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公開番号2024144210
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024038230
出願日2024-03-12
発明の名称鋼材中の非金属介在物の評価方法
出願人株式会社プロテリアル
代理人
主分類G01N 33/20 20190101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】大きい最大サイズを予測する精度に優れた鋼材中の非金属介在物の評価方法を提供する。
【解決手段】鋼材に含まれ得る非金属介在物の最大サイズを極値統計法によって予測する、鋼材中の非金属介在物の評価方法において、
鋼材の複数の断面から採取した非金属介在物の最大サイズの複数の実測データが、最大サイズが80μm以上(または、100μm以上)の実測データを含み、かつ、該複数の実測データに基づいて極値統計法のデータ解析を行うとき、
前記極値統計法のデータ解析でフレシェ型の極値分布を適用し、かつ、前記複数の実測データのうちから最大サイズがDμm未満の実測データを除外し、極値を予測する、鋼材中の非金属介在物の評価方法(Dは20~80(または、20~100)の範囲から選択される値)。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
鋼材に含まれ得る非金属介在物の最大サイズを極値統計法によって予測する、鋼材中の非金属介在物の評価方法において、
鋼材の複数の断面から採取した非金属介在物の最大サイズの複数の実測データが、最大サイズが80μm以上の実測データを含み、かつ、該複数の実測データに基づいて極値統計法のデータ解析を行うとき、
前記極値統計法のデータ解析でフレシェ型の極値分布を適用し、かつ、前記複数の実測データのうちから最大サイズがDμm未満の実測データを除外し、極値を予測することを特徴とする、鋼材中の非金属介在物の評価方法。
但し、Dは20~80の範囲から選択される値
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
鋼材に含まれ得る非金属介在物の最大サイズを極値統計法によって予測する、鋼材中の非金属介在物の評価方法において、
鋼材の複数の断面から採取した非金属介在物の最大サイズの複数の実測データが、最大サイズが100μm以上の実測データを含み、かつ、該複数の実測データに基づいて極値統計法のデータ解析を行うとき、
前記極値統計法のデータ解析でフレシェ型の極値分布を適用し、かつ、前記複数の実測データのうちから最大サイズがDμm未満の実測データを除外し、極値を予測することを特徴とする、鋼材中の非金属介在物の評価方法。
但し、Dは20~100の範囲から選択される値

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材に含まれ得る非金属介在物の最大サイズを極値統計法によって予測する方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
鋼の疲労破壊が起こる原因として、鋼材中の微小欠陥や非金属介在物によるものが知られている。非金属介在物が鋼材中に存在する場合、鋼材へ荷重が印加された際に、非金属介在物の周囲に応力集中が起こり、破壊の起点となると考えられる。また、その破壊の確率は、非金属介在物のサイズが大きい程起こり易いと考えられている。従って、非金属介在物の最大サイズを予測することは、鋼材の健全性を確保する上で重要である。
【0003】
特許文献1には、超音波疲労試験と極値統計法とによって非金属介在物の最大径を予測する方法が開示されている。この方法では、軸受に用いる高強度鋼に対して効率的かつ精度の良い断面観察により、極値統計法を適用し、最大サイズを予測している。
【0004】
非特許文献1においては、高周波超音波法による大型ミクロ非金属介在物の評価技術について詳しく述べられている。超音波法の適用により試験体積を63390mm

まで大きくし、大型ミクロ非金属介在物の粒径分布の評価を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-133622号公報
【非特許文献】
【0006】
加藤恵之、外3名,「軸受鋼の鋼中介在物の評価技術」,山陽特殊製鋼技報,山陽特殊製鋼株式会社,平成13年6月,第8巻,第1号,p.59-67
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1、非特許文献1は、高強度鋼を対象としたものである。例えば、非特許文献1では、3μm以上の非金属介在物を対象に観察を行い、60μm以下のサイズ分布を得ている。この文献中では15μm以下が目標値、すなわち最大サイズの許容範囲であり、50μm以上の大きな非金属介在物は偶発的に発生する外来系のものとされている。従って、極値分布を得るための標本となる非金属介在物のサイズは、偶発的なものを含めても60μm以下のものを用いている。
【0008】
また、前記の非特許文献1では、最大サイズの予測値を導出する過程において、試料より3μm以上の非金属介在物の総個数と非金属介在物の大きさを測定した後、極値分布関数への累積分布関数がグンベル分布であることを仮定して近似し、式を解くことで非金属介在物の最大サイズの予測を行っている。
【0009】
これに対し、一般鋼やダイカスト金型材などの鋼材においては、溶解方法や鋳造方法などの製鋼工程の違いから、非金属介在物の数やサイズが高強度鋼と比べて多くなる傾向にある。このような鋼材においては、たとえば100μm以上の大きい非金属介在物が、偶発的とは言えない程度の低頻度で発生する。
このような介在物は、製鋼工程で発生する非金属介在物のうち、凝集体と呼ばれる、単体の非金属介在物が複数集まって出来た形態となって現れる場合が多い。凝集体の非金属介在物は、単体の非金属介在物が集まることにより、単体の非金属介在物と比較して大きいサイズになりやすいと考えられる。
【0010】
上記のような100μm以上の大きい非金属介在物サイズを含む分布に対し、非特許文献1と同じくグンベル分布を仮定した評価方法を用いた場合、非金属介在物サイズの分布とグンベル分布との差異が生じ、予測精度が悪化する課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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