称
グロメット
出願人
矢崎総業株式会社
代理人
弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
主分類
H02G
3/22 20060101AFI20241010BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】保持力を確保すること。
【解決手段】硬質樹脂のベース部材10Xと、弾性変形可能な軟質樹脂の止水部材60Aと硬質樹脂の支持部材60Bとが一体成形され、ベース部材に組み付けるグロメット本体60と、を備え、ベース部材と支持部材との間には、ベース部材の第1係合部81と支持部材の第2係合部82を係合させ、ベース部材とグロメット本体を組付け完了位置で保持する係合機構80がベース部材の筒軸の軸周りに複数設けられ、第1係合部と第2係合部は、その内の一方が前記筒軸に対する直交方向に開口させた空洞形状として形成され、その内の他方が前記直交方向で前記空洞形状内に開口から挿入させる突起形状として形成されること。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
硬質の合成樹脂材料から成り、一方の空間から他方の空間へと挿通対象物の貫通孔を通して渡す導電性の配索材を内方で挿通させる筒状のベース部材と、
前記ベース部材に同軸上で組み付けて、前記挿通対象物の前記貫通孔の周縁部への取付完了位置で前記一方の空間に配置される環状のグロメット本体と、
を備え、
前記ベース部材は、前記取付完了位置で前記一方の空間に配置され、環状の前記周縁部に対して外周縁部を同軸上で隙間を空けて対向配置させる環状のフランジと、前記フランジから同軸上で前記他方の空間に向けて突出させ且つ前記取付完了位置で前記貫通孔に挿通させる筒状体と、を有し、
前記グロメット本体は、前記ベース部材よりも軟質の弾性変形可能な合成樹脂材料から成り、前記ベース部材との組付け完了位置で前記フランジの前記外周縁部に対して同軸上で密着させ且つ前記取付完了位置で前記周縁部に対して同軸上で密着させる環状の止水部材と、前記止水部材よりも硬質の合成樹脂材料から成る環状の支持部材と、が一体になって成形された成形品であり、
前記ベース部材と前記支持部材との間には、前記ベース部材に設けた第1係合部と前記支持部材に設けた第2係合部を係合させ、前記ベース部材と前記グロメット本体を前記組付け完了位置で保持する係合機構が前記ベース部材の筒軸の軸周りに複数設けられ、
前記第1係合部と前記第2係合部は、その内の一方が前記筒軸に対する直交方向に開口させた空洞形状として形成され、その内の他方が前記直交方向で前記空洞形状内に開口から挿入させる突起形状として形成されることを特徴としたグロメット。
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【請求項2】
前記止水部材は、前記組付け完了位置で前記フランジの前記外周縁部に対して同軸上で隙間を空けて対向配置させ且つ前記取付完了位置で前記周縁部に対して同軸上で隙間を空けて対向配置させる環状の本体と、前記本体から同軸上で突出させ、前記組付け完了位置で弾性変形して一周に亘って前記フランジの前記外周縁部に密着させる環状の第1リップと、前記本体から同軸上で突出させ、前記取付完了位置で弾性変形して一周に亘って前記周縁部に密着させる環状の第2リップと、を有することを特徴とした請求項1に記載のグロメット。
【請求項3】
前記支持部材は、前記組付け完了位置で前記フランジの前記外周縁部に対して同軸上で隙間を空けて対向配置させる環状部を有し、
前記本体は、その内周面側を溝底とし且つ前記フランジ側及び前記周縁部側を各々溝側壁とする環状の溝内に嵌め込ませた形で前記環状部を同軸上で一体化させ、
前記筒状体には、前記本体の前記内周面に対向配置された前記開口を有する前記第1係合部が形成され、
前記第2係合部は、前記環状部の内周面から突出させ、かつ、前記本体の前記内周面から突き抜けさせた突起形状として形成されることを特徴とした請求項2に記載のグロメット。
【請求項4】
前記支持部材は、前記組付け完了位置で前記フランジの前記外周縁部に対して同軸上で隙間を空けて対向配置させる第1環状部と、前記第1環状部の外周縁部から前記フランジの前記外周縁部に向けて同軸上で突出させた第2環状部と、を有し、
前記フランジの前記外周縁部は、前記第2環状部が同軸上で嵌め込まれる環状の嵌合部を有し、
前記嵌合部は、前記第2環状部の内周面に対向配置させる第1壁面と、前記第2環状部における突出方向側の環状の端面に対向配置させる第2壁面と、を有し、
