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公開番号2024135207
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045774
出願日2023-03-22
発明の名称積層体、及び包装体
出願人artience株式会社
代理人
主分類B32B 27/40 20060101AFI20240927BHJP(積層体)
要約【課題】水性フレキソインキを用いたインキ層に接して無溶剤型接着剤を用いた接着剤層を備える構成であり、インキ層への浸透抑制と優れたレベリング性とを両立し、ダーキングが発生せず、低温・高速塗工した場合でも優れた外観と接着強度とを有する積層体並びに該積層体を使用した包装体の提供。
【解決手段】上記課題は、第1基材層、インキ層、接着剤層及び第2基材層をこの順に備え、以下(1)~(4)を満たす積層体によって解決される。
(1)インキ層が着色剤及び水性樹脂(P)を含む水性フレキソインキ(F)を用いて形成された層。(2)接着剤層がポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含む無溶剤型接着剤(S)を用いて形成された層。(3)水性樹脂(P)のδhink及び無溶剤型接着剤(S)のδhadhに基づき算出されるΔδhの値が4.0MPa1/2以上。(4)無溶剤型接着剤(S)のδhadhが8.0MPa1/2以上。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1基材層、インキ層、接着剤層、及び第2基材層をこの順に備える積層体であって、以下の(1)~(4)を満たす積層体。
(1)前記インキ層が、着色剤及び水性樹脂(P)を含む水性フレキソインキ(F)を用いて形成された層である。
(2)前記接着剤層が、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含む無溶剤型接着剤(S)を用いて形成された層である。
(3)前記水性樹脂(P)のハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項(δh
ink
)及び前記無溶剤型接着剤(S)のハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項(δh
adh
)に基づき下記式(1)で算出されるΔδhの値が、4.0MPa
1/2
以上である。
式(1): Δδh=δh
ink
-δh
adh
(4)前記無溶剤型接着剤(S)のハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項(δh
adh
)が8.0MPa
1/2
以上である。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記ポリオール(A)が、ポリエステルポリオール(a1)及びポリエーテルポリオール(a2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールを含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記ポリエーテルポリオール(a2)が、グリセリンのポリプロピレングリコールエーテルであるトリオールを含む、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記ポリイソシアネート(B)が、ポリイソシアネートとポリオールとの反応生成物である、ウレタン結合を有するポリイソシアネートを含む、請求項1~3いずれか1項に記載の積層体。
【請求項5】
前記ウレタン結合を有するポリイソシアネートを形成するポリイソシアネートが、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
請求項1~3いずれか1項に記載の積層体を使用した包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、医療品、化粧品等の包装材料に適用可能な積層体及び該積層体を用いた包装体に関する。さらに本発明は、水性フレキソインキからなるインキ層と無溶剤型接着剤からなる接着剤層とを備え、優れたダーキング耐性、高速塗工時のラミネート外観及び接着性能とを両立可能な積層体及び該積層体を用いた包装体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
食品、医療品、化粧品等の包装に用いる包装材料として、インキ層及び接着剤層が2つの基材間に配置された積層体が好適に用いられている。そして近年、環境負荷低減の観点から、上記インキ層及び接着剤層を、有機溶剤を含まない若しくは有機溶剤の含有量が非常に少ない水性インキ及び無溶剤型接着剤を用いて形成することが検討されている。
【0003】
上記状況において、例えば特許文献1には、水性インキから形成されたインキ層と、ヒマシ油を含むポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含む無溶剤型接着剤から形成された接着剤層とを順に備える、ホットタック性とラミネート外観に優れる積層体が開示されている。
また、例えば特許文献2には、特定の水性インキから形成された水性インキ層と、ポリエステルポリオール及びXDIとHDIとを含むポリイソシアネート成分を含む無溶剤型ウレタン接着剤を用いて形成された接着剤層と、を備える積層フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-116009号公報
特開2021-66031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の積層体は、エージング期間中に接着剤中の成分がインキ層に浸透してインキ層が膨潤し、隠蔽性が低下しやすいという課題がある。隠蔽性が低下すると、特に金属蒸着フィルムや金属箔と貼り合わせた積層体において、積層体を外側から見た際に、金属蒸着層や金属箔が透けてみえるというダーキングの問題が発生する。
上記ダーキングは、特許文献1の積層体に使用する接着剤に含まれるポリイソシアネート組成物の数平均分子量が1,000付近と低く、さらにヒマシ油を多く含むため、水性インキ層との親和性が高いことに起因すると推察している。
【0006】
また、特許文献2に記載の積層フィルムは、ポリイソシアネート成分としてXDIとHDIとを含む無溶剤型接着剤を用いているため、水性インキ層との親和性が低くレベリング性に劣る。これにより、加工性向上のために、塗工ロール温度を下げて高速塗工を行った際に、積層体に気泡が生じやすく、特に蒸着層を備える構成において、ラミネート外観に劣るという課題がある。
【0007】
すなわち、ダーキングの課題と、低温・高速塗工した際のラミネート外観の課題とはトレードオフの関係にあり、両方を解決することは困難であった。
したがって本発明の目的は、水性フレキソインキを用いたインキ層に接して無溶剤型接着剤を用いた接着剤層を備える構成でありながら、インキ層への浸透抑制と優れたレベリング性とを両立し、ダーキングが発生せず、低温・高速塗工した場合でも優れた外観と接着強度とを有する積層体、並びに該積層体を使用した包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、第1基材層、水性フレキソインキ層、ポリオール及びポリイソシアネートを含む無溶剤型接着剤からなる接着剤層、及び第2基材層をこの順に備える積層体において、無溶剤型接着剤と水性フレキソインキ中の水性樹脂とのハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項の値が所定の条件を満たすことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
<1>すなわち本発明は、第1基材層、インキ層、接着剤層、及び第2基材層をこの順に備える積層体であって、以下の(1)~(4)を満たす積層体に関する。
(1)前記インキ層が、着色剤及び水性樹脂(P)を含む水性フレキソインキ(F)を用いて形成された層である。
(2)前記接着剤層が、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を含む無溶剤型接着剤(S)を用いて形成された層である。
(3)前記水性樹脂(P)のハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項(δh
ink
)及び前記無溶剤型接着剤(S)のハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項(δh
adh
)に基づき下記式(1)で算出されるΔδhの値が、4.0MPa
1/2
以上である。
式(1): Δδh=δh
ink
-δh
adh
(4)前記無溶剤型接着剤(S)のハンセン溶解度パラメータにおける水素結合項(δh
adh
)が8.0MPa
1/2
以上である。
【0010】
<2>本発明は、前記ポリオール(A)が、ポリエステルポリオール(a1)及びポリエーテルポリオール(a2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオールを含む、<1>に記載の積層体に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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