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公開番号
2024136744
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023047962
出願日
2023-03-24
発明の名称
デューティ比補正回路、クロック分配システム及びデューティ比補正方法
出願人
日本電気株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H03K
5/00 20060101AFI20240927BHJP(基本電子回路)
要約
【課題】クロック信号の高精度なデューティ比補正とデューティ比の高速安定化とを可能とする。
【解決手段】デューティ比補正回路は、入力された第1のクロック信号のデューティ比を制御信号に基づいて調整し、デューティ比が調整された第1のクロック信号である第2のクロック信号を出力するデューティ比調整回路と、第2のクロック信号が入力され、第2のクロック信号の位相を持つ出力クロック信号、及び、出力クロック信号の位相が反転された信号である反転クロック信号を出力する反転信号生成回路と、出力クロック信号と反転クロック信号との間に出力クロック信号の半周期分の遅延量の遅延を生じさせる遅延回路と、遅延回路から出力された出力クロック信号及び反転クロック信号の振幅の差分を増幅した信号を制御信号としてデューティ比調整手段へ出力する差動増幅器と、を備える。
【選択図】 図12
特許請求の範囲
【請求項1】
入力された第1のクロック信号のデューティ比を制御信号に基づいて調整し、前記デューティ比が調整された前記第1のクロック信号を第2のクロック信号として出力するデューティ比調整手段と、
前記第2のクロック信号が入力され、前記第2のクロック信号の位相を持つ出力クロック信号、及び、前記出力クロック信号の位相が反転された信号である反転クロック信号を出力する反転信号生成手段と、
前記出力クロック信号と前記反転クロック信号との間に前記出力クロック信号の半周期分の遅延量の遅延を生じさせる遅延手段と、
前記遅延手段から出力された前記出力クロック信号及び前記反転クロック信号の振幅の差分を増幅した信号を前記制御信号として前記デューティ比調整手段へ出力する差動増幅手段と、
を備える、デューティ比補正回路。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記遅延手段は前記反転クロック信号を遅延させる、請求項1に記載されたデューティ比補正回路。
【請求項3】
前記遅延手段は偶数個のインバータによって前記出力クロック信号又は前記反転クロック信号を遅延させる、請求項1又は2に記載されたデューティ比補正回路。
【請求項4】
前記遅延手段と前記差動増幅手段との間に備えられたローパスフィルタと、
前記差動増幅手段の出力に備えられた積分キャパシタと、
を備える、請求項1又は2に記載されたデューティ比補正回路。
【請求項5】
前記遅延手段は複数の遅延素子を備え、前記遅延量は前記複数の遅延素子の直列接続数を切り替えることによって調整される、請求項1又は2に記載されたデューティ比補正回路。
【請求項6】
それぞれが請求項1又は2に記載されたデューティ比補正回路である複数のクロック補正回路と、
前記複数のクロック補正回路のそれぞれに前記第1のクロック信号を分配するクロック信号生成回路と、
前記複数のクロック補正回路が備えるそれぞれの前記反転信号生成手段に接続され、前記出力クロック信号又は前記反転クロック信号の少なくとも一方が前記反転信号生成手段から入力される複数のディジタル回路と、
を備えるクロック分配システム。
【請求項7】
入力された第1のクロック信号のデューティ比を制御信号に基づいて調整し、
前記デューティ比が調整された前記第1のクロック信号を第2のクロック信号として出力し、
前記第2のクロック信号の位相を持つ出力クロック信号を出力し、
前記出力クロック信号の位相が反転された信号である反転クロック信号を出力し、
前記出力クロック信号と前記反転クロック信号との間に前記出力クロック信号の半周期分の遅延量の遅延を生じさせ、
前記遅延を生じさせる処理を受けた前記出力クロック信号及び前記反転クロック信号の振幅の差分を増幅した信号を前記制御信号として出力する、
デューティ比補正方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、デューティ比補正回路等に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
