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公開番号2024148282
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061293
出願日2023-04-05
発明の名称破砕装置
出願人株式会社中山ホールディングス
代理人個人
主分類B02C 2/04 20060101AFI20241010BHJP(破砕,または粉砕;製粉のための穀粒の前処理)
要約【課題】旋動式の破砕装置のコア部とフレーム間の隙間において粉塵の潤滑油への混入を最小限に抑えると共に、シールリングに潤滑油を供給することで粉塵の進入を必要最小限に抑える破砕装置を提供する。
【解決手段】破砕対象物を破砕する旋動式の破砕装置10において、コア部12下側に配設されるライナ部15と、ライナ部15を介してコア部12を支える装置フレーム16と、コア部12の下側でライナ部15より外側となる装置フレーム16の所定の設置箇所から鍔状に突出する配置で配設され、コア部12の下部周縁部に設けられる溝に常時挿入状態とされる円環状のシールリング18と、コア部12とライナ部15との摺設面部に供給された潤滑油を回収するための潤滑油回収路とを備え、潤滑油回収路を、潤滑油が流通する流通状態と、前記潤滑油が流通しない非流通状態とに変更する変更手段を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向を垂直方向から所定角度傾斜させて上端部を中心に旋動可能に支持される主軸と、当該主軸を中心に貫通させて主軸上部に取り付けられ、下部に凸状の球面部が形成される略円錐状のコア部と、当該コア部の外周に取り付けられて円錐面状に配置されるマントルと、当該マントルを取り囲むようにして円錐面状に固定配置されるコンケーブとを備え、固定されたコンケーブに対し主軸と一体のコア部及びマントルを旋動させ、コンケーブとマントルとの間に供給される破砕対象物を破砕する旋動式の破砕装置において、
当該コア部の球面部と摺動可能に接する凹状の球面とされる摺接面部を少なくとも有し、前記主軸を取り囲むように連続する環状体とされ、前記コア部下側に配設されるライナ部と、
前記ライナ部の下面に接する接触面を有し、当該ライナ部を介して前記コア部を支える装置フレームと、
前記コア部の下側で前記ライナ部より外側となる前記装置フレームの所定の設置箇所から前記コア部の下部周縁部に向けて鍔状に突出する配置で配設され、コア部の下部周縁部に設けられる溝に常時挿入状態とされる円環状のシールリングと、
前記装置フレームの前記設置箇所の内側で前記ライナ部より外側となる空隙領域から延出する流通路であって、前記摺設面部に供給された潤滑油を回収するための潤滑油流通路とを備え、
前記潤滑油流通路を、前記潤滑油が流通する流通状態と、前記潤滑油が流通しない非流通状態とに変更する変更手段を備えることを特徴とする破砕装置。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の破砕装置において、
前記シールリングと前記装置フレームの前記設置箇所とが接触する接触面に、前記主軸を取り囲むように環状に連続する凹溝部が形成されており、当該凹溝部に前記潤滑油が供給されることを特徴とする破砕装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の破砕装置において、
前記シールリングが、前記装置フレームの前記設置箇所に接触する接触面を形成する第1面部と、当該第1面部から連通し、コア部の下部周縁部に設けられる溝に常時挿入状態となる第2面部とを有する構成で断面略L字状に形成されており、前記第2面部の表面に前記主軸を取り囲むように環状に連続する凹溝部が形成されており、当該凹溝部に潤滑油が供給されることを特徴とする破砕装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の破砕装置において、
前記シールリングに形成された前記凹溝部の潤滑油と、前記破砕対象物の破砕で生じる粉塵とを前記コア部の旋動により混合して乳化層を形成することを特徴とする破砕装置。
【請求項5】
請求項4に記載の破砕装置において、
