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公開番号2024138738
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023049392
出願日2023-03-27
発明の名称多層回路基板
出願人古河電気工業株式会社
代理人個人,個人
主分類H05K 1/02 20060101AFI20241002BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】基板の製造時に多少の積層ずれが生じても、導体パッドの特性インピーダンスに変動をもたらさず、導体パッドでの反射特性の劣化が抑制された多層回路基板を提供する。
【解決手段】本発明の多層回路基板は、信号層1と、絶縁体層と、グランド層3の少なくとも3層がこの順で積層されてなり、信号層1は、信号配線12a,12bと、信号配線12a,12bに接続され、信号配線12a,12bより幅広の導体パッド11a,11bと、を有し、グランド層3は、グランド層3が存在しない複数の開口領域31と、開口領域31の間でグランド層3が存在するグランド領域32と、を有し、積層方向から見た投影面において、信号層1を絶縁体層に積層する際に導体パッド11a,11bが位置し得る領域の範囲内で、導体パッド11a,11bが何れの位置に配置された場合においても、導体パッド11a,11bの下部における開口領域31の面積の合計が略等しい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
信号層と、絶縁体層と、グランド層の少なくとも3層がこの順で積層されてなる多層回路基板であって、
前記信号層は、信号配線と、該信号配線に接続され、かつ、当該信号配線より幅広の導体パッドと、を有し、
前記グランド層は、当該グランド層が存在しない複数の開口領域と、当該開口領域の間で前記グランド層が存在するグランド領域と、を有し、
積層方向から見た投影面において、前記信号層を前記絶縁体層に積層する際に前記導体パッドが位置し得る領域の範囲内で、前記導体パッドが何れの位置に配置された場合においても、前記導体パッドの下部における前記開口領域の面積の合計が略等しい、多層回路基板。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記投影面における前記信号配線の延在方向と直交する直線上において、複数の前記開口領域及び複数の前記グランド領域が、それぞれ線分が同一長さで周期的に位置している、請求項1に記載の多層回路基板。
【請求項3】
前記投影面における前記信号配線の延在方向と直交する直線上において、前記開口領域から前記グランド領域に切り替わる境界を、1の前記開口領域及び1の前記グランド領域からなる1周期の始点とした場合に、当該始点から前記導体パッドの長さ離れた点が、n周期(nは自然数)の終点となる、請求項2に記載の多層回路基板。
【請求項4】
前記グランド領域が、前記信号配線の延在方向と平行な直線上に途切れずに延在している、請求項2に記載の多層回路基板。
【請求項5】
前記信号配線の延在方向と平行な直線上において、前記開口領域及び前記グランド領域が、それぞれ線分が同一長さで周期的に位置している、請求項1に記載の多層回路基板。
【請求項6】
前記信号配線の延在方向と平行な直線上において、前記開口領域から前記グランド領域に切り替わる境界を、1の前記開口領域及び1の前記グランド領域からなる1周期の始点とした場合に、当該始点から前記導体パッドの長さ離れた点が、n周期(nは自然数)の終点となる、請求項5に記載の多層回路基板。
【請求項7】
前記投影面における前記信号配線の延在方向と直交する直線上において、前記開口領域及び前記グランド領域が、周期的に位置しており、
前記投影面における前記信号配線の延在方向と直交する直線上において、前記開口領域から前記グランド領域に切り替わる境界を、1の前記開口領域及び1の前記グランド領域からなる1周期の始点とした場合に、当該始点から前記導体パッドの長さ離れた点が、n周期(nは自然数)の終点となる、請求項6に記載の多層回路基板。
【請求項8】
前記信号層は、前記信号配線及び前記導体パッドをそれぞれ一対有し、全てが1の直線を中心線とし、かつ、前記導体パッド同士が対向配置されて線対称に形成されている、請求項1に記載の多層回路基板。
【請求項9】
前記投影面において、前記開口領域及び前記グランド領域が存在する全領域の中心またはその近傍に、前記一対の導体パッド間の中心が位置する、請求項8に記載の多層回路基板。
【請求項10】
前記信号層は、前記信号配線及び前記導体パッドをそれぞれ一対有し、線対称かつ平行に並べられて形成されている、請求項1に記載の多層回路基板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多層回路基板に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、信号伝送にはGHz帯の高周波の信号が使用されている。このような高速な信号が伝送される伝送線路を備えた回路基板を設計する場合、伝送線路のインピーダンスの不連続点では反射が生じるため、その始点から終点に至る各点でのインピーダンスは所定の信号規格に定められた規格値に設定している。
【0003】
回路基板の表面に形成される伝送線路の多くは、電子部品の端子と接続する導体パッドと、導体パッドに電気的に接続される信号配線と、で構成されている。回路基板上の信号配線および導体パッドのインピーダンスの整合は、一般的に、静電容量を調整することで実現される。
【0004】
回路基板の設計においては、信号配線のインピーダンスを所定の規格値に設定するために、プリント配線基板の厚さ方向の寸法が決められる。一方で、導体パッドの幅は回路素子の端子の幅に応じて設定されるため、信号配線よりも幅広になる。そのため、導体パッドの部位が所望のインピーダンス値に設定することができず、信号品質の劣化の要因になることがある。
【0005】
このような導体パッドの特性インピーダンスの不整合を解決するために、導体パッドに対向する位置のグランド層を設けず開口部とすることでインピーダンス特性を調整することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、導体パッドに対向する位置のグランド層を複数除して(くり抜いて)開口部とし、その開口部の間にリターン電流経路部を設ける技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2004-228478号公報
特開2009-170574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術では、基板の製造時に積層ずれが生じ、導体パッドの下部でグランド層の開口部から外れて、導体パッドとグランド層が存在する領域とが重なる部分が生じた場合、特性インピーダンスが所望の値から変化してしまう。そのため、基板の製造時に積層ずれが生じると、導体パッドでの反射特性が劣化する場合があるといった課題があった。
【0008】
本発明は、基板の製造時に多少の積層ずれが生じても、導体パッドの特性インピーダンスに変動をもたらさず、導体パッドでの反射特性の劣化が抑制された多層回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、以下の本発明の一例により解決される。即ち、本発明の一例は、信号層と、絶縁体層と、グランド層の少なくとも3層がこの順で積層されてなる多層回路基板であって、
前記信号層は、信号配線と、該信号配線に接続され、かつ、当該信号配線より幅広の導体パッドと、を有し、
前記グランド層は、当該グランド層が存在しない複数の開口領域と、当該開口領域の間で前記グランド層が存在するグランド領域と、を有し、
積層方向から見た投影面において、前記信号層を前記絶縁体層に積層する際に前記導体パッドが位置し得る領域の範囲内で、前記導体パッドが何れの位置に配置された場合においても、前記導体パッドの下部における前記開口領域の面積の合計が略等しい、多層回路基板である。
【0010】
本発明の一例においては、前記投影面における前記信号配線の延在方向と直交する直線上において、複数の前記開口領域及び複数の前記グランド領域が、それぞれ線分が同一長さで周期的に位置していてもよい。
この場合に、前記投影面における前記信号配線の延在方向と直交する直線上において、前記開口領域から前記グランド領域に切り替わる境界を、1の前記開口領域及び1の前記グランド領域からなる1周期の始点とした場合に、当該始点から前記導体パッドの長さ離れた点が、n周期(nは自然数)の終点となっていてもよい。
また、同様に、前記グランド領域が、前記信号配線の延在方向と平行な直線上に途切れずに延在していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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