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公開番号2024133719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024112960,2019513703
出願日2024-07-12,2018-04-20
発明の名称振盪浮遊培養を用いた間葉系幹細胞の未分化性維持方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12N 5/0775 20100101AFI20240925BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】未分化性を維持したまま間葉系幹細胞を長期間培養すること。
【解決手段】間葉系幹細胞を振盪培養することを特徴とする、未分化性を維持したまま間葉系幹細胞を細胞塊で培養する方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
間葉系幹細胞を振盪培養することを特徴とする、未分化性を維持したまま間葉系幹細胞を培養する方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記振盪培養が回転数20~200rpmで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記振盪培養が振幅10~40mmで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
2回以上、継代培養を行う、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
振盪培養に供する前記間葉系幹細胞が所定の細胞への分化能を喪失している細胞であり、かつ該所定の細胞への分化能が振盪培養により回復する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法により得られる細胞塊。
【請求項7】
分化誘導培地中で請求項6に記載の細胞塊を培養する工程を含む、細胞分化方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法により所定の細胞に分化した細胞塊。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、間葉系幹細胞及びその培養方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
医科領域・歯科領域において骨組織の実質欠損に対しては、β-TCPなどの人工材料やチタンによる再建・インプラント治療や自家骨移植が行われる。自家骨移植を含めた人工材料を用いた治療では、治療後に起こる再生骨の吸収が問題となっている(非特許文献1、2)。また骨再生の分野では、手術時のスペースメーキングのためにスキャホールドや肉芽組織の侵入を防ぐメンブレンが必要なことが多く、再生の場におけるそれらの影響も考慮しなければならない。
【0003】
また近年では、自己由来細胞を用いた研究・治療も行われてきており、その代表が間葉系幹細胞(MSC)である(以降も、本明細書において、間葉系幹細胞を略してMSCと示す)。
【0004】
MSCは、元々、骨髄細胞をプラスチック培養皿に播種することで張り付き増殖し、脂肪・軟骨・骨という中胚葉系の組織・細胞に分化する能力を有している細胞として定義付けされた細胞である(非特許文献3)。
【0005】
マウス骨髄MSCのマーカー探索が行われ、2009年に森川らによりフローサイトメーターを用い、PI
-
/CD45
-
/Ter119
-
/Sca-1
+
/PDGFRα
+
分画中
にマウスMSCが濃縮されていることが報告された(非特許文献4、5)。この純化技術はHoulihanらにより詳細が公にされている(非特許文献6)。ヒト骨髄MSCは馬渕らにより、CD271(LNGFR)
+
/CD90(Thy-1)
+
分画中に高濃度に含まれることが報告されている(非特許文献7)。
【0006】
MSCは様々な組織中に存在するが、一般的に安定的に多くのMSCを獲得可能な組織は骨髄である。MSCは骨髄中の細胞をプラスチック培養皿に播種することで、貼り着き増殖し、骨芽細胞・軟骨細胞・脂肪細胞へ分化可能な細胞と定義され(非特許文献3)、再生医療の細胞供給源として着目されている。しかしながら長期に及ぶ接着培養を繰り返すことで増殖能・分化能が低下することから、臨床においては施設間や患者間で結果に差が生じることが問題となっている。
【0007】
具体的には、従来のMSCは接着培養環境下でその増殖能に限界があり、それに応じて分化能も喪失することが分かっている(非特許文献8、9)。純化MSCも接着培養環境では徐々に増殖能が落ちることが知られている(非特許文献5 Fig 1G参照)。
【0008】
近年、MSCを特殊な培養皿上で培養すると、培養皿に接着することなく浮遊状態でMSCの3次元的な細胞塊(スフェアあるいはスフェロイド)を形成できることが報告されている(非特許文献10)。しかしながら、この方法では長期間培養することはできず、
浮遊環境で培養することで細胞にどのような変化が起こるかについては報告がされていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Hatano et al. Clin Oral Impl Res, vol.15, p339~345, 2004
Verhoeven et al. Clin Oral Impl Res, vol.11, p583~594, 2000
Pittenger et al. Science, vol 284 2 April, 1999
Morikawa et al. BBRC, vol.379, p1114~1119, 2009.
Morikawa et al. JEM, vol.206, p2483~2496, 2009.
Houlihan et al. Nature Protocol, vol.7(12), p2103~2111, 2012.
Mabuchi et al. Stem cell reports, vol.1(2), p152~165, 2013
Bonab et al. BMC Cell Biol, vol.7, p14, 2006.
Bork et al. Aging Cell, vol.9(1), p54~63, 2010.
Baraniak et al. Cell Tissue Res, vol.347(3), p701~711, 2012
Doetsch et al. Cell, 97 (6), p703~716, 1999.
Laura et al. Protoc Exch, Doi:10.1038/nprot.2006.215, 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、未分化性を維持したままMSCを長期間培養することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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