前記本体は、その内周面側を溝底とし且つ前記フランジ側及び前記周縁部側を各々溝側壁とする環状の溝内に嵌め込ませた形で前記第1環状部を同軸上で一体化させ、
前記筒状体には、前記本体の前記内周面に対向配置された前記開口を有する前記第1係合部が形成され、
前記第2係合部は、前記第1環状部の内周面から突出させ、かつ、前記本体の前記内周面から突き抜けさせた突起形状として形成されることを特徴とした請求項2に記載のグロメット。
【請求項5】
前記フランジの前記外周縁部には、前記開口を有する前記第1係合部が形成され、
前記支持部材は、前記本体の外周縁部における環状の接合部に一体化させ、かつ、前記接合部から前記フランジの前記外周縁部に向けて同軸上で突出させた環状部を有し、
前記環状部の内周面は、前記開口に対向配置させ、
前記第2係合部は、前記環状部の前記内周面から突出させた突起形状として形成されることを特徴とした請求項2に記載のグロメット。
【請求項6】
前記支持部材は、前記本体の外周縁部における環状の接合部に一体化させ、かつ、前記接合部から前記フランジの前記外周縁部に向けて同軸上で突出させた環状部を有し、
前記環状部は、その内周面に前記開口が設けられた空洞形状の前記第2係合部を有し、
前記フランジの前記外周縁部は、突起形状に形成された前記第1係合部を有することを特徴とした請求項2に記載のグロメット。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、グロメットに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤハーネスにおいては、挿通対象物(例えば、車両における車体のパネル等)に設けた貫通孔に電線等の配索材を挿通させることによって、この挿通対象物によって隔てられた一方の空間から他方の空間へと配索材を引き込ませる。このため、その挿通対象物には、貫通孔の周縁から配索材を保護すると共に、貫通孔と配索材との間の隙間への液体の浸入を防ぐため、その隙間を塞ぐグロメットが取り付けられる。例えば、グロメットは、硬質の合成樹脂材料から成り、一方の空間と他方の空間との間で配索材を内方に通すベース部材と、ゴム等の柔軟性を持たせた合成樹脂材料から成る環状のグロメット本体と、で構成される。このグロメットは、貫通孔に差し込んで、挿通対象物における貫通孔の周縁にグロメット本体を密着させる。このグロメットにおいては、ベース部材とグロメット本体とが例えば二色成形等の一体成形手法で一体になって成形される。この種のグロメットについては、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-251769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のグロメットにおいては、ベース部材とグロメット本体を一体成形するための金型を抜き取る際に、その金型からグロメット本体に加えられる荷重を軽減させることによって、柔軟性のあるグロメット本体の品質低下を抑える必要がある。しかしながら、このグロメットにおいては、一方の空間と他方の空間との間で配索材を内方に通すために、グロメット本体と比してベース部材の体格が大きくなり、かつ、このベース部材の形状が複雑になり易いので、ベース部材とグロメット本体の形状如何で金型からグロメット本体への過荷重を避けることができない場合もある。このため、この場合には、ベース部材とグロメット本体をそれぞれに別の部品として用意し、これらを組み付けることによって、グロメット本体を成形する際の金型からの荷重を軽減させればよい。但し、このグロメットにおいては、ベース部材とグロメット本体との間でその相互間を組付け完了位置に保つ必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、二部品間の保持力を確保し得るグロメットを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、硬質の合成樹脂材料から成り、一方の空間から他方の空間へと挿通対象物の貫通孔を通して渡す導電性の配索材を内方で挿通させる筒状のベース部材と、前記ベース部材に同軸上で組み付けて、前記挿通対象物の前記貫通孔の周縁部への取付完了位置で前記一方の空間に配置される環状のグロメット本体と、を備え、前記ベース部材は、前記取付完了位置で前記一方の空間に配置され、環状の前記周縁部に対して外周縁部を同軸上で隙間を空けて対向配置させる環状のフランジと、前記フランジから同軸上で前記他方の空間に向けて突出させ且つ前記取付完了位置で前記貫通孔に挿通させる筒状体と、を有し、前記グロメット本体は、前記ベース部材よりも軟質の弾