前記シールリングが、前記装置フレームの前記設置箇所に接触する接触面を形成する第1面部を有し、当該第1面部の下端部分において、前記主軸の外側方向にテーパー加工されていることを特徴とする破砕装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、旋動式の破砕装置に関し、特に摺動部分や潤滑油循環経路への粉塵等の異物進入を防止する機構に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えばコーンクラッシャ等の旋動式の破砕装置では、固定されたコンケーブに対しコーン形状のマントルを旋動させ、コンケーブとマントルとの間で破砕対象物を破砕する。
【0003】
破砕により摩耗するマントルは、円錐状のコア部外周に着脱交換可能に取り付けられている。このマントルを取り付けられたコア部は、一般に破砕装置のフレームに摺動可能に面接触しており、破砕時の荷重をフレームで受けて支える仕組みである。コア部とフレームの摺接面は球面状に形成され、潤滑油(オイル)を供給されつつ、コア部のマントルと共に旋動する動きを許容する構造である。
【0004】
コア部に連結された主軸に加わる駆動力でコア部をスムーズに旋動させるために、摺接面間には潤滑油を常に流通させている(例えば、流量数十リットル/分程度)。ここで使用される潤滑油は、破砕装置の作動には欠かせないものであり、摺接箇所に供給不足となることを避けるために、摺接箇所から漏出した潤滑油を回収して循環させ、継続的に供給できるようにしており、循環経路の途中で潤滑油に対しストレーナ等で濾過を行って異物は取り除かれる。
【0005】
破砕装置による破砕の際には粉塵が発生することが避けられないが、破砕装置の構造上、粉塵がコア部とフレーム間の隙間に進入しやすく、摺接箇所の近くなどで粉塵が潤滑油に混入すると、循環経路中の濾過では細かい粉塵を取り除くことが難しいため、細かい粉塵が潤滑油と共に摺接面間に達するおそれがある。粉塵が摺接面間に存在すると、コア部にスムーズな旋動を行わせられないなど不具合が生じることから、従来から、粉塵が浮遊する空間から破砕装置の隙間に粉塵が進入しないようにして、潤滑油に粉塵が混入するのを防止する機構が提案されてきた。
【0006】
特許文献1に示す技術は、コア部と装置フレームとの摺接部分より外側で且つシールリングの下側となる装置フレームの外殻構造部を取り囲むように環状中空体のシールチューブを設置し、流体供給で膨張させたシールチューブをコア部の下部周縁部と外殻構造部にそれぞれ沿わせるようにし、シールリングのさらに外側におけるコア部と装置フレームとの間の隙間にシールチューブを介在させることから、コア部と装置フレームとの間の隙間を装置外部の空間から隔離でき、破砕で生じた粉塵が隙間を経て摺接部分に入り込むのを防げるものである。
【0007】
特許文献2に示す技術は、旋動式破砕機において、破砕室と主軸下部潤滑油循環部との連通を遮断するダストシール構造が、ヘッドセンタの直下にて主軸下部とその軸受とを囲繞するように設けられ、下部胴体フレームに取り付けられた円筒状体と、環状をなし半径方向内方へ傾斜しながら下方へ延び、内周面に周方向に沿う環状溝を有し、前記内周面が円筒状体の外周面に対向するとともに下面がヘッドセンタの係合溝に対し摺動可能に設けられたダストシールリングと、リップ部が円筒状体の外周面に弾性的に密接するようにして環状溝内に装着されるゴム製のVリングとにより構成されているものである。
【0008】
特許文献3に示す技術は、球面支持体の外側に二つの環状シールの環状取付部を夫々形成し、その環状シールのリップ部が当接する環状当接面を円錐ヘッドの外側下側に夫々形成し、両環状シールによって区画される空間に加圧空気を常時送り込むものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-200686号公報
特開2004-136252号公報
実開平5-63645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1ないし3に示す技術は、いずれもコア部とフレーム間の隙間への粉塵進入を防止することに関する技術であるが、現実的には粉塵の進入防止の観点で十分とは言えず、メンテナンス等に多大な労力が必要になっているという現実がある。
(【0011】以降は省略されています)

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