図14は、クロック信号生成回路910からディジタル回路920へのクロック信号の供給について説明する図である。ディジタル回路920では、動作のタイミングの基準としてクロック信号が用いられる。一般的に、デューティ比が50%であるクロック信号を用いることで、ディジタル回路920を安定して動作させることが可能となる。しかし、高速クロック(特に1GHz以上のクロック)が使用される場合には、図14に示すように、ディジタル回路920への入力時にクロック信号のデューティ比が50%からずれてしまう場合がある。この原因には、例えば、クロック信号生成回路910とディジタル回路920と間でのインピーダンスのミスマッチングがある。クロック信号のこのようなデューティ比のずれを低減する手段として、デューティ比補正回路が知られている。
【0003】
図15は、一般的なデューティ比補正回路900の適用例を示す図である。デューティ比補正回路900は、クロック信号生成回路910から入力されたクロック信号を好ましいデューティ比(例えば、50%)に補正して、ディジタル回路920に供給する。図16は、一般的なデューティ比補正回路900の構成例を示す図である。デューティ比補正回路900は、デューティ比調整回路901とデューティ比検出回路902とから構成される。デューティ比調整回路901は、入力されたクロック信号のデューティ比を制御電圧に応じたデューティ比に調整し、調整されたクロック信号をデューティ比検出回路902へ出力する。制御電圧は、デューティ比検出回路902において検出された、クロック信号のデューティ比に対応する。例えば、デューティ比検出回路902に入力されるデューティ比の増加につれて制御電圧は単調に増加する。デューティ比調整回路901の回路例を図17に示す。デューティ比調整回路901は、閾値調整型インバータを用いて構成できる。閾値調整型インバータは、制御電圧によって閾値を調整可能なインバータである。
【0004】
図18は、デューティ比調整回路901における、制御電圧とデューティ比との関係の例を示す図である。図18の縦軸には入力デューティ比が50%である場合の出力デューティ比が示され、横軸には制御電圧が示される。入力デューティ比は、デューティ比調整回路901に入力されるクロック信号のデューティ比である。出力デューティ比は、デューティ比調整回路901から出力されるクロック信号のデューティ比である。図18は、特に1GHz以上の周波数のクロック信号では、制御電圧を350mVから650mVの間で調整することによって、出力デューティ比を約10%から100%の間で調整できることを示す。
【0005】
図19は、デューティ比検出回路902の詳細な構成例を示す図である。デューティ比検出回路902は、入力されたクロック信号のデューティ比を、DC(Direct Current、直流)電圧に変換して出力する。デューティ比検出回路902は、反転信号生成回路903、LPF(Low Pass Filter、ローパスフィルタ)904及び差動増幅器905によって構成される。反転信号生成回路903は、デューティ比調整回路から出力された出力クロック信号及びそれを反転した信号である反転クロック信号を出力する。LPF904を通過した出力クロック信号及び反転クロック信号は、それぞれのデューティ比に応じたDC(直流)成分を差動増幅器に入力する。
【0006】
差動増幅器905は、クロック信号のDC成分と反転クロック信号のDC成分との差分を増幅する。増幅された差分は、制御電圧として差動増幅器から出力される。
【0007】
図20は、クロック信号及び反転クロック信号のそれぞれのDC成分と制御電圧の時間経過を説明する図である。図20にて、左の縦軸には電圧、右の縦軸には制御電圧が示され、横軸には時間が示されている。デューティ比調整回路901及びデューティ比検出回路902によって、デューティ比補正回路900は、入力クロック信号のデューティ比を補正するフィードバック制御を行う。このフィードバック制御は、差動増幅器905の入力における出力クロック信号のDC成分と反転クロック信号のDC成分との差分が0になるように行われる。DC成分の差分が0になることは、すなわち、クロック信号のデューティ比が50%となることを意味する。従って、反転信号生成回路903から出力されるクロック信号及び反転クロック信号のデューティ比は50%に収束する。
【0008】
本発明に関連して、特許文献1には、デューティ比調整装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2016-149637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図19に示したデューティ比検出回路902が備えるLPF904は、クロック信号及び反転クロック信号から高周波成分を除去し、DC成分を抽出する。矩形波に含まれる高周波成分をLPF904において充分に除去するためには、LPF904の遮断(カットオフ)周波数は入力クロック周波数に対して充分に低い必要がある。しかし、遮断周波数の低いLPFは時定数が大きいため、出力信号が安定するまでに長い時間を要する。
(【0011】以降は省略されています)
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