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公開番号
2024136183
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023047208
出願日
2023-03-23
発明の名称
電池劣化判定装置、蓄電池システムおよび電池劣化判定方法
出願人
日新電機株式会社
,
学校法人同志社
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
G01R
31/392 20190101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約
【課題】蓄電池の劣化を高精度で判定することが可能な電池劣化判定装置を提供する。
【解決手段】差分値算出部(103A)は、内部抵抗の実測値と近似値との差分値を算出する。診断データ抽出部(104)は、差分値に基づいて、蓄電池(2)を診断するために使用する実測値を診断データとして抽出する。近似係数算出部(105)は、診断データ抽出部(104)によって抽出された診断データを用いて新たな近似係数を算出し、近似値算出部(102)は、新たな近似係数を用いて、蓄電池の内部抵抗の新たな近似値を算出する。そして、劣化判定部(109)は、新たな近似値を用いて蓄電池(2)の劣化を判定する。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
電流計によって計測された電流値および電圧計によって計測された電圧値に基づいて、蓄電池の内部抵抗の実測値を算出する内部抵抗値算出部と、
時系列の前記実測値に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を近似するための近似式の近似係数を算出する近似係数算出部と、
前記近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の近似値を算出する近似値算出部と、
前記実測値と前記近似値とから当該実測値を評価するための評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値に基づいて、前記蓄電池を診断するために使用する前記実測値を診断データとして抽出する診断データ抽出部と、
前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定部と、を備え、
前記近似係数算出部は、前記診断データ抽出部によって抽出された前記診断データを用いて新たな近似係数を算出し、
前記近似値算出部は、前記新たな近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の新たな近似値を算出し、
前記劣化判定部は、前記新たな近似値を用いて前記蓄電池の劣化を判定する、
電池劣化判定装置。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記電池劣化判定装置はさらに、前記内部抵抗値算出部が、定期的に、前記電流計によって計測された電流値および前記電圧計によって計測された電圧値に基づいて算出した時系列の前記実測値を記憶する記憶部を備える、
請求項1に記載の電池劣化判定装置。
【請求項3】
前記評価値算出部は、前記評価値として、前記実測値と前記近似値との差分値を算出する、
請求項2に記載の電池劣化判定装置。
【請求項4】
前記診断データ抽出部は、前記記憶部に記憶される時系列の前記実測値のうち、前記差分値が大きい順に所定割合の前記実測値を除外することによって、前記診断データを抽出する、
請求項3に記載の電池劣化判定装置。
【請求項5】
前記診断データ抽出部は、前記記憶部に記憶される時系列の前記実測値のうち、前記差分値が大きい順に所定数の前記実測値を除外することによって、前記診断データを抽出する、
請求項3に記載の電池劣化判定装置。
【請求項6】
前記評価値算出部は、前記評価値として、前記実測値の前記近似値に対する誤差率を算出する、
請求項2に記載の電池劣化判定装置。
【請求項7】
前記診断データ抽出部は、前記記憶部に記憶される時系列の前記実測値のうち、前記誤差率の絶対値が所定値以上の前記実測値を除外することによって、前記診断データを抽出する、
請求項6に記載の電池劣化判定装置。
【請求項8】
前記記憶部は、前記近似係数算出部が算出した前記新たな近似係数を記憶し、
前記近似値算出部は、前記記憶部に記憶された直近の前記新たな近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の近似値を算出する、
請求項2に記載の電池劣化判定装置。
【請求項9】
前記電池劣化判定装置はさらに、前記蓄電池の運用時間が所定の期間を経過しているかによって前記蓄電池の診断の可否を判定する診断可否判定部を備え、
前記診断可否判定部によって前記蓄電池の診断が可能と判定された場合、前記劣化判定部が前記蓄電池の劣化を判定する、
請求項1に記載の電池劣化判定装置。
【請求項10】
前記電池劣化判定装置はさらに、前記蓄電池の運用データが所定の件数だけ存在するかによって前記蓄電池の診断の可否を判定する診断可否判定部を備え、
前記診断可否判定部によって前記蓄電池の診断が可能と判定された場合、前記劣化判定部が前記蓄電池の劣化を判定する、
請求項1に記載の電池劣化判定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池の劣化を判定する技術に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
