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公開番号2024141782
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053611
出願日2023-03-29
発明の名称搬送装置作動方法および搬送装置
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類B65H 3/08 20060101AFI20241003BHJP(運搬;包装;貯蔵;薄板状または線条材料の取扱い)
要約【課題】搬送対象物を1つずつ保持して搬送することが可能である搬送装置の作動方法および搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送対象物100を搬送する装置1の作動方法であって、吸着部10は、吸気部210および排気部220を備え、載置台40は、上面部41を有しており、吸着部210を搬送対象物100に吸着させる吸着工程と、吸着部10を上方に移動させる吸着部移動工程と、を有しており、吸着工程において、載置台40に載置されている搬送対象物100に吸着部10が吸着している状態では、吸着部10の吸着面20は、載置台40の上面部41に対して水平であり、吸着部移動工程において、吸着部10の吸着面20は、載置台40の上面部41に対して傾斜しており、吸着部移動工程において、吸着部10は、吸気部210による吸気および排気部220による排気を同時に行う時間を有している搬送装置作動方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
搬送対象物に吸着する吸着部と、前記搬送対象物を載置する載置台と、を有し、前記搬送対象物を搬送する装置の作動方法であって、
前記吸着部は、吸気部および排気部を備え、
前記載置台は、上面部を有しており、
前記吸着部を前記搬送対象物に吸着させる吸着工程と、
前記吸着部を上方に移動させる吸着部移動工程と、を有しており、
前記吸着工程において、前記載置台に載置されている前記搬送対象物に前記吸着部が吸着している状態では、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して水平であり、
前記吸着部移動工程において、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して傾斜しており、
前記吸着部移動工程において、前記吸着部は、前記吸気部による吸気および前記排気部による排気を同時に行う時間を有している搬送装置作動方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記吸着部の吸着面は、内方部と、前記内方部よりも外方に位置する外方部と、を有しており、
前記吸気部は、前記外方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記内方部に配されている、
または、前記吸気部は、前記内方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記外方部に配されている請求項1に記載の搬送装置作動方法。
【請求項3】
前記吸着部移動工程において、前記吸着部の吸着面の面積が縮小する請求項1に記載の搬送装置作動方法。
【請求項4】
前記吸気部による吸気量および前記排気部による排気量の少なくとも一方の調節を行う吸着部調整工程をさらに有する請求項1に記載の搬送装置作動方法。
【請求項5】
前記搬送対象物は、通気性を有している請求項1に記載の搬送装置作動方法。
【請求項6】
前記装置は、前記搬送対象物の上面に接触する押さえ部を有しており、
前記吸着部移動工程において、前記吸着部の吸着面は、前記押さえ部の方向へ傾斜している請求項1に記載の搬送装置作動方法。
【請求項7】
搬送対象物を搬送する装置であって、
前記搬送対象物に吸着する吸着部と、前記搬送対象物を載置する載置台と、を有しており、
前記吸着部は、吸気部および排気部を備え、
前記吸着部は、前記吸着部を前記搬送対象物に吸着させた状態において、前記吸気部による吸気と前記排気部による排気を同時に行うことが可能であり、
前記載置台は、上面部を有しており、
前記載置台に載置されている前記搬送対象物に前記吸着部が吸着している下降状態において、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して水平であり、
前記搬送対象物に吸着している前記吸着部を上方に引き上げた上昇状態において、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して傾斜している搬送装置。
【請求項8】
前記吸着部の吸着面は、内方部と、前記内方部よりも外方に位置する外方部と、を有しており、
前記吸気部は、前記外方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記内方部に配されている、
または、前記吸気部は、前記内方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記外方部に配されている請求項7に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記吸着部の吸着面の面積は、縮小可能である請求項7に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記吸気部による吸気量および前記排気部による排気量の少なくとも一方の調節を行うことが可能である請求項7に記載の搬送装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送対象物を搬送する装置および搬送装置の作動方法に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
医療器具や薬剤等の物品を包装する際に、使用説明書等の添付文書が物品の包装体に同封されることがある。また、例えば、ガラス板や金属板、フィルム等の物品を梱包する際に、物品を保護するための合紙として各物品間に紙やフィルム等を挟み込むことがある。
【0003】
近年、物品の包装や梱包において、添付文書や合紙といった薄板状物等の搬送対象物を所定の位置まで搬送する作業を自動化することが求められている。
【0004】
