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公開番号2024146152
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058885
出願日2023-03-31
発明の名称圧縮機の製造方法
出願人ダイキン工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F04B 39/14 20060101AFI20241004BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】絶縁層を有するステータコアを胴体パイプに挿入する際、ステータコアの絶縁層と胴体パイプとの接触を防ぐ。
【解決手段】空気調和機に用いる圧縮機の製造方法であって、絶縁層を有するステータコア13を胴体パイプ31に固定する焼嵌め工程において、ステータコア13と胴体パイプ31とが固定位置以外で接触することを防ぐ接触防止機構を用いる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
空気調和機に用いる圧縮機の製造方法であって、
絶縁層を有するステータコアを胴体パイプに固定する焼嵌め工程において、
前記ステータコアと前記胴体パイプとが固定位置以外で接触することを防ぐ接触防止機構を用いることを特徴とする、
圧縮機の製造方法。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
請求項1に記載の圧縮機の製造方法において、
前記圧縮機は、前記ステータコアの外周面に前記絶縁層としての樹脂部材を備えることを特徴とする、
圧縮機の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の圧縮機の製造方法において、
焼嵌め位置に配置された前記ステータコアの上部に、焼嵌め時における挿入のガイドとなる治具を配置し、
前記焼嵌め時に、前記治具の外径が拡径されて、ステータコアの外径より大きくなることを特徴とする、
圧縮機の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の圧縮機の製造方法において、
加熱された前記胴体パイプの挿入後、前記治具の外径が縮径されて、常温の当該胴体パイプの内径より小さくなることを特徴とする、
圧縮機の製造方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載の圧縮機の製造方法であって、
焼嵌め位置に配置された前記ステータコアの外径または軸の位置を測定し、
測定された前記位置を狙って前記胴体パイプに挿入することを特徴とする、
圧縮機の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、圧縮機の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ケースの外周に設けられたガイドローラがケース挿入をガイドすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-254274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
絶縁層を有するステータコアを胴体パイプに固定する焼嵌め工程において、ステータコアを胴体パイプに挿入する際、両者の軸がズレていると、ステータコアと胴体パイプが意図せず接触し、絶縁層が溶融することがある。この場合、溶融した絶縁層が胴体パイプの内周面に付着し、バリやコンタミネーションの原因になることがある。
本開示は、絶縁層を有するステータコアを胴体パイプに挿入する際、ステータコアの絶縁層と胴体パイプとの接触を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成する本開示の圧縮機の製造方法は、空気調和機に用いる圧縮機の製造方法であって、絶縁層を有するステータコアを胴体パイプに固定する焼嵌め工程において、前記ステータコアと前記胴体パイプとが固定位置以外で接触することを防ぐ接触防止機構を用いる。この場合、絶縁層を有するステータコアを胴体パイプに挿入する際、ステータコアの絶縁層と胴体パイプとの接触を防ぐことができる。
ここで、前記圧縮機は、前記ステータコアの外周面に前記絶縁層としての樹脂部材を備えていてもよい。この場合、バリやコンタミネーションの原因となる、溶融樹脂の付着を抑制できる。
また、焼嵌め位置に配置された前記ステータコアの上部に、焼嵌め時における挿入のガイドとなる治具を配置し、前記焼嵌め時に、前記治具の外径が拡径されて、ステータコアの外径より大きくなるようにしてもよい。
また、加熱された前記胴体パイプの挿入後、前記治具の外径が縮径されて、常温の当該胴体パイプの内径より小さくなるようにしてもよい。この場合、ガイド治具を胴体パイプの内側から容易に取り出せる。
また、焼嵌め位置に配置された前記ステータコアの外径または軸の位置を測定し、測定された前記位置を狙って前記胴体パイプを挿入してもよい。この場合、測定結果に基づく制御が可能となり、ガイド治具を調達する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本実施の形態にかかる製造方法により製造された圧縮機の全体構成の一例を示す断面図である。
胴体パイプの内周面に電動機のステータが固定されている状態を示す透過図である。
電動機のステータと胴体パイプとの間に絶縁層を有する場合と、絶縁層を有しない場合との比較として、対地インピーダンスの実測値を示したグラフである。
胴体パイプの内周面に電動機のステータを固定する工程の流れを示す図である。
従来の焼嵌め工程で生じ得る胴体パイプとステータコアとの接触の例を示す図である。(A)は、胴体パイプが傾いているために胴体パイプとステータコアとが接触している例を示す図である。(B)は、ステータコアが傾いているために胴体パイプとステータコアとが接触している例を示す図である。(C)は、狙い位置のズレにより、胴体パイプとステータコアとが接触している例を示す図である。
従来の焼嵌め工程において生じたバリの具体例を示す図である。
本実施の形態にかかる焼嵌め工程の特徴を示す図である。
本実施の形態にかかる焼嵌め工程で用いられる接触防止機構としてのガイド治具の具体例を示す断面図である。(A)は、外周面の表面に凹凸がないガイド治具の具体例を示す断面図である。(B)は、外周面の表面に凸部があるガイド治具の具体例を示す断面図である。
本実施の形態にかかる焼嵌め装置の具体例を示す断面図である。
本実施の形態にかかる焼嵌め工程における矯正の具体例を示す図である。(A)は、胴体パイプの傾きが矯正された例を示す図である。(B)は、ステータコアが傾いている例を示す図である。(C)は、狙い位置のズレが矯正される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<圧縮機の構成>
(全体構成)
図1は、本実施の形態にかかる製造方法により製造された圧縮機1の全体構成の一例を示す断面図である。
図1に示すように、圧縮機1は、流体を圧縮する円筒状の機器であり、例えば、空気調和機の冷媒回路に設けられる。この場合、圧縮機1は、流体としての冷媒を圧縮する。圧縮機1は、電動機10と、圧縮機構20と、ケーシング30とを有する。また、圧縮機1は、吸入管40および吐出管50を有する。なお、以下の説明において、「軸方向」とは、円筒状の圧縮機1の中心軸に対して平行の方向を指し、「半径方向」とは、軸方向に対して垂直に交じる方向を指す。
【0008】
(電動機)
電動機10は、電気エネルギーを力学的エネルギーに変換する機器であり、圧縮機構20の上方に配置されている。電動機10は、ステータ11と、ロータ12とを有する。電動機10は、図示せぬインバータ装置により運転周波数が制御される。換言すると、圧縮機1は、運転周波数が可変なインバータ式である。
【0009】
ステータ11は、ステータコア13と、ステータコア13に巻回されたコイル14と、絶縁層15とを有する固定子である。ステータ11は、後述するケーシング30の胴体パイプ31の内周面に固定されている。本実施の形態では、ステータ11を胴体パイプ31の内周面に固定する手法として、焼嵌めの手法が用いられる。なお、焼嵌めによりステータ11を胴体パイプ31の内周面に固定する手法の詳細については後述する。ステータコア13は、略円環状に形成された複数の電磁鋼板を軸方向に積層することで構成された積層コアである。
【0010】
絶縁層15は、ステータコア13の外周面に形成された、樹脂等からなる絶縁部材である。絶縁層15は、例えば、インサート成形によりステータコア13の外周面にステータコア13の軸方向の両端に亘って延びるように形成されている。絶縁層15は、例えば、PPS(Poly Phenylene Sulfide/ポリフェニレンサルファイド)、LCP(Liquid Crystal Polymer/液晶ポリマー)、PBT(Poly Butylene Terephthalate)等で構成され、電動機10の電磁ノイズがケーシング30の外部に伝搬することを抑制する機能を有する。なお、絶縁層15は、ガラス繊維を含む複合材料であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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