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公開番号2024146196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058958
出願日2023-03-31
発明の名称吸収性物品用薄葉紙
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人
主分類A61F 13/53 20060101AFI20241004BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】酸性からアルカリ性までの幅広い臭い成分の発生を一段と抑えて、より高い消臭効果を奏し、同時に液透過時間の短縮を実現し得る薄葉紙を提供する。
【解決手段】セルロース繊維シート基材に、カチオン性抗菌剤0.005g/m2以上1.0g/m2以下、並びに、A剤:有機酸剤及びB剤:pH緩衝剤を含有し、前記カチオン性抗菌剤はアルキル基及び/又はアルケニル基を有し、前記カチオン性抗菌剤中の前記アルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量に対する、炭素数16のアルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量割合が1質量%以上50質量%以下であり、平均空孔率が2.5%以上で、pHが3.0以上4.8以下である吸収性物品用薄葉紙。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース繊維シート基材に、カチオン性抗菌剤0.005g/m

以上1.0g/m

以下、並びに、A剤:有機酸剤及びB剤:pH緩衝剤を含有し、
前記カチオン性抗菌剤はアルキル基及び/又はアルケニル基を有し、前記カチオン性抗菌剤中の前記アルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量に対する、炭素数16のアルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量割合が1質量%以上50質量%以下であり、
平均空孔率が2.5%以上で、pHが3.0以上4.8以下である吸収性物品用薄葉紙。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記カチオン性抗菌剤がベンザルコニウム塩を含有する請求項1記載の吸収性物品用薄葉紙。
【請求項3】
前記ベンザルコニウム塩は、アニオン部分に、ハロゲン化物イオンを含む、請求項2記載の吸収性物品用薄葉紙。
【請求項4】
粘性液体透過時間が600秒以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品用薄葉紙。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつや尿とりパッドなどの吸収性物品に用いられる薄葉紙に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつや尿とりパッド等の吸収性物品では、排泄物から発生する臭いに対する消臭技術に関し、これまでいくつかの提案がなされてきた。
例えば、特許文献1記載の薄葉紙は、カチオン性抗菌剤、多孔質粒子及びpH緩衝性消臭剤を含むものである。これにより、吸収性物品用における悪臭発生のメカニズムに対して時間軸及びpH軸のマトリックスで包括的に封じ込めることが記載されている。
特許文献2記載の吸収性物品において、ポリフェノール化合物及び塩基性化合物を前記吸収性樹脂とは異なる位置に配置している。これにより、前記化合物が吸収性樹脂に拘束され難くして消臭効果を高めようとしている。
特許文献3には、抗菌剤を含有し、乾燥引張強度が一定以上ある吸収性物品用の薄葉紙が記載されており、消臭効果と十分な強度を両立させている。
【0003】
特開2016-169446号公報
国際公開第2020/022442号
実用新案登録第3225370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記吸収性物品においては、尿や軟便が表面シートから吸収体へと透過される過程で肌常在菌や便由来の大腸菌などの腸内細菌が尿や軟便に接触し作用する。これにより、酸性からアルカリ性までの幅広い臭い成分が排泄物中に発生し、この臭い成分が揮発して尿や軟便等の腐敗臭として感じられる。この点、前述の特許文献1記載の吸収性物品用の薄葉紙は、吸収性物品において酸性からアルカリ性までの幅広い臭い成分に対する優れた消臭効果が実現される。
しかし、近年では使う人のライフスタイルが多様化し、吸収性物品の使用場面が日常生活の中で多種多様になってきた。それに伴い、上記の腐敗臭などの発生を従来よりも一段と抑えたい、周囲の人に気付かれないようにしたいという要望が益々高まっている。加えて、吸収性物品における表面透過液について肌への液付着低減がより強く求められている。そのため、吸収性物品内において、肌に触れる表面シートのみならず、表面シート下に配される吸収性物品用薄葉紙との作用も併せて液透過時間の短縮化ができることが望ましい。しかし、吸収性物品用薄葉紙の液透過時間の単なる短縮は、該吸収性物品用薄葉紙が有する抗菌剤や消臭剤と液との接触時間の短縮及びそれによる抗菌、消臭作用等の低減に繋がりかねず、従来、液透過時間の短縮と抗菌、消臭効果の向上との両立が難しかった。このような問題及びこれに対する解決手段について特許文献1~3には示されていない。
【0005】
本発明は、上記の点を鑑み、酸性からアルカリ性までの幅広い臭い成分の発生を一段と抑えて、より高い消臭効果を奏し、同時に液透過時間の短縮を実現し得る吸収性物品用薄葉紙に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、セルロース繊維シート基材に、カチオン性抗菌剤0.005g/m