例えば、特許文献1には、紙片の外形よりも内側に突出する複数の支持爪上に複数の紙片を積層した状態で保持するマガジンラックと、該マガジンラックに保持されている紙片のうち、最下位にある紙片の下面側に吸着して下方へ引き出す引出装置とを備えた紙片の繰出装置において、前記引出装置によって引き出される紙片の上面側へエアを吹きつけるエア吐出装置を設けたことを特徴とする紙片の繰出装置が記載されている。特許文献2には、薄板状製品を積み重ねる際に、薄板状製品間に挿入して用いられる合紙を供給する合紙供給装置であって、積み重ねられた合紙群の最も上の合紙を、上側から吸着パッドで吸着して上側に持ち上げ、吸着した状態で合紙を搬送して、これを供給するもので、吸着パッドを、合紙の長手方向に並べて2個ないし2列設け、これらを一体として上下方向移動および、所定の位置への位置移動を行うもので、且つ、前記2個の吸着パッドの少なくとも1個、あるいは2列の吸着パッドの少なくとも1列を、上下方向に振動させる振動手段を備えていることを特徴とする合紙供給装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-310334号公報
特開2000-177864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1や特許文献2の装置では、紙片やフィルム等の搬送対象物が積み重ねられた状態で装置に供給されているが、搬送対象物を1つずつ保持して搬送させる際に、複数の搬送対象物を保持してしまい、製品の不良や搬送トラブルが発生することがあるという問題があった。また、特許文献1や特許文献2の装置では、2つ折りや3つ折り等の折り加工がなされている紙片や冊子状の紙片等、搬送対象物の状態によっては、搬送対象物を確実に保持して目的の位置まで搬送することが困難であるという問題もあった。
【0007】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送対象物を1つずつ保持して搬送することが可能である搬送装置の作動方法および搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決することができた搬送装置作動方法は、以下の点に要旨を有する。
[1]搬送対象物に吸着する吸着部と、前記搬送対象物を載置する載置台と、を有し、前記搬送対象物を搬送する装置の作動方法であって、
前記吸着部は、吸気部および排気部を備え、
前記載置台は、上面部を有しており、
前記吸着部を前記搬送対象物に吸着させる吸着工程と、
前記吸着部を上方に移動させる吸着部移動工程と、を有しており、
前記吸着工程において、前記載置台に載置されている前記搬送対象物に前記吸着部が吸着している状態では、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して水平であり、
前記吸着部移動工程において、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して傾斜しており、
前記吸着部移動工程において、前記吸着部は、前記吸気部による吸気および前記排気部による排気を同時に行う時間を有している搬送装置作動方法。
[2]前記吸着部の吸着面は、内方部と、前記内方部よりも外方に位置する外方部と、を有しており、
前記吸気部は、前記外方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記内方部に配されている、
または、前記吸気部は、前記内方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記外方部に配されている[1]に記載の搬送装置作動方法。
[3]前記吸着部移動工程において、前記吸着部の吸着面の面積が縮小する[1]または[2]に記載の搬送装置作動方法。
[4]前記吸気部による吸気量および前記排気部による排気量の少なくとも一方の調節を行う吸着部調整工程をさらに有する[1]~[3]のいずれかに記載の搬送装置作動方法。
[5]前記搬送対象物は、通気性を有している[1]~[4]のいずれかに記載の搬送装置作動方法。
[6]前記装置は、前記搬送対象物の上面に接触する押さえ部を有しており、
前記吸着部移動工程において、前記吸着部の吸着面は、前記押さえ部の方向へ傾斜している[1]~[5]のいずれかに記載の搬送装置作動方法。
【0009】
前記課題を解決することができた搬送装置は、以下の点に要旨を有する。
[7]搬送対象物を搬送する装置であって、
前記搬送対象物に吸着する吸着部と、前記搬送対象物を載置する載置台と、を有しており、
前記吸着部は、吸気部および排気部を備え、
前記吸着部は、前記吸着部を前記搬送対象物に吸着させた状態において、前記吸気部による吸気と前記排気部による排気を同時に行うことが可能であり、
前記載置台は、上面部を有しており、
前記載置台に載置されている前記搬送対象物に前記吸着部が吸着している下降状態において、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して水平であり、
前記搬送対象物に吸着している前記吸着部を上方に引き上げた上昇状態において、前記吸着部の吸着面は、前記載置台の前記上面部に対して傾斜している搬送装置。
[8]前記吸着部の吸着面は、内方部と、前記内方部よりも外方に位置する外方部と、を有しており、
前記吸気部は、前記外方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記内方部に配されている、
または、前記吸気部は、前記内方部に配されており、かつ、前記排気部は、前記外方部に配されている[7]に記載の搬送装置。
[9]前記吸着部の吸着面の面積は、縮小可能である[7]または[8]に記載の搬送装置。
[10]前記吸気部による吸気量および前記排気部による排気量の少なくとも一方の調節を行うことが可能である[7]~[9]のいずれかに記載の搬送装置。
[11]前記搬送対象物は、通気性を有している[7]~[10]のいずれかに記載の搬送装置。
[12]前記装置は、前記搬送対象物の上面に接触する押さえ部を有している[7]~[11]のいずれかに記載の搬送装置。
[13]前記搬送対象物に吸着している前記吸着部を上方に引き上げた上昇状態において、前記吸着部の吸着面は、前記押さえ部の方向へ傾斜している[12]に記載の搬送装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明の搬送装置作動方法によれば、吸着部が吸気部および排気部を備え、吸着部が吸気部による吸気および前記排気部による排気を同時に行う時間を有していることにより、吸着部において吸気と排気の両方が行われ、空気の渦を発生させることができる。吸着部において空気の渦が発生することにより、吸着部が吸着している搬送対象物の少なくとも一部がたわんだ状態となる。そのため、吸着部が吸着している搬送対象物の下面に空気が入り込みやすくなり、静電気等によって搬送対象物の下側面に付着している他物を離しやすくすることができ、搬送対象物を1つずつ保持して搬送することが行いやすくなる。また、本発明の搬送装置作動方法であれば、搬送対象物の下面に空気が入り込みやすいため、折り加工が施されていない紙片だけでなく、折り加工が施された紙片や冊子状の紙片であっても搬送が行いやすくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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