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公開番号2024135238
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045828
出願日2023-03-22
発明の名称減衰バルブおよび緩衝器
出願人カヤバ株式会社
代理人個人
主分類F16F 9/348 20060101AFI20240927BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】車両における乗心地を向上させ得る減衰バルブおよび緩衝器を提供する。
【解決手段】本発明の減衰バルブDVは、流路DPに設けられて、固定端に対する自由端の撓みが許容されるとともに固定端の軸方向への移動が許容される環状のリーフバルブ16と、流路DPに設けられるとともにリーフバルブ16に対して軸方向に隙間を介して対向した状態でリーフバルブ16と共に軸方向への移動が許容される環状のプレートバルブ14と、リーフバルブ16とプレートバルブ14とを軸方向に付勢してリーフバルブ16を軸方向で初期位置に位置決めるばね要素13,19と、初期位置に配置されたリーフバルブ16の自由端に対向する環状の対向座部6cとを備え、プレートバルブ14が軸方向へ移動して対向座部6cに対向するとプレートバルブ14と対向座部6cとによって流路DPの流路面積を制限する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
流路に設けられて、内周或いは外周の一方が固定端とされ内周或いは外周の他方が自由端として前記固定端に対する前記自由端の撓みが許容されるとともに前記固定端の軸方向への移動が許容される環状のリーフバルブと、
前記流路に設けられるとともに、前記リーフバルブに対して軸方向に隙間を介して対向した状態で前記リーフバルブと共に軸方向への移動が許容される環状のプレートバルブと、
前記リーフバルブと前記プレートバルブとを軸方向に付勢して前記リーフバルブを軸方向で初期位置に位置決めるばね要素と、
前記リーフバルブが前記初期位置に配置されて撓まない状態にて前記リーフバルブの自由端に対向して前記リーフバルブとの間の前記流路の流路面積を制限する環状の対向座部とを備え、
前記プレートバルブが軸方向へ移動して前記対向座部に対向すると前記リーフバルブに代わり前記プレートバルブと前記対向座部とによって前記流路の流路面積を制限する
ことを特徴とする減衰バルブ。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記流路に対して前記リーフバルブおよび前記プレートバルブに対して直列に設けられて、前記リーフバルブよりも開弁圧が高く、前記プレートバルブが前記対向座部に対向するよりも前に開弁するメインバルブを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項3】
前記メインバルブは、
ポートを有するバルブディスクと、
前記バルブディスクに積層されて前記ポートを開閉可能なメインリーフバルブとを有し、
前記プレートバルブは、前記リーフバルブと前記メインリーフバルブとの間に配置され、
前記リーフバルブと前記プレートバルブとの間に配置されて前記リーフバルブと前記プレートバルブとの間に前記隙間を設ける環状の間座を備え、
前記ばね要素は、前記メインリーフバルブと前記プレートバルブとの間に介装されて前記リーフバルブと前記プレートバルブとを反バルブディスク側へ向けて付勢する第1ばねと、前記リーフバルブの反バルブディスク側に配置されて前記リーフバルブと前記プレートバルブとをバルブディスク側へ向けて付勢する第2ばねとを有する
ことを特徴とする請求項2に記載の減衰バルブ。
【請求項4】
前記リーフバルブ、前記プレートバルブおよび前記間座とが外周に軸方向移動可能に嵌合されるカラーを備え、
前記第1ばねおよび前記第2ばねは、前記カラーの外周に配置される
ことを特徴とする請求項3に記載の減衰バルブ。
【請求項5】
アウターチューブと、前記アウターチューブ内に軸方向へ移動可能に挿入されるロッドと、前記アウターチューブに対する前記ロッドの移動によって液体が行き来する少なくとも2つの作動室とを有する緩衝器本体と、
前記作動室間に設けられた請求項1から4のいずれか一項に記載の減衰バルブとを備えた
ことを特徴とする緩衝器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、減衰バルブおよび緩衝器に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
緩衝器は、たとえば、車両における乗心地を向上する目的で、車両における車体と車軸との間に介装されて使用され、伸縮時に発揮する減衰力で車体および車輪の振動を抑制する。
【0003】
このような緩衝器は、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内の圧側室の下方に気室を区画するフリーピストンと、ピストンに設けられて伸側室と圧側室とを連通する減衰通路と、減衰通路に設けた減衰バルブとを備えている。
【0004】
近年、車両用の緩衝器には、車両における乗心地の向上のため、伸縮速度が低速よりも低い微低速域では減衰係数を高くし減衰力を伸縮の行程の切り換わりに対して速やかに立ち上げ、低速域では減衰係数を微低速域よりも小さくし、さらに、低速を超える中高速域では伸縮速度に比例するが低速域よりも減衰係数が小さくさせる減衰力特性の発揮が要望されている。
【0005】
このような要望に応えるために、減衰バルブは、環状であって内周側が固定されて外周側の撓みが許容されるリーフバルブと、リーフバルブの外周に非接触で対向する対向座部とを備えており、伸側室と圧側室とを行き交う作動油の流れに抵抗を与える。
【0006】
このように構成された減衰バルブでは、緩衝器の伸縮速度が微低速域にある場合、リーフバルブが然程撓まず対向座部との間の流路面積を極小さくするように制限するので、伸縮速度に応じて急激に立ち上がる減衰力特性が得られ、車両に適する減衰力特性を実現できる(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-183918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の減衰バルブは、リーフバルブと対向座部とを備えることにより緩衝器が微低速で伸縮する場合の減衰力特性を良好にし得るが、緩衝器の伸縮速度が低速域になると、リーフバルブが大きく撓んで流路面積を大きくするので減衰力の発生に寄与しなくなる。
【0009】
そのため、減衰バルブは、リーフバルブと対向座部とで構成されるバルブに加えて、緩衝器が高速で伸縮する場合に減衰力を発生するためのメインバルブを備える場合があるが、単にメインバルブを備えるだけでは緩衝器が低周波の大きな振幅で伸縮した場合における減衰力が不足してしまい、車両における乗心地を損なう可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、車両における乗心地を向上させ得る減衰バルブおよび緩衝器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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