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公開番号
2024146110
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058829
出願日
2023-03-31
発明の名称
硝酸鉄溶液による銀の回収方法
出願人
大口電子株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C22B
11/00 20060101AFI20241004BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】銀及び銅を有する被覆基材に対して硝酸鉄含有溶液を用いて安全かつ安定的に銀を回収する方法を提供する。
【解決手段】銀及び銅を含む被覆材で被覆された基材を浸出液としての硝酸鉄溶液に浸漬させることで該被覆材を浸出させる浸出工程S1と、得られた銀イオン及び銅イオンを含む硝酸鉄溶液に塩酸を添加することで該銀イオンを塩化銀として析出させて分離回収する銀回収工程S2と、該分離後の硝酸鉄溶液を酸化処理すると共に硝酸イオン濃度を調整することで再生した後、該浸出液として繰り返す再生工程S3と、該再生前又は再生後の硝酸鉄溶液の一部を抜き出して電解採取することによって該銅イオンを銅メタルとして分離除去した後、廃液として払い出すか又は該浸出液として少なくとも一部を繰り返す脱銅電解工程S4とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
銀及び銅を含む被覆材で被覆された基材を浸出液としての硝酸鉄溶液に浸漬させることで該被覆材を浸出させる浸出工程と、前記浸出工程により得た銀イオン及び銅イオンを含む硝酸鉄溶液に塩酸を添加することで前記銀イオンを塩化銀として析出させて分離回収する銀回収工程と、前記塩化銀の分離後の硝酸鉄溶液を酸化処理すると共に硝酸イオン濃度を調整することで再生した後、前記浸出液として繰り返す再生工程と、前記再生前又は再生後の硝酸鉄溶液の一部を抜き出して電解採取することによって前記銅イオンを銅メタルとして分離除去した後、廃液として払い出すか又は前記浸出液として少なくとも一部を繰り返す脱銅電解工程とを有することを特徴とする銀の回収方法。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
前記硝酸鉄溶液の一部の抜出量を、前記浸出工程、前記銀回収工程及び前記再生工程が行なわれる系内の水バランスに基づいて求め、前記電解採取した後の硝酸鉄溶液は、その全量を前記廃液とすることを特徴とする、請求項1に記載の銀の回収方法。
【請求項3】
前記硝酸鉄溶液の一部の抜出量を、前記浸出工程、前記銀回収工程及び前記再生工程が行なわれる系内の銅イオンバランスに基づいて求め、前記電解採取した後の硝酸鉄溶液は、前記浸出液として全量を繰り返すか、あるいは前記系内の水バランスを維持するために一部を前記廃液とし、残部を前記浸出液として繰り返すことを特徴とする、請求項1に記載の銀の回収方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、硝酸鉄溶液による銀の回収方法に関し、特に銀及び銅を含む被覆材で被覆された基材から硝酸鉄溶液により銀を回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、パーソナルコンピュータ、通信機器などの電子機器には、主として、鉄、ニッケル、及びコバルトからなる鉄-ニッケル-コバルト合金の表面に塗布等により銀ロウを被覆させた電子材料が用いられている。この電子材料は、セラミックやガラスに対して金属を接合する場合に適しており、例えば圧電振動子などの気密封入用に好適に利用されている。
【0003】
上記の電子材料は、気密封入等に使用される際の接合面の形状に合わせて打ち抜き加工等により作製されるため、この作製時に多量の加工屑が発生する。この加工屑には貴金属の銀が含まれており、また、基材としての鉄-ニッケル-コバルト合金も高価なニッケル及びコバルトを含んでいるため、これら銀及び鉄-ニッケル-コバルト合金をそれぞれできるだけ高純度に回収することが望ましい。
【0004】