以上1.0g/m

以下、並びに、A剤:有機酸剤及びB剤:pH緩衝剤を含有し、前記カチオン性抗菌剤はアルキル基及び/又はアルケニル基を有し、前記カチオン性抗菌剤中の前記アルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量に対する、炭素数16のアルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量割合が1質量%以上50質量%以下であり、平均空孔率が2.5%以上で、pHが3.0以上4.8以下である吸収性物品用薄葉紙を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品用薄葉紙は、酸性からアルカリ性までの幅広い臭い成分の発生を一段と抑えて、より高い消臭効果を奏し、同時に液透過時間の短縮を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
粘性液体透過時間の測定時に用いる測定装置の説明図である。
(A)は、本発明の吸収性物品用薄葉紙に用いられるパルプの構成の好ましい形態について、抄紙工程直後の状態を模式的に示す説明図であり、(B)は、パルプを加圧脱水して得たセルロース繊維シート基材の状態を模式的に示す説明図である。
(A)は、従来例のパルプの構成について、抄紙工程直後の状態を模式的に示す説明図であり、(B)は、パルプを加圧脱水して得たセルロース繊維シート基材の状態を模式的に示す説明図である。
本発明の吸収性物品用薄葉紙の製造工程で用いられる水系塗布液の調製装置の一例を示す模式図である。
本発明の吸収性物品用薄葉紙の製造工程で用いられる水系塗布液の噴霧装置の一例を示す模式図である。
(A)は実施例2の吸収性物品用薄葉紙のシート面を撮像した図面代用写真であり、(B)は比較例3の吸収性物品用薄葉紙のシート面を撮像した図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の吸収性物品用薄葉紙の好ましい一実施形態について以下に詳述する。
本発明の吸収性物品用薄葉紙は、セルロース繊維シート基材に、カチオン性抗菌剤0.005g/m

以上1.0g/m

以下、並びに、A剤:有機酸剤及びB剤:pH緩衝剤を含有させたものである。加えて、前記カチオン性抗菌剤はアルキル基及び/又はアルケニル基を有する。前記カチオン性抗菌剤中の前記アルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量に対する、炭素数16のアルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量割合が1質量%以上50質量%以下である。なお、上記のカチオン性抗菌剤中のアルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子の合計質量は、本発明の吸収性物品用薄葉紙に含まれるカチオン性抗菌剤中の、アルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子全体の合計質量である。炭素数16のアルキル基及び/又はアルケニル基を含む分子は、該分子に炭素数16のアルキル基及び/又は炭素数16のアルケニル基を含むものを意味する。
【0010】
カチオン性抗菌剤は、坪量0.005g/m

以上で含有されることで、カチオン性抗菌剤が臭い成分の産生源を絶つ(生物学的消臭作用)。すなわち、排泄液の液相において、臭い成分の産生原因である微生物や微生物由来の酵素の増殖を抑える。これにより、尿や軟便等の液状の排泄物が菌との接触で腐敗進行することが抑制され、臭い成分の発生が抑制される。
また、カチオン性抗菌剤が1.0g/m

以下であることで、本発明の吸収性物品用薄葉紙による肌への刺激性を抑えることができ、液状の排泄物の透過性を良好にすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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