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公開番号2024135951
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046875
出願日2023-03-23
発明の名称回折光学素子、回折光学素子の製造方法、光学機器、表示装置及び撮像装置
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 5/18 20060101AFI20240927BHJP(光学)
要約【課題】平面視において円形状の回折格子と円弧形状の回折格子とが設けられた場合において、光学特性の劣化を低減又は防止することができる回折光学素子及び回折光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】回折光学素子は、回折格子が設けられた面を有する基板と、基板の面の上に回折格子を覆うように設けられた樹脂層と、を有する回折光学素子であって、光軸方向に沿って見た平面視において、回折格子は、円形状の第1の回折格子と、第1の回折格子の外側に配置された円弧形状の第2の回折格子と、を含み、回折光学素子は、光学有効領域と、光学有効領域を囲む非光学有効領域とを有し、第2の回折格子の円弧端は、記非光学有効領域に位置し、非光学有効領域に設けられた樹脂層の厚さは、光学有効領域に設けられた樹脂層の厚さよりも厚い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回折格子が設けられた面を有する基板と、
前記基板の前記面の上に前記回折格子を覆うように設けられた樹脂層と、を有する回折光学素子であって、
光軸方向に沿って見た平面視において、前記回折格子は、円形状の第1の回折格子と、前記第1の回折格子の外側に配置された円弧形状の第2の回折格子と、を含み、
前記回折光学素子は、光学有効領域と、前記光学有効領域を囲む非光学有効領域とを有し、
前記第2の回折格子の円弧端は、前記非光学有効領域に位置し、
前記非光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さは、前記光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さよりも厚い
ことを特徴とする回折光学素子。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記基板は、前記平面視において円弧と前記円弧の両端を結ぶ弦とで囲まれた欠円形状の平面形状を有する第1の部分を含み、
前記非光学有効領域は、前記第1の部分の前記円弧の側の端部である円弧部と、前記第1の部分の前記弦の側の端部を含む弦部とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
【請求項3】
前記弦部に設けられた前記樹脂層の厚さをt1、前記円弧部に設けられた前記樹脂層の厚さをt2とすると、t1>t2である
ことを特徴とする請求項2に記載の回折光学素子。
【請求項4】
t1/t2<3である
ことを特徴とする請求項3に記載の回折光学素子。
【請求項5】
前記弦部に設けられた前記樹脂層の幅をw1、前記円弧部に設けられた前記樹脂層の幅をw2とすると、1<(t1×w1)/(t2×w2)<3である
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の回折光学素子。
【請求項6】
前記光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さをtc、前記回折格子の高さをdとすると、3<(t1-tc)/d<80であることを特徴とする請求項3又は4に記載の回折光学素子。
【請求項7】
前記厚さt1は1000μm以下である
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の回折光学素子。
【請求項8】
前記基板は、前記第1の部分の前記弦の側に設けられた第2の部分を含み、
前記第2の部分は、前記平面視において矩形形状の平面形状を有し、
前記弦部は、前記第2の部分を含む
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
【請求項9】
前記基板の光学中心から前記弦部までの距離をr1とし、前記樹脂層の前記光学中心から前記樹脂層の前記弦部の側の端部までの距離をr2とすると、r1<r2である
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
【請求項10】
前記樹脂層は、光硬化性樹脂により構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回折光学素子、回折光学素子の製造方法、光学機器、表示装置及び撮像装置に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、光学系の一部に回折作用を有する回折光学素子を設けることで、レンズ系の色収差を減じる方法が知られている。回折光学素子には、色収差の補正のほか、その周期構造の格子ピッチを適宜変化させることで非球面的な効果を持たすことが知られている。
また、光学系のレンズに用いられる回折光学素子において、2つの回折格子を密着配置し、各回折格子を構成する材料と格子高さを適切に設定することで広い波長帯域で高い回折効率を得ることが知られている。
【0003】
特許文献1には、第1光学材料からなり、表面に回折格子を有する基体と、第2光学材料からなり、回折格子を覆うように基体に設けられた光学調整層とを備えた回折光学素子が記載されている。特許文献1に記載の回折光学素子では、樹脂を含む第2光学材料からなる光学調整層が、回折格子の先端を通る曲面である包絡面から法線方向に均一な厚さを有する。これにより、特許文献1に記載の回折光学素子では、製造時の第2光学材料の硬化収縮等により光学調整層に生じる応力によるクラックが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開2012/176388号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、基体上の樹脂層である光学調整層の厚さを一定とすることにより、硬化収縮時の応力が光学調整層に局所的に集中してクラックが発生するのを防止する技術が開示されている。しかしながら、基体が円形のレンズ形状の一部を切断したような円弧形状の場合、基体上の回折格子は、光軸方向に見た平面視において、内側では円形状であるが、外側では円弧形状となる。円弧形状の回折格子では、円形状の回折格子のみの場合と比較して、回折格子上に形成される樹脂の硬化時収縮挙動が異なる。このため、円形状の回折格子と円弧形状の回折格子とが基体に設けられた回折光学素子の場合、特許文献1に開示された技術のように基体上の樹脂層の厚さを一定としたとしても、樹脂層の密度差による回折効率の低下が発生して光学特性が劣化しやすい。
【0006】
本発明は、平面視において円形状の回折格子と円弧形状の回折格子とが設けられた場合において、光学特性の劣化を低減又は防止することができる回折光学素子及び回折光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、回折格子が設けられた面を有する基板と、前記基板の前記面の上に前記回折格子を覆うように設けられた樹脂層と、を有する回折光学素子であって、光軸方向に沿って見た平面視において、前記回折格子は、円形状の第1の回折格子と、前記第1の回折格子の外側に配置された円弧形状の第2の回折格子と、を含み、前記回折光学素子は、光学有効領域と、前記光学有効領域を囲む非光学有効領域とを有し、前記第2の回折格子の円弧端は、前記非光学有効領域に位置し、前記非光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さは、前記光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さよりも厚いことを特徴とする回折光学素子が提供される。
【0008】
本発明の他の観点によれば、回折格子が設けられた面を有する基板と、前記基板の前記面の上に前記回折格子を覆うように設けられた樹脂層と、を有する回折光学素子の製造方法であって、光軸方向に見た平面視において、前記回折格子は、円形状の第1の回折格子と、前記第1の回折格子の外側に配置された円弧形状の第2の回折格子と、を含み、前記回折光学素子は、光学有効領域と、前記光学有効領域を囲む非光学有効領域とを有し、前記第2の回折格子の円弧端は、前記非光学有効領域に位置し、前記非光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さが、前記光学有効領域に設けられた前記樹脂層の厚さよりも厚くなるように、前記樹脂層を設けることを特徴とする回折光学素子の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、平面視において円形状の回折格子と円弧形状の回折格子とが設けられた場合において、光学特性の劣化を低減又は防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態による回折光学素子を示す概略図である。
本発明の第1実施形態による回折光学素子における回折格子を示す概略断面図である。
本発明の第1実施形態による回折光学素子の製造方法の工程を示す概略断面図である。
硬化時の樹脂の収縮を示す概略図である。
本発明の第2実施形態による回折光学素子を示す概略図である。
本発明の第3実施形態による表示装置を示す概略図である。
本発明の第3実施形態による撮像装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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