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公開番号
2024146918
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2024057611
出願日
2024-03-29
発明の名称
改変タンパク質および糖のエピメリ化反応触媒用の酵素剤
出願人
静岡県公立大学法人
,
日本食品化工株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C12N
9/90 20060101AFI20241004BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】熱安定性が向上したエピメリ化反応を触媒する酵素を提供する。
【解決手段】以下の(a)から(d)のいずれかのタンパク質。(a)特定のアミノ酸配列を含むタンパク質;(b)特定のアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸配列同一性を有し、且つ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質;(c)特定のアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、且つ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質;(d)特定のアミノ酸配列に対して70%以上のアミノ酸配列同一性を有し、且つK35R、N55S、R111A、A117P、I245V、A287P、K352R、Q377FまたはQ377Y、A385E、G387D、I391R、R423P及びD424Gから選択されるアミノ酸置換配列を含み、且つ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の(a)から(d)のいずれかのタンパク質。
(a)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49および配列番号51からなる群から選択される一に記載のアミノ酸配列を含むタンパク質;
(b)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17および配列番号19、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49および配列番号51からなる群から選択される一に記載のアミノ酸配列に対して90%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質;
(c)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17および配列番号19、配列番号29、配列番号31、配列番号33、配列番号35、配列番号37、配列番号39、配列番号41、配列番号43、配列番号45、配列番号47、配列番号49および配列番号51からなる群から選択されるいずれか一に記載のアミノ酸配列において、1から数個のアミノ酸が置換、挿入、欠失および/または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質;
(d)配列番号27に記載のアミノ酸配列に対して70%以上のアミノ酸配列同一性を有し、かつ配列番号27に記載のアミノ酸配列においてK35R、N55S、R111A、A117P、I245V、A287P、K352R、Q377FまたはQ377Y、A385E、G387D、I391R、R423PおよびD424Gからなる群から選択される一以上のアミノ酸置換を含むアミノ酸配列を含み、かつ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質。
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【請求項2】
配列番号27に記載のアミノ酸配列を含む糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質に比較して熱安定性および/または高温反応性が向上している、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項3】
請求項1に記載のタンパク質を含む、糖のエピメリ化反応触媒用の酵素剤。
【請求項4】
以下の(e)から(h)のいずれかのDNAが導入された形質転換細胞の培養上清を含む、糖のエピメリ化反応触媒用の酵素剤。
(e)請求項1に記載のタンパク質をコードするDNA;
(f)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50および配列番号52からなる群から選択される一に記載の塩基配列を含むDNA;
(g)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50および配列番号52からなる群から選択される一に記載の塩基配列の相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAであって、かつ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするDNA;
(h)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20、配列番号30、配列番号32、配列番号34、配列番号36、配列番号38、配列番号40、配列番号42、配列番号44、配列番号46、配列番号48、配列番号50および配列番号52からなる群から選択される一に記載の塩基配列に対して90%以上の塩基配列同一性を有する塩基配列を含むDNAであって、かつ糖のエピメリ化反応を触媒する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
【請求項5】
糖基質に、請求項1または2に記載のタンパク質、または請求項3または4に記載の酵素剤を作用させて、糖のエピメリ化反応生成物を得る工程を含む、糖のエピメリ化反応生成物の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法を実施して得られた糖のエピメリ化反応生成物を用いて食品、飼料、餌料、化成品、化粧料、または医薬品を得る工程を含む、食品、飼料、餌料、化成品、化粧料、または医薬品の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、改変タンパク質、当該タンパク質を含む糖のエピメリ化反応触媒用の酵素剤、および当該改変タンパク質または酵素剤を作用させて、エピメリ化反応生成物を得る工程を含む、エピメリ化反応生成物の製造方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
マンノースはグルコースの異性体であり、コンニャクなどから抽出されるグルコマンナン、ヘミセルロース、あるいは細胞表面などに存在する糖鎖の構成糖として良く知られている。また、マンノースそのものはクランベリーに含まれることが知られている。
【0003】
マンノースの生体利用性は低く、経口摂取したマンノースのほとんどは速やかに尿中に排出される。尿路感染症の原因菌は、当該菌が有するマンノース結合レクチンと、尿路表面細胞に存在する糖鎖の結合を介して尿路表面へ付着し感染すると考えられている。経口摂取したマンノースは尿中に速やかに排出されるため、排出されたマンノースは当該菌のマンノース結合レクチンと細胞表面糖鎖への結合を阻害することで、尿路感染症を予防する効果が期待されている(非特許文献1)。
【0004】
特許文献1にはマンノース含有糖組成物を有効成分とする有害菌感染抑制剤または有害菌感染防止用飼料に関わる技術が開示されている。特許文献2にはマンノースを有効成分とする飲食品の食感改良剤についての記述がある。
【0005】
マンノースの調製法としては、化学反応法および酵素法が複数知られている。以下に、各調製法について検討する。
第一の化学反応法は、蔗糖を還元することでソルビトールとマンニトールを生成し、マンニトールを分取し、さらにマンニトールを酸化することでマンノースを調製する方法である。しかし、この方法は多段階のステップおよび高温高圧での触媒反応を必要とするため、効率面で問題がある。
【0006】
第二の化学反応法は、グルコマンナンやマンナンを加水分解することでマンノースを調製する方法である。しかし、この方法は、基質が高価でありかつ基質の調製に労力を要するという問題がある。
【0007】
第三の化学反応法は、コプラミールなどのヘミセルロースを加水分解する手法である。しかし、この方法は、構成糖が多様であるためマンノースの収率が悪く、酸加水分解の場合はさらに収率が悪化し精製負荷が大きくなるという問題がある。
【0008】
第四の化学反応法は、グルコースをアルカリ条件下で異性化することでマンノースを調製する方法である。しかし、この方法は、糖の分解が生じるため収率が悪く、精製負荷が大きいという問題がある。
【0009】
第五の化学反応法は、同じくフルクトースをアルカリ条件下で異性化することでマンノースを調製する方法である。しかし、この方法は、第四の化学反応法と同様に収率および精製負荷の点で問題があり、またフルクトースがグルコースに比べて比較的高価である点およびフルクトースが反応系に残存してしまいマンノースとの分離が困難である点も問題がある。
【0010】
第一の酵素法としては、フルクトースにマンノースイソメラーゼを作用させることでマンノースを調製する方法である。しかし、原料となるフルクトースの価格面および反応系に残存するフルクトースの分離の点で問題がある。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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