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公開番号
2024144912
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023057089
出願日
2023-03-31
発明の名称
ポリカルボン酸を基本骨格としラジカル重合性基をランダムに少なくとも一つ以上側鎖にもつラジカル重合架橋性水溶性ポリマーのフリーラジカル重合法による製造方法。
出願人
株式会社松風
代理人
主分類
A61K
6/62 20200101AFI20241004BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】
高い靭性を有し、低分子モノマーの溶出のない、且つ操作性の良い医科歯科用硬化性組成物を得ること。
【解決手段】
ポリカルボン酸を基本骨格としラジカル重合性基をランダムに少なくとも一つ以上側鎖にもつラジカル重合架橋性水溶性ポリマーをフリーラジカル重合法にて製造する事でポリマーの生産コストを大幅に低下させる事が可能となった。また、そのポリマーを含有する医科・歯科用硬化性組成物を調製する事で課題が解決される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の化学構造式で示される、ポリカルボン酸を基本骨格としラジカル重合性基をランダムに少なくとも一つ以上側鎖にもつラジカル重合架橋性水溶性ポリマーの製造で、イオン反応性を示す化学構造部位Aの出発原料がアクリル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸エステルである事を特徴とする製造方法。
JPEG
2024144912000026.jpg
13
38
式中Aはイオン反応性を示す化学構造を有し、式中Bはラジカル重合性を示す化学構造を有する。また、Zは重合開始剤に由来する構造を示す。式中aおよびbは繰返し数を示し、aおよびbは何れも10~1000の範囲内であり、AおよびBはランダムに共有結合し、1.8を超えるモル質量分布Mw/Mnを有する。
続きを表示(約 340 文字)
【請求項2】
重合方法がフリーラジカル重合である事を特徴とする請求項1に記載のラジカル重合架橋性水溶性ポリマーの製造方法。
【請求項3】
1)アクリル酸エステルおよび/またはメタアクリル酸エステルを請求項2記載の方法で重合する工程、2)得られたポリアクリル酸エステルおよび/またはポリメタアクリル酸エステルを加水分解する工程、3)加水分解した工程にて生成したカルボキシル基に、イソシアネート基およびラジカル重合性基を同一分子内に有する化合物を脱炭酸過程を経てアミド結合にて反応させる工程の三工程を含むポリカルボン酸を基本骨格としラジカル重合性基をランダムに少なくとも一つ以上側鎖にもつラジカル重合架橋性水溶性ポリマーの請求項1および請求項2記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、医科・歯科の分野において用いられる新規な医科・歯科用硬化性組成物に使用されるポリカルボン酸を基本骨格としラジカル重合性基をランダムに少なくとも一つ以上側鎖にもつラジカル重合架橋性水溶性ポリマーの製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、フリーラジカル重合により合成されたポリカルボン酸を基本骨格としラジカル重合性基を少なくとも一つ以上側鎖にもつラジカル重合架橋性水溶性ランダムポリマーの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
医科・歯科の分野において骨欠損部への充填材、歯科補綴物等の合着では従来よりリン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメント及びレジンセメントが用いられてきた。中でもレジンセメント等樹脂を基本とする修復材料はリン酸亜鉛セメント及びカルボキシレートセメントと比較し一般的に高い靭性を持つために、広く整形外科医学・歯学の分野において利用されていた。
【0003】
しかし、これらのレジンセメント等樹脂を基本とする生体接着充填材料は2-HEMA等の低分子のラジカル重合性基含有モノマーを有し、硬化後においても残留する未反応の低分子モノマーが溶出し、生体組織に対し多大な影響を与えると報告されている。またこの様な低分子のラジカル重合性基含有モノマーを含有しない材料として、先に述べたカルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメントが従来より使用されているが、これらの材料はその硬化体がかなり高い脆性を示すため使用部位が限定されていた。
【0004】
これらの問題を回避するため、それらの成分に水溶性低分子のラジカル重合性基含有モノマー及び重合開始剤を含有させた光重合性グラスアイオノマーセメントの開発も報告されているが、先ほど記載したように、硬化後においても残留する未反応の低分子モノマーが溶出し、生体組織に対し多大な影響を与えると報告されている。
【0005】
さらに、特開昭62-149715号公報等においては、酸基及び/またはその反応性誘導体基を含む重合可能な不飽和モノマー及び/またはオリゴマー及び/またはプレポリマーが報告されているが、一分子中に酸基及びラジカル重合性基を含有するモノマーを用いたとしても、硬化体からの未反応の低分子モノマーの溶出は防げず、また、一分子中に酸基及びラジカル重合性基を含有するプレポリマーを用いたとしても、そのラジカル重合性基の反応性及び水溶性にするためのグラフト化率の関係上、そのセメント組成物中には2-HEMA、Bis-GMA等の低分子モノマーの多量の添加が不可欠であった。
【0006】
特開平4-173713号公報には、ガラス粉末、水溶性ポリマーおよび水を含有するペーストとポリカルボン酸水溶液からなる作業性の改良された歯科用グラスアイオノマーセメント組成物が開示されている。しかしこの組成物から得られた硬化セメントは機械的特性が十分ではない。
【0007】
さらに、分子量制御されたポリ酸の歯科分野への応用に関しては特表2004-5162537に詳細な記述がなされているものの、従来のグラスアイオノマーセメントの域を出ておらず、十分な耐久性を有する医科歯科用硬化性組成物とは言えない。
【0008】
この様に従来の技術においては高い靭性を有し、低分子モノマーの溶出のない、且つ操作性の良いセメント組成物を得ることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭62-149715号公報
特開平4-173713号公報
特表2004-5162537
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
医科歯科分野ではカルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメントが従来より使用されているが、これらの材料はその硬化体がかなり高い脆性を示すため使用部位が限定されていた。これらの問題を回避するため、それらの成分に水溶性低分子のラジカル重合性基含有モノマー及び重合開始剤を含有させた光重合性グラスアイオノマーセメントの開発も報告されているが、硬化後においても残留する未反応の低分子モノマーが溶出し、生体組織に対し多大な影響を与えると報告されている。この様に従来の技術においては高い靭性を有し、低分子モノマーの溶出のない、且つ操作性の良い医科歯科用硬化性組成物を得ることは困難であり、この問題を生産コストを抑えつつ解決する事が重要な課題であった。
(【0011】以降は省略されています)
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