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公開番号2024145356
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023057670
出願日2023-03-31
発明の名称野菜の苦味・渋味の低減方法、および野菜の苦味・渋味が低減された食品
出願人味の素株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A23L 27/00 20160101AFI20241004BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得るマスキング剤等の提供。
【解決手段】(A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、野菜由来の苦味及び/又は渋味のマスキング剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、野菜由来の苦味及び/又は渋味のマスキング剤。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記野菜が、ナス及びピーマンからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1記載の剤。
【請求項3】
前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(A)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、請求項1又は2記載の剤。
【請求項4】
前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(B)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、請求項1又は2記載の剤。
【請求項5】
前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(C)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(C)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、請求項1又は2記載の剤。
【請求項6】
前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(D)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(D)の濃度が0.00001~500000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、請求項1又は2記載の剤。
【請求項7】
塩味増強剤でもある、請求項1又は2記載の剤。
【請求項8】
(A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、
野菜を含有する食品用の調味料組成物。
【請求項9】
前記野菜が、ナス及びピーマンからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)を含有し、かつ
前記食品における前記(A)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように前記食品に添加されるものである、請求項8又は9記載の組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜由来の苦味及び/又は渋味のマスキング剤に関する。本発明は、野菜由来の苦味及び/又は渋味のマスキング方法にも関する。また、本発明は、野菜を含有する食品用の調味料組成物にも関する。更に、本発明は、野菜を含有する食品及びその製造方法にも関する。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
一部の野菜は特有の苦味や渋味を呈し、これらの味を苦手とする消費者において、当該野菜を用いた料理が敬遠される一因となっている。特に小児は、苦味や渋味を呈する野菜を嫌う傾向が強く、当該野菜を用いた料理を食べつけないことが多い。そのような料理を小児等でもおいしく食べられるように、例えば、料理から野菜を除去したり使用量を減らしたりすると、料理の栄養価が低下する場合がある。また、野菜に対し灰汁抜き等の下処理を施すことによって苦味や渋味を多少低減し得る場合があるが、少なくない手間と時間がかかる。そこで野菜由来の苦味、渋味を簡便にマスキングするために、種々の提案が従来なされている。
【0003】
例えば、肉を麹と混合して発酵及び醸造して得られる肉醤を含有する調味料を用いること(特許文献1)、卵のタンパク部分を有機酸溶液により酸変性させて得られる酸変性処理卵を用いること(特許文献2)、鳥類の卵の殻部から採取される卵殻膜を用いること(特許文献3)等が提案されている。また、マヨネーズと同様の原料を配合したドレッシングに、野菜の苦味、渋味を低減する効果があり、当該効果は食酢と卵黄由来であることが報告されている(非特許文献1)。しかし、いずれも野菜由来の苦味及び渋味を十分にマスキングし得るものでなかった。
【0004】
一方、近年の健康志向から、減塩(すなわち、食塩の使用量の低減)の取り組みが様々な食品で進められている。しかし減塩された食品は、塩味が不足し本来のおいしさが損なわれる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-53854号公報
特開2018-29549号公報
特開2008-118887号公報
【非特許文献】
【0006】
松本諒平ら,ドレッシングによる野菜の苦味、渋味、青臭さへの低減効果,日本調理科学会大会研究発表要旨集,2021年,32巻,p.92
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、野菜由来の苦味及び/又は渋味(換言すると、野菜由来の苦味及び/又は野菜由来の渋味)をマスキングし得るマスキング剤を新たに提供することにある。
また、本発明は、一態様として、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得る調味料組成物を新たに提供することを課題とする。
また、本発明は、一態様として、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得る方法を新たに提供することを課題とする。
また、本発明は、一態様として、野菜を含有し、当該野菜由来の苦味及び/又は渋味がマスキングされている食品及びその製造方法を新たに提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上述の課題を解決するべく鋭意検討した結果、特定の香気物質(すなわち、(E)-2-デセナール、(E,E)-2,4-デカジエナール、1-ペンテン-3-オン、フルフラール)がそれぞれ野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得ることを見出した。また、本発明者らは、当該香気物質を組み合わせることによって、より効果的に野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得ることも見出した。更に、本発明者らは、当該香気物質が、野菜由来の苦味及び/又は渋味のマスキングに加え、塩味の増強も為し得ることも見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて更に研究を重ねることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
[1](A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、野菜由来の苦味及び/又は渋味のマスキング剤。
[2]前記野菜が、ナス及びピーマンからなる群より選択される少なくとも一つである、[1]記載の剤。
[3]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(A)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、[1]又は[2]記載の剤。
[4]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(B)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、[1]~[3]のいずれか一つに記載の剤。
[5]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(C)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(C)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、[1]~[4]のいずれか一つに記載の剤。
