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公開番号
2024144992
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057204
出願日
2023-03-31
発明の名称
非接触型測距装置及び方法
出願人
日本電信電話株式会社
,
国立大学法人島根大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01S
17/34 20200101AFI20241004BHJP(測定;試験)
要約
【課題】本開示は、ビート信号の検出時においてビート信号を発生させた周波数が、複製された複数の周波数のうちのどの周波数であるかを特定可能にすることを目的とする。
【解決手段】本開示は、周波数掃引光を被測定物に照射し、前記被測定物で反射されたプローブ光と参照光との干渉によるビート信号の周波数を計測することにより、前記被測定物までの距離を求める非接触型測距装置において、前記参照光を、遅延間隔が非一様な複数の光に複製する光複製部を備える、ことを特徴とする非接触型測距装置である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
周波数掃引光を被測定物に照射し、前記被測定物で反射されたプローブ光と参照光との干渉によるビート信号の周波数を計測することにより、前記被測定物までの距離を求める非接触型測距装置において、
前記参照光を、遅延間隔が非一様な複数の光に複製する光複製部を備える、
ことを特徴とする非接触型測距装置。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記光複製部で複製された複数の光を前記プローブ光と合波することで、複数のビート信号を発生させ、
前記複数のビート信号のうちの2以上の周波数を検出することで、前記被測定物までの距離を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の非接触型測距装置。
【請求項3】
前記光複製部は、長さの異なる複数の周回伝送路が並列に接続されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の非接触型測距装置。
【請求項4】
前記複数の周回伝送路の一つの長さL
7
が、前記複数の周回伝送路の長さの差ΔL
7
の整数倍と異なる、
ことを特徴とする請求項3に記載の非接触型測距装置。
【請求項5】
前記複数の周回伝送路に含まれる各周回伝送路を伝搬する時間に変化する前記周波数掃引光の周波数が、前記ビート信号の周波数を検出する主干渉計の受信帯域の2倍よりも大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の非接触型測距装置。
【請求項6】
前記複数の周回伝送路に、増幅率の異なる光増幅器が挿入されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の非接触型測距装置。
【請求項7】
周波数掃引光を被測定物に照射し、前記被測定物で反射されたプローブ光と参照光との干渉によるビート信号の周波数を計測することにより、前記被測定物までの距離を求める非接触型測距方法において、
光複製部が、前記参照光を、遅延間隔が非一様な複数の光に複製する手順を備える、
非接触型測距方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、周波数掃引光を用いた非接触型測距装置及び方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【背景技術】
【0002】
正確な測距技術は大規模構造物の形状測定のような計測において重要な技術である。このような応用は多数存在し、パラボラアンテナや建築物のような人工物の形状測定、氷床の厚み計測や森林の高さ測定に代表される自然形成物の測定、等がある。特に、建物等のヘルスモニタリングや防災を目的とした大規模構造物の計測では、遠方の測定物の位置や形状を高精細に測定する需要が存在する。
【0003】
LiDAR(Light Detection And Ranging:光による検知と測距)は、レーザ光を使って被測定物までの光路長を計測する非接触型測距技術である。このような技術において、周波数変調連続波(FMCW)型LiDARは単一光源で測距を行い、速度・振動検知の能力がある。FMCW型LiDARでは、周波数を掃引し、戻り光との干渉により生じる周波数差(ビート周波数、IF)を距離に換算する。100nmの掃引帯域を有する光源を用いれば約12μmの分解能が実現できる。
【0004】
しかしながら、FMCW型LiDARでは、測定距離は光源のコヒーレンス長により数十mに限定されている。また、得られるビート周波数が受信帯域を上回る計測はできない。これは、受信帯域が一定である限り、周波数の掃引速度と測定距離の積に上限が生じることを意味する。すなわち、受信帯域が一定ならば、測定距離又は周波数の掃引速度のいずれかを犠牲にしなければならないという課題がある。なお、測定の繰り返し周波数(リフレッシュレート)は周波数の掃引速度に比例するため、周波数の掃引速度を犠牲にすることは、リフレッシュレートを犠牲することになる。以上2つの要因により、FMCW型LiDARは専ら数十m程度以内の比較的短距離の測距に限定されていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
永田崇弘 他,“波長掃引型光周波数コムを用いた周波数変調連続波型光距離計”,2022年度(第73回)電気・情報関連学会中国支部連合大会,R22-11-04.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
単一光源を用いる簡便な測距装置において、周波数の掃引速度を低下させることなく測定距離の延長を実現するための技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。非特許文献1では、参照光又はプローブ光の一方を異なる複数の周波数の光に複製し、参照光又はプローブ光の他方と合波する。これにより、複数の周波数のビート信号を発生させ、そのうちの受信帯域に入ったビート周波数を検出する。
【0007】
しかし、非特許文献1では、複数の周波数の光が生成され、ビート信号の検出時においてビート信号を発生させた周波数がどの周波数であるかを特定することができなかった。そこで、本開示は、ビート信号の検出時においてビート信号を発生させた周波数が、複製された複数の周波数のうちのどの周波数であるかを特定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本開示は、参照光を複製し、複製した参照光とプローブ光を干渉させる。この複製の際に、各時刻(各瞬時)における光周波数間隔が非一様となるように、入射された光を異なる遅延が付与された複数の光に複製する。
【0009】
具体的には、本開示に係る非接触型測距装置は、周波数掃引光を被測定物に照射し、前記被測定物で反射されたプローブ光と参照光との干渉によるビート信号の周波数を計測することにより、前記被測定物までの距離を求める非接触型測距装置において、本開示に係る非接触型測距方法を実行する。
【0010】
本開示に係る非接触型測距装置は、
前記参照光を、遅延間隔が非一様な複数の光に複製する光複製部を備え、
前記光複製部で複製された複数の光を前記プローブ光と合波することで、複数のビート信号を発生させ、
前記複数のビート信号のうちの2以上の周波数を検出することで、前記被測定物までの距離を求める。
(【0011】以降は省略されています)
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