蓄電池の劣化を判定する技術として、下記の特許文献1に開示された発明がある。特許文献1は、内部抵抗値算出部によって算出された時系列の内部抵抗値に基づいて、蓄電池の内部抵抗値を近似するための近似式を導出する近似式導出部と、近似式導出部によって導出された近似式を用いて、蓄電池の内部抵抗値を計算する近似式計算部と、近似式計算部によって計算された蓄電池の内部抵抗値と、判定値とを比較して蓄電池の劣化を判定する劣化判定部とを備える、蓄電池システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-069223号公報(2022年5月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、取得した内部抵抗値(実測値)の推移から内部抵抗値を近似するための近似式を導出し、導出した近似式に基づいて内部抵抗値(近似値)を算出して劣化を判定するものである。しかしながら、精度が低いデータ(実測値)が含まれる場合、近似式によって算出された近似値の精度が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、蓄電池の劣化を高精度で判定することが可能な電池劣化判定装置、蓄電池システムおよび電池劣化判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電池劣化判定装置は、電流計によって計測された電流値および電圧計によって計測された電圧値に基づいて、蓄電池の内部抵抗の実測値を算出する内部抵抗値算出部と、時系列の前記実測値に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を近似するための近似式の近似係数を算出する近似係数算出部と、前記近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の近似値を算出する近似値算出部と、前記実測値と前記近似値とから当該実測値を評価するための評価値を算出する評価値算出部と、前記評価値に基づいて、前記蓄電池を診断するために使用する前記実測値を診断データとして抽出する診断データ抽出部と、前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定部と、を備え、前記近似係数算出部は、前記診断データ抽出部によって抽出された前記診断データを用いて新たな近似係数を算出し、前記近似値算出部は、前記新たな近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の新たな近似値を算出し、前記劣化判定部は、前記新たな近似値を用いて前記蓄電池の劣化を判定する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る蓄電池システムは、蓄電池と、前記蓄電池の電流値を計測する電流計と、前記蓄電池の電圧値を計測する電圧計と、前記電流計によって計測された電流値および前記電圧計によって計測された電圧値に基づいて、蓄電池の内部抵抗の実測値を算出する内部抵抗値算出部と、時系列の前記実測値に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を近似するための近似式の近似係数を算出する近似係数算出部と、前記近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の近似値を算出する近似値算出部と、前記実測値と前記近似値とから当該実測値を評価するための評価値を算出する評価値算出部と、前記評価値に基づいて、前記蓄電池を診断するために使用する前記実測値を診断データとして抽出する診断データ抽出部と、前記蓄電池の劣化を判定する劣化判定部と、を備え、前記近似係数算出部は、前記診断データ抽出部によって抽出された前記診断データを用いて新たな近似係数を算出し、前記近似値算出部は、前記新たな近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の新たな近似値を算出し、前記劣化判定部は、前記新たな近似値を用いて前記蓄電池の劣化を判定する。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電池劣化判定方法は、蓄電池の電流値を計測する工程と、前記蓄電池の電圧値を計測する工程と、前記計測された電流値および前記計測された電圧値に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗の実測値を算出する工程と、時系列の前記実測値に基づいて、前記蓄電池の内部抵抗値を近似するための近似式の近似係数を算出する工程と、前記近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の近似値を算出する工程と、前記実測値と前記近似値とから当該実測値を評価するための評価値を算出する工程と、前記評価値に基づいて、前記蓄電池を診断するために使用する前記実測値を診断データとして抽出する工程と、抽出された前記診断データを用いて新たな近似係数を算出する工程と、前記新たな近似係数を用いて、前記蓄電池の内部抵抗の新たな近似値を算出する工程と、前記新たな近似値を用いて前記蓄電池の劣化を判定する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、蓄電池の劣化を高精度で判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
蓄電池の等価回路の一例を示す図である。
従来の蓄電池システムにおける経過時間と内部抵抗の近似値との関係の一例を示すグラフである。
本発明の実施形態1に係る蓄電池システムの機能的構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態1に係る蓄電池システムの処理手順を説明するためのフローチャートである。
更新前の近似係数適用時の近似値と、更新後の近似係数適用時の近似値とを示すグラフである。
乖離が大きい実測値を除外して内部抵抗を近似した場合を説明するためのグラフである。
本発明の実施形態1に係る蓄電池システムにおいて、乖離が大きいデータを適切に除外できない場合を示すグラフである。
本発明の実施形態2に係る蓄電池システムの機能的構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態2に係る蓄電池システムにおいて、乖離が大きいデータを適切に除外できていることを示すグラフである。
本発明の実施形態2に係る蓄電池システムの処理手順を説明するためのフローチャートである。
従来の実測値を除外しない場合と、本発明の実施形態1および第2の実施形態に係る蓄電池システムによって実測値を除外した場合とを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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