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公開番号2024137060
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048413
出願日2023-03-24
発明の名称固溶体顔料、及び水性インク
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 11/037 20140101AFI20240927BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】キナクリドン顔料を用いた固溶体顔料であって、発色性に優れた固溶体顔料、及びその固溶体顔料を用いた水性インクを提供する。
【解決手段】C.I.ピグメントバイオレット19と第1の顔料との固溶体顔料である。この固溶体顔料は、前記第1の顔料が、4,11-ジメチルキナクリドン、4,11-ジフルオロキナクリドン、又は1,3,8,10-テトラクロロキナクリドンであることを特徴とする。また、上記固溶体顔料を含有する水性インクである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
C.I.ピグメントバイオレット19と第1の顔料との固溶体顔料であって、
前記第1の顔料が、4,11-ジメチルキナクリドン、4,11-ジフルオロキナクリドン、又は1,3,8,10-テトラクロロキナクリドンであることを特徴とする固溶体顔料。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記第1の顔料が、4,11-ジメチルキナクリドンであり、前記固溶体顔料のCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが13.3°±0.2°の位置にピークを有する請求項1に記載の固溶体顔料。
【請求項3】
前記固溶体顔料のCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが22.0°±0.2°のピークに対する、回折角2θが13.3°±0.2°のピークの強度比が、1倍以上である請求項2に記載の固溶体顔料。
【請求項4】
前記第1の顔料が、4,11-ジフルオロキナクリドンであり、前記固溶体顔料のCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが24.1°±0.1°の位置にピークを有する請求項1に記載の固溶体顔料。
【請求項5】
前記固溶体顔料のCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが24.4°±0.1°のピークに対する、回折角2θが24.1°±0.1°のピークの強度比が、1倍以上である請求項4に記載の固溶体顔料。
【請求項6】
前記第1の顔料が、1,3,8,10-テトラクロロキナクリドンであり、前記固溶体顔料のCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが12.0°±0.2°の位置にピークを有する請求項1に記載の固溶体顔料。
【請求項7】
前記固溶体顔料のCuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいて、回折角2θが23.0°±0.2°のピークに対する、回折角2θが12.0°±0.2°のピークの強度比が、1倍以上である請求項6に記載の固溶体顔料。
【請求項8】
前記固溶体顔料における、前記C.I.ピグメントバイオレット19の含有量に対する前記第1の顔料の含有量の質量比率が、0.1以上1.0以下である請求項1に記載の固溶体顔料。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の固溶体顔料を含有することを特徴とする水性インク。
【請求項10】
酸価が100mgKOH/g以上である樹脂を含有する請求項9に記載の水性インク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固溶体顔料、及び水性インクに関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録装置により、一般家庭においても比較的容易かつ安価に、銀塩写真やオフセット印刷で実現されているような高精細で高発色性を有する画像を記録することが可能になってきている。また、記録物の発色向上のため、色材として使用できる顔料として、種々の組み合わせのキナクリドン固溶体が提案され、使用されている。例えば、特許文献1では、無置換キナクリドン(C.I.ピグメントバイオレット19)と4,11-ジクロロキナクリドンとで構成されるキナクリドン固溶体顔料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-146224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献1で提案された、無置換キナクリドンと4,11-ジクロロキナクリドンとの組み合わせのキナクリドン固溶体顔料を用いた場合であっても、発色性の高い画像を記録することが困難であることが判明した。
【0005】
したがって、本発明の目的は、キナクリドン顔料を用いた固溶体顔料であって、発色性に優れた固溶体顔料を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記固溶体顔料を用いた水性インクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明によれば、C.I.ピグメントバイオレット19と第1の顔料との固溶体顔料であって、前記第1の顔料が、4,11-ジメチルキナクリドン、4,11-ジフルオロキナクリドン、又は1,3,8,10-テトラクロロキナクリドンであることを特徴とする固溶体顔料が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キナクリドン顔料を用いた固溶体顔料であって、発色性に優れた固溶体顔料を提供することができる。また、本発明によれば、上記固溶体顔料を用いた水性インクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
インクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。
インクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。さらに、樹脂に関する「ユニット」とは、樹脂を構成する最小の繰り返し単位のことで、一つの単量体の(共)重合により形成される構造のことを指す。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
【0010】
「固溶体」とは、複数の異なる分子が溶け合った混合状態で、均一の固相状態で存在する固体のことであり、複数の異なる化合物を単純に混ぜたものではない。キナクリドン顔料は固溶体化すると、単なる混合物の発色と比較して、発色がさらに向上することがある。
(【0011】以降は省略されています)

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