[6]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(D)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(D)の濃度が0.00001~500000重量ppbとなるように当該食品に添加されるものである、[1]~[5]のいずれか一つに記載の剤。
[7]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)及び/又は(B)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(A)の濃度と前記(B)の濃度との重量比(A:B)が、A:B=1:0.01~1000となるように当該食品に添加されるものである、[1]~[6]のいずれか一つに記載の剤。
[8]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)及び/又は(C)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(A)の濃度と前記(C)の濃度との重量比(A:C)が、A:C=1:0.01~1000となるように当該食品に添加されるものである、[1]~[7]のいずれか一つに記載の剤。
[9]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)及び/又は(D)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(A)の濃度と前記(D)の濃度との重量比(A:D)が、A:D=1:0.01~1000となるように当該食品に添加されるものである、[1]~[8]のいずれか一つに記載の剤。
[10]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)及び/又は(C)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(B)の濃度と前記(C)の濃度との重量比(B:C)が、B:C=1:0.01~1000となるように当該食品に添加されるものである、[1]~[9]のいずれか一つに記載の剤。
[11]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)及び/又は(D)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(B)の濃度と前記(D)の濃度との重量比(B:D)が、B:D=1:0.01~1000となるように当該食品に添加されるものである、[1]~[10]のいずれか一つに記載の剤。
[12]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(C)及び/又は(D)を含有し、かつ
前記野菜を含有する食品における前記(C)の濃度と前記(D)の濃度との重量比(C:D)が、C:D=1:0.1~10となるように当該食品に添加されるものである、[1]~[11]のいずれか一つに記載の剤。
[13]塩味増強剤でもある、[1]~[12]のいずれか一つに記載の剤。
[14](A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、塩味増強剤。
[15](A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、
野菜を含有する食品用の調味料組成物。
[16]前記野菜が、ナス及びピーマンからなる群より選択される少なくとも一つである、[15]記載の組成物。
[17]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)を含有し、かつ
前記食品における前記(A)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように前記食品に添加されるものである、[15]又は[16]記載の組成物。
[18]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)を含有し、かつ
前記食品における前記(B)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように前記食品に添加されるものである、[15]~[17]のいずれか一つに記載の組成物。
[19]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(C)を含有し、かつ
前記食品における前記(C)の濃度が0.00001~150000重量ppbとなるように前記食品に添加されるものである、[15]~[18]のいずれか一つに記載の組成物。
[20]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(D)を含有し、かつ
前記食品における前記(D)の濃度が0.00001~500000重量ppbとなるように前記食品に添加されるものである、[15]~[19]のいずれか一つに記載の組成物。
[21]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)及び/又は(B)を含有し、かつ
前記食品における前記(A)の濃度と前記(B)の濃度との重量比(A:B)が、A:B=1:0.01~1000となるように前記食品に添加されるものである、[15]~[20]のいずれか一つに記載の組成物。
[22]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)及び/又は(C)を含有し、かつ
前記食品における前記(A)の濃度と前記(C)の濃度との重量比(A:C)が、A:C=1:0.01~1000となるように前記食品に添加されるものである、[15]~[21]のいずれか一つに記載の組成物。
[23]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(A)及び/又は(D)を含有し、かつ
前記食品における前記(A)の濃度と前記(D)の濃度との重量比(A:D)が、A:D=1:0.01~1000となるように前記食品に添加されるものである、[15]~[22]のいずれか一つに記載の組成物。
[24]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)及び/又は(C)を含有し、かつ
前記食品における前記(B)の濃度と前記(C)の濃度との重量比(B:C)が、B:C=1:0.01~1000となるように前記食品に添加されるものである、[15]~[23]のいずれか一つに記載の組成物。
[25]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(B)及び/又は(D)を含有し、かつ
前記食品における前記(B)の濃度と前記(D)の濃度との重量比(B:D)が、B:D=1:0.01~1000となるように前記食品に添加されるものである、[15]~[24]のいずれか一つに記載の組成物。
[26]前記(A)~(D)のうち少なくとも前記(C)及び/又は(D)を含有し、かつ
前記食品における前記(C)の濃度と前記(D)の濃度との重量比(C:D)が、C:D=1:0.01~1000となるように前記食品に添加されるものである、[15]~[25]のいずれか一つに記載の組成物。
[27]前記食品が食塩を更に含有する、[15]~[26]のいずれか一つに記載の組成物。
[28](A)(E)-2-デセナール、(B)(E,E)-2,4-デカジエナール、(C)1-ペンテン-3-オン及び(D)フルフラールからなる群より選択される少なくとも一つを含有する、
食塩を含有する食品用の調味料組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得るマスキング剤を提供できる。本発明の剤は、一態様として、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし、かつ、塩味を増強し得る。
また、本発明によれば、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得る調味料組成物を提供できる。本発明の組成物は、一態様として、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし、かつ、塩味を増強し得る。
また、本発明によれば、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし得る方法を提供できる。本発明の方法は、一態様として、野菜由来の苦味及び/又は渋味をマスキングし、かつ、塩味を増強し得る。
また、本発明によれば、野菜を含有し、当該野菜由来の苦味及び/又は渋味がマスキングされている食品及びその製造方法を提供できる。本発明によれば、野菜及び食塩を含有し、当該野菜由来の苦味及び/又は渋味がマスキングされ、かつ、塩味が増強されている食品及びその製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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