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公開番号
2024139910
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023050853
出願日
2023-03-28
発明の名称
細繊度フッ素系未焼成繊維及びその製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
D01F
6/12 20060101AFI20241003BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約
【課題】耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れるというフッ素系繊維の素材としての特性を維持しつつ、細繊度化させ、薄地抄紙用途に適した、単糸接着が少なく生産性が良好な細繊度フッ素系未焼成繊維とその製造方法を提供すること。
【解決手段】単繊維繊度が1.0dtex以上15.0dtex以下、含炭率が繊維重量に対して5.0%以上25.0%以下であることを特徴とするフッ素系未焼成繊維。フッ素系未焼成繊維の製造方法であってフッ素系未焼成繊維の製造方法であって、ビスコースとフッ素樹脂の水分散液をセルロース:フッ素樹脂重量比5:95~25:75で混合した混合液を、硫酸濃度7~13%、硫酸ソーダ濃度7~15%の水溶液の凝固浴中に吐出孔の孔径が40μm以上80μm以下、孔長/孔径が1.0以上3.0以下の紡糸ノズルから引き取り速度/吐出線速度が1.5~4.0で総繊度4000dtex以上のマルチフィラメントとして吐出し、温水、アルカリ水溶液により洗浄することを特徴とするフッ素系未焼成繊維の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
単繊維繊度が1.0dtex以上15.0dtex以下、含炭率が繊維重量に対して5.0%以上25.0%以下であることを特徴とするフッ素系未焼成繊維。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
単糸接着評価における繊維固着部の個数が1個/0.2g以下であることを特徴とする請求項1記載のフッ素系未焼成繊維。
【請求項3】
結晶配向度が0.60~0.80であることを特徴とする請求項1または2記載のフッ素系未焼成繊維。
【請求項4】
フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレンもしくはパーフルオロアルコキシアルカンを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素系未焼成繊維。
【請求項5】
フッ素系未焼成繊維の製造方法であって、ビスコースとフッ素樹脂の水分散液をセルロース:フッ素樹脂(重量比)=5:95~25:75で混合した混合液を、硫酸濃度7~13%、硫酸ソーダ濃度7~15%の水溶液の凝固浴中に吐出孔の孔径が40μm以上80μm以下、孔長/孔径が1.0以上3.0以下の紡糸ノズルから引き取り速度/吐出線速度が1.5~4.0で総繊度4000dtex以上のマルチフィラメントとして吐出し、温水、アルカリ水溶液により洗浄することを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素系未焼成繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、細繊度のフッ素系未焼成繊維とその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)繊維に代表されるフッ素樹脂系繊維は、その優れた耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、あるいは摩擦係数が低く摺動性に優れることなどから、産業資材用途を中心に、広く用いられている。
とくに近年では、その絶縁性を活かして、プリント基板等の通信部材に用いられる絶縁シートとしての活用が期待されており、多数の空隙を有することで通気性や低誘電性に優れることからとくに検討が進められている。
スマートフォンに代表される通信部材での利用を考えた場合、薄地化が必須である一方、抄紙厚みや特性の安定化においては均一な地合いであることも重要な要素となる。
抄紙薄厚化を図るためには、原料として用いるフッ素系繊維の細繊度化が必要であり、例えば特許文献1には、紡糸口金の孔径と孔長、紡糸ドラフト、焼成条件を調整することで、生産性が良好な細繊度ポリテトラフルオロエチレン繊維が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-85088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のポリテトラフルオロエチレン繊維は、焼成工程での繊維間融着が多少なりとも発生しており、とくに細繊度化と生産性を両立させるためにマルチフィラメントの総繊度を増やした際に融着部の発生が増加する傾向にあり、抄紙用途に用いた際に融着部の厚み増加、地合いの不均一化をもたらすという課題があった。また、同製法はPTFEに限定されたものであり、PFAなど他のフッ素系樹脂への適用が難しいという課題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れるというフッ素系繊維の素材としての特性を維持しつつ、細繊度化させ、薄地抄紙用途に適した、単糸接着が少なく生産性が良好な細繊度フッ素系繊維とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のように構成したものである。
[1]単繊維繊度が1.0dtex以上15.0dtex以下、含炭率が繊維重量に対して5.0%以上25.0%以下であることを特徴とするフッ素系未焼成繊維。
[2]単糸接着評価における繊維固着部の個数が1個/0.2g以下であることを特徴とする前記フッ素系未焼成繊維。
[3]結晶配向度が0.60~0.80であることを特徴とする前記フッ素系未焼成繊維。
[4]フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレンもしくはパーフルオロアルコキシアルカンを用いることを特徴とする前記フッ素系未焼成繊維。
[5]フッ素系未焼成繊維の製造方法であって、ビスコースとフッ素樹脂の水分散液をセルロース:フッ素樹脂重量比5:95~25:75で混合した混合液を、硫酸濃度7~13%、硫酸ソーダ濃度7~15%の水溶液の凝固浴中に吐出孔の孔径が40μm以上80μm以下、孔長/孔径が1.0以上3.0以下の紡糸ノズルから引き取り速度/吐出線速度が1.5~4.0で総繊度4000dtex以上のマルチフィラメントとして吐出し、温水、アルカリ水溶液により洗浄することを特徴とするフッ素系未焼成繊維の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、薄地抄紙用途に適した、単糸接着が少なく生産性が良好な細繊度フッ素系繊維を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<フッ素系未焼成繊維>
本発明のフッ素系未焼成繊維としては、繰り返し構造単位の90%以上が主鎖または側鎖にフッ素原子を1個以上含むモノマーで構成された重合体(フッ素樹脂)からなる繊維であれば、いずれのものでも使用することができるが、フッ素原子数の多いモノマーで構成された繊維ほど好ましく、PTFEの他に、4フッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、4フッ化エチレン-6フッ化プロピレン重合体(FEP)、4フッ化エチレンオレフィン共重合体(ETFE)などを使用することができる。中でも、耐熱性、耐薬品性、誘電特性の観点から、PTFEもしくはPFAが好ましい。
【0009】
フッ素樹脂ポリマーは、加熱溶融体の粘度が著しく高いため、フッ素樹脂ポリマーとマトリックスポリマーを混合してエマルジョンとし、該エマルジョンを口金より凝固浴中に吐出して繊維化するマトリックス紡糸法が知られている。マトリックス紡糸により得られた繊維は、ポリマーの融点以上の温度で焼成する焼成工程を通過することで、マトリックスポリマーの大部分を除去し、フッ素樹脂ポリマーの粒子間を融着させる焼成糸とすることが一般的である。本発明のフッ素系未焼成繊維とは、前記焼成工程を通過していないものを指すものである。
【0010】
本発明のフッ素系未焼成繊維の単繊維繊度は、単繊維繊度が1.0dtex以上15.0dtex以下であることが好ましい。単繊維繊度が1.0dtex未満だと、紡糸性が著しく悪化し、工業的な生産が困難となる。また、15.0dtexを超えると、細繊度化の効果が低くなり薄地抄紙用途に適さない。
(【0011】以降は省略されています)
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