性変形可能な合成樹脂材料から成り、前記ベース部材との組付け完了位置で前記フランジの前記外周縁部に対して同軸上で密着させ且つ前記取付完了位置で前記周縁部に対して同軸上で密着させる環状の止水部材と、前記止水部材よりも硬質の合成樹脂材料から成る環状の支持部材と、が一体になって成形された成形品であり、前記ベース部材と前記支持部材との間には、前記ベース部材に設けた第1係合部と前記支持部材に設けた第2係合部を係合させ、前記ベース部材と前記グロメット本体を前記組付け完了位置で保持する係合機構が前記ベース部材の筒軸の軸周りに複数設けられ、前記第1係合部と前記第2係合部は、その内の一方が前記筒軸に対する直交方向に開口させた空洞形状として形成され、その内の他方が前記直交方向で前記空洞形状内に開口から挿入させる突起形状として形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るグロメットは、互いに硬質樹脂から成るベース部材と支持部材との間に係合機構を設けており、ベース部材とグロメット本体との間の保持力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、挿通対象物に取り付ける前の実施形態のグロメットを示す斜視図である。
図2は、実施形態のグロメットを別角度から見た斜視図である。
図3は、実施形態のグロメットを筒状体側から見た平面図である。
図4は、図3のX1-X1線断面図である。
図5は、図3のX2-X2線断面を取付前の挿通対象物と共に示す図である。
図6は、実施形態のグロメットを示す分解斜視図である。
図7は、実施形態のグロメットを別角度から見た分解斜視図である。
図8は、実施形態のグロメットを組付け後の2つのベース部材とグロメット本体に分けて示す分解斜視図である。
図9は、実施形態のベース部材と防水部材の分解斜視図である。
図10は、実施形態のグロメット本体の分解斜視図である。
図11は、実施形態のグロメット本体の成形型の一部を示す部分断面図であり、第2係合部の存在しない場所を表している。
図12は、実施形態のグロメット本体の成形型の一部を示す部分断面図であり、第2係合部の存在する場所を表している。
図13は、変形例1のグロメットを組付け後の2つのベース部材とグロメット本体に分けて示す分解斜視図である。
図14は、変形例1のグロメットを組付け後の2つのベース部材とグロメット本体に分けて別角度から見た分解斜視図である。
図15は、図3のX2-X2線断面に相当する変形例1のグロメットの断面図である。
図16は、変形例1のベース部材を示す平面図である。
図17は、図16のY-Y線断面図である。
図18は、変形例1のグロメット本体の分解斜視図である。
図19は、変形例1のグロメット本体の第1金型と第2金型を示す斜視図である。
図20は、変形例1のグロメット本体の第1金型と第2金型を別角度から見た斜視図である。
図21は、変形例1のグロメット本体の成形型の一部を示す部分断面図であり、第2係合部の存在しない場所を表している。
図22は、変形例1のグロメット本体の成形型の一部を示す部分断面図であり、第2係合部の存在する場所を表している。
図23は、変形例2のグロメットを組付け後の2つのベース部材とグロメット本体に分けて示す分解斜視図である。
図24は、変形例2のグロメットを組付け後の2つのベース部材とグロメット本体に分けて別角度から見た分解斜視図である。
図25は、図3のX2-X2線断面に相当する変形例2のグロメットの断面図である。
図26は、変形例2のベース部材を示す平面図である。
図27は、変形例2のグロメット本体の分解斜視図である。
図28は、変形例2のグロメット本体の成形型の一部を示す部分断面図であり、第2係合部の存在しない場所を表している。
図29は、変形例2のグロメット本体の成形型の一部を示す部分断面図であり、第2係合部の存在する場所を表している。
図30は、変形例3のグロメットを組付け後の2つのベース部材とグロメット本体に分けて示す分解斜視図である。
図31は、図3のX2-X2線断面に相当する変形例3のグロメットの断面図である。
図32は、変形例3のベース部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るグロメットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
本発明に係るグロメットの実施形態の1つを図1から図12に基づいて説明する。
(【0011】以降は省略されています)
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