従来、上記のような鉄系合金基材に銀ロウが被覆された電子材料の加工屑に対して、基材としての鉄系合金のロスをできるだけ抑えながら銀を回収する方法として、シアン化アルカリを用いる方法が知られている。この回収方法は、銀ロウで被覆された鉄系合金基材をシアン化アルカリ水溶液等のシアン系剥離液に浸漬することにより、鉄系合金基材の表面から銀ロウのみを剥離して回収するものである。しかしながら、当該回収方法は、毒物であるシアン化アルカリを使用するため、回収設備には特定の専用作業施設を設けると共に、該回収設備から発生する洗浄液中のシアンをほぼ完全に分解するための排水処理設備が必要になる。このため、回収処理に極めて多くの手間とコストがかかることが問題になっていた。
【0005】
そこで、上記のシアン化アルカリを使わない回収方法として、特許文献1には硝酸鉄含有溶液を用いる技術が提案されている。この回収方法は、該硝酸鉄溶液に含まれるFe
3+
を酸化剤として用いることにより、銀ロウに含まれる金属銀及び金属銅を溶解するものである。具体的には、この特許文献1の回収方法は、鉄-ニッケル-コバルト合金等の鉄系合金の基材に銀又は銀系合金を被覆した電子材料の加工屑に対して、硝酸鉄含有溶液を添加することで該銀又は銀系合金を溶解させ、これにより該基板から該銀又は銀系合金を剥離する溶解剥離工程と、該銀又は銀系合金が溶解した硝酸鉄含有溶液に塩酸を添加することで塩化銀沈殿物を生成する塩化銀生成工程と、該溶解剥離工程後の硝酸鉄含有溶液に含まれる2価の鉄イオン(Fe
2+
)を3価の鉄イオン(Fe
3+
)に酸化することで該硝酸鉄含有溶液を再生する硝酸鉄再生工程と、該硝酸鉄再生工程で再生した硝酸鉄含有溶液の濃度を、該溶解剥離工程に使用する硝酸鉄含有溶液の濃度に調整する硝酸鉄含有溶液調整工程とを有している。
【0006】
そして、上記溶解剥離工程では、上記電子材料の加工屑に添加した後の硝酸鉄含有溶液中のFe
3+
濃度がFe
2+
濃度の1.5倍当量以上となるように維持し、該溶解剥離工程では上記硝酸鉄再生工程で再生した硝酸鉄含有溶液を使用し、該硝酸鉄含有溶液調整工程では、該溶解剥離工程で溶解した銀合金成分のうち銀を除いたものと当量の硝酸イオンに相当する硝酸を補充することで、該硝酸鉄再生工程で再生した硝酸鉄含有溶液の硝酸イオン濃度を調整している。この回収方法を採用することで、毒物のシアン化アルカリを使用する必要がなくなるうえ、硝酸鉄溶液を複数回繰り返して利用することができるので、安全かつ低コストに銀及び鉄系合金基材を回収することが可能になる。
【0007】
上記特許文献1の回収方法のように、硝酸鉄含有溶液を使用する場合は、被覆材である銀ロウを構成する銀系合金に主として含まれる銅も溶解する。そのため、硝酸鉄含有溶液を繰り返し使用しているうちに硝酸鉄含有溶液中に銅イオンが徐々に蓄積して硝酸鉄含有溶液の粘性が上昇するうえ、硝酸鉄含有溶液中の硝酸イオンの一部がこの銅の溶解に消費される。このように、硝酸鉄含有溶液を繰り返し使用する場合は、該硝酸鉄含有溶液の溶解能力が徐々に低下することが問題になっていた。
【0008】
上記問題に対処するため、特許文献2には硝酸鉄溶液中に蓄積する銅イオンを、鉄粉によるセメンテーション反応を利用して回収する技術が提案されている。具体的にはこの特許文献2の技術は、銀及び銅を含む被覆基材を浸漬処理することで得た銀イオン及び銅イオンを含む硝酸鉄溶液に対して、塩酸を添加して銀イオンを塩化銀として分離回収した後、該分離後の硝酸鉄溶液に鉄粉を添加して銅イオンを銅メタルとして析出させて回収するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2015-221934号公報
特開2021-116436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、鉄粉は危険物に指定されており、酸素を含む雰囲気下で加熱されると発火するうえ、酸性液との反応性も高いため、取り扱いに際して安全上のリスクを考慮する必要があった。また、セメンテーション反応のために硝酸鉄液に溶解した鉄粉由来の鉄分によって硝酸鉄液中の鉄イオンや硝酸イオンのバランスが崩れ、銀イオン及び銅イオンの溶解が不安定になるおそれがあった。本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、銀及び銅を有する被覆基材に対して硝酸鉄含有溶液を用いて安全かつ安定的に銀を回収する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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