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公開番号2024137218
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048658
出願日2023-03-24
発明の名称炭酸化スラグの製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C04B 5/06 20060101AFI20240927BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】製鋼スラグに対して均一かつ効率的に炭酸化処理を施すことが可能な新たな技術を開示する。
【解決手段】本開示の炭酸化スラグの製造方法は、製鋼スラグに対して二酸化炭素を含む炭酸ガスを供給して炭酸化処理を施すこと、を含み、前記炭酸化処理において、前記炭酸化処理後の前記炭酸化スラグの平均粒子径D1が、前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D2未満とならないように、前記製鋼スラグの造粒物を解砕することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭酸化スラグの製造方法であって、
製鋼スラグに対して二酸化炭素を含む炭酸ガスを供給して炭酸化処理を施すこと、を含み、
前記炭酸化処理において、前記炭酸化処理後の前記炭酸化スラグの平均粒子径D

が前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D

未満とならないように、前記製鋼スラグの造粒物を解砕する、
炭酸化スラグの製造方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
請求項1に記載の炭酸化スラグの製造方法であって、
前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D

が、7.0mm以下である、
炭酸化スラグの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の炭酸化スラグの製造方法であって、
前記炭酸化処理において、前記炭酸化処理後の前記炭酸化スラグの平均粒子径D

と、前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D

との比D

/D

が、1.00以上1.50以下となるように、前記製鋼スラグの造粒物を解砕する、
炭酸化スラグの製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の炭酸化スラグの製造方法であって、
前記炭酸化処理において、前記製鋼スラグの造粒物を円柱状部材に接触させることで、前記製鋼スラグの造粒物を解砕する、
炭酸化スラグの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、製鋼スラグに対して炭酸化処理を施して炭酸化スラグを製造する方法を開示する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
製鉄所で発生する予備処理スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグは、道路の路盤材をはじめ、土木、建築用の材料等に利用されている他、海域においても藻場造成形成の基材或いは施肥材として利用されている。製鋼スラグには、水可溶性の遊離CaO(フリーライム)やCa(OH)

が含有されていることから、製鋼スラグを上記の材料としてそのまま使用すると、河川水や海水などの環境水や雨水と接触した際に、カルシウムイオン及びアルカリ(水酸化物イオン)を溶出し、接触した水が濁りを生じる問題がある。
【0003】
このような問題を解決するため、製鋼スラグに含まれる水可溶性のカルシウム成分を不溶化させる方法のひとつとして、製鋼スラグを二酸化炭素と反応させる炭酸化処理が多く検討されてきた。炭酸化処理においては、製鋼スラグに含まれる水可溶性カルシウム分の遊離CaOやCa(OH)

を二酸化炭素と効率よく反応させてCaCO

を生成させる必要があり、反応を促進するうえで水分の添加が非常に有効である。そのため、製鋼スラグの炭酸化処理では、二酸化炭素を含有する炭酸ガスの供給速度の調整のほか、製鋼スラグに添加する水分や雰囲気の相対湿度の制御等により、炭酸化反応を効率的に進める必要がある。また、炭酸化処理中の撹拌により炭酸化反応が更に促進されることも知られている。
【0004】
一方で、本発明者の知見によると、撹拌を加える炭酸化処理方法では、製鋼スラグを攪拌した際に、水を介してスラグ粒子が造粒し、二酸化炭素を含有するガスが造粒物の内部に浸入し難くなり、炭酸化処理後において、内部が炭酸化していない造粒物が形成される。この場合、運搬時又は施工時等において造粒物の一部が崩壊し、造粒物の内部に存在する炭酸化が進んでいないスラグが露出する可能性があり、アルカリ溶出の懸念がある。また、炭酸化反応を最大限効率化するために製鋼スラグ中の水分を増加させていくと、水分の増加とともに炭酸化処理中及び処理後の造粒物の生成量も増加する。このため、水分の添加量増加に伴う造粒物の生成量増加は、製鋼スラグを均一に炭酸化するうえで阻害要因となっていた。
【0005】
このような問題に対して、いくつかの解決策が見出されている。例えば、特許文献1には、製鋼スラグに対して炭酸化処理を施す前に、乾燥処理を施して、水分量を0.5質量%以上4質量%以下の範囲に調整し、炭酸化処理中の造粒物の形成を抑制する方法が提案されている。また、特許文献2には、炭酸化処理における撹拌フルード数を一定の範囲に調整することで、炭酸化処理中の造粒物の形成を抑制する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-234332号公報
特開2016-037409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された方法は、水分の添加量に上限があり、炭酸化処理中も水分を制御する必要となる。そのため、水分が少なく、炭酸化反応効率が低く、均一な炭酸化処理も難しいという問題がある。また、特許文献1に開示された方法では、炭酸化処理中の水分を制御するための複雑な機構が必要となる。特許文献2に開示された方法は、造粒物の形成を抑制するために撹拌フルード数が一定の範囲となるよう撹拌するため、本来であれば炭酸化反応に寄与する撹拌速度が制限される。すなわち、水分の添加量増加に伴い造粒物の生成量が増加するという根本的な阻害要因を排除できておらず、炭酸化反応を均一かつ効率的に生じさせることについて、改善の余地がある。
【0008】
以上の通り、製鋼スラグに対して均一かつ効率的に炭酸化処理を施すことが可能な、新たな技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
炭酸化スラグの製造方法であって、
製鋼スラグに対して二酸化炭素を含む炭酸ガスを供給して炭酸化処理を施すこと、を含み、
前記炭酸化処理において、前記炭酸化処理後の前記炭酸化スラグの平均粒子径D

が前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D

未満とならないように、前記製鋼スラグの造粒物を解砕する、
炭酸化スラグの製造方法。
<態様2>
態様1の炭酸化スラグの製造方法であって、
前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D

が、7.0mm以下である、
炭酸化スラグの製造方法。
<態様3>
態様1又は2の炭酸化スラグの製造方法であって、
前記炭酸化処理において、前記炭酸化処理後の前記炭酸化スラグの平均粒子径D

と、前記炭酸化処理前の前記製鋼スラグの平均粒子径D

との比D

/D

が、1.00以上1.50以下となるように、前記製鋼スラグの造粒物を解砕する、
炭酸化スラグの製造方法。
<態様4>
態様1~3のいずれかの炭酸化スラグの製造方法であって、
前記炭酸化処理において、前記製鋼スラグの造粒物を円柱状部材に接触させることで、前記製鋼スラグの造粒物を解砕する、
炭酸化スラグの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示の技術によれば、製鋼スラグに対して、均一かつ効率的に炭酸化処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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