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公開番号
2024133705
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-02
出願番号
2024112036,2022545738
出願日
2024-07-11,2021-08-27
発明の名称
新規銅触媒を用いたジアリールエーテル骨格を有するモルヒナン誘導体の製造方法
出願人
日本ケミファ株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07D
471/10 20060101AFI20240925BHJP(有機化学)
要約
【課題】ジアリールエーテル骨格を有するモルヒナン誘導体を製造する方法であって、工業化製法に適用可能な方法を提供する。
【解決手段】1価の銅化合物を用いる系又は1価の銅化合物と0価の金属銅とを同時に用いる新規触媒系のウルマン反応により、モルヒナン誘導体の4位フェノール体へフェニル基を導入する、次の一般式(III)(式中、R
1
は水素原子等、R
2
、R
3
及びR
4
は同一又は異なって水素原子又は任意の置換基等、R
5
は水素原子、ヒドロキシ基等、R
14
及びR
15
は同一又は異なって水素原子又は任意の置換基等を表す。)で表されるジアリールエーテル骨格を有するモルヒナン誘導体の製造方法。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(I):
JPEG
2024133705000017.jpg
42
80
(式中、R
1
は水素原子、置換基を有していてもよいC
1-10
アルキル基、置換基を有していてもよいC
3-6
シクロアルキルC
1-6
アルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基、置換基を有していてもよいC
3-6
シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC
6-10
アリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいC
2-6
アルケニル基又はアミノ保護基を表し、
R
2
、R
3
及びR
4
は、同一又は異なって、水素原子又は任意の置換基を表すか、
又は前記一般式(I)の
JPEG
2024133705000018.jpg
25
32
部分に関して、
R
2
及びR
4
が互いに結合して、
JPEG
2024133705000019.jpg
25
22
(式中、実線と破線からなる二重線は、単結合又は二重結合を表し、
ここで、AB間の実線と破線からなる二重線が単結合の場合、A及びBは、同一又は異なって、CR
6
R
7
、C=O又はNR
8
を表し、ここで、R
6
及びR
7
は、同一又は異なって、水素原子、-C(=O)-R
9
又は-CR
10
(OH)-R
11
を表し、R
8
~R
11
は、水素原子又は任意の置換基を表し、
AB間の実線と破線からなる二重線が二重結合の場合、A及びBは、同一又は異なって、CR
6
又はNを表し、ここで、R
6
、R
9
~R
11
は前記と同じものを表し、
DD間の実線と破線からなる二重線が、単結合の場合、DはCH
2
を表し、二重結合の場合、DはCHを表す)を表すか、
もしくはR
2
~R
4
が互いに結合して、
JPEG
2024133705000020.jpg
17
40
(式中、XはCH
2
、NR
8
(R
8
は水素原子又は任意の置換基を表す)又はOを表し、YはCH
2
又はC=Oを表し、R
12
はアミノ保護基又はアシル基を表す)を表し、
R
5
は、水素原子、ヒドロキシ基又は-OR
13
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
AB間の実線と破線からなる二重線が単結合を表し、A及びBが、同一又は異なって、CR
6
R
7
を表し、R
6
及びR
7
が、同一又は異なって、水素原子又は-C(=O)-R
9
を表し、R
9
が、C
1-10
アルキル基、C
1-10
アルコキシル基、C
6-10
アリール基又はNHBnを表す、DD間の実線と破線からなる二重線が二重結合を表し、DがCHを表す、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
AB間の実線と破線からなる二重線が単結合を表し、A及びBが、同一又は異なって、CR
6
R
7
を表し、R
6
及びR
7
が、同一又は異なって、水素原子又は-C(=O)-R
9
を表し、R
9
が、C
1-10
アルキル基、C
1-10
アルコキシル基、C
6-10
アリール基又はNHBnを表し、DD間の実線と破線からなる二重線が単結合を表し、DがCH
2
を表す、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
AB間の実線と破線からなる二重線が単結合を表し、A及びBが、同一又は異なって、CR
6
R
7
を表し、R
6
及びR
7
が、同一又は異なって、水素原子又は-CR
10
(OH)-R
11
を表し、R
10
及びR
11
が、同一又は異なって、水素原子、C
1-10
アルキル基、C
6-10
アリール基又はヘテロアリール基を表し、DD間の実線と破線からなる二重線が単結合を表し、DがCH
2
を表す、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
一般式(I)が下記一般式(IV):
JPEG
2024133705000023.jpg
40
83
(式中、R
1
~R
13
、X及びYは前記と同じものを表す)で表される化合物であり、
一般式(III)が下記一般式(V):
JPEG
2024133705000024.jpg
40
94
(式中、R
1
~R
15
、X及びYは前記と同じものを表す)で表されるモルヒナン誘導体である請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
R
1
が、メチル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、ベンジル基又はアリル基である請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
R
1
が、シクロプロピルメチル基である請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
R
1
が、メチル基である請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
R
5
が、ヒドロキシ基又は-OR
13
(R
13
はヒドロキシ保護基を表す)である請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
R
5
が、-OR
13
であって、R
13
が、メチル基、ベンジル基又はtert-ブチルジメチルシリル基である請求項1~8のいずれか一項に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な銅触媒を用いて、モルヒナン誘導体のフェノール性水酸基をウルマンカップリングによりフェノールエーテル結合に変換する、ジアリールエーテル骨格を有するモルヒナン誘導体の製造方法に関する。
本願は、2020年8月28日に、日本に出願された特願2020-145073号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
続きを表示(約 1,100 文字)
【背景技術】
【0002】
オピオイド受容体にはμ、δ、κの3種のサブタイプがあることが知られており、μ受容体に対して強い親和性を示すモルヒネは古くから鎮痛薬として使用されている。モルヒネの鎮痛作用は強力なものであるが、このμ受容体を介して、依存形成、呼吸抑制、便秘等の有害事象を引き起こすことも知られている。
一方、δ受容体を介した鎮痛作用も知られているが、δ受容体アゴニストはモルヒネで見られる有害事象には関与しないことが知られている。
従って、δ受容体に選択的なアゴニストはモルヒネよりも優れた鎮痛薬になる可能性があると考えられ、その創製に関する研究が盛んに行われている。しかしながら、治療又は予防薬としての承認を受けたδ受容体アゴニストは未だ存在しない。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、次式で示す優れたδ受容体アゴニスト活性を有する誘導体が開示されている。
【0004】
JPEG
2024133705000001.jpg
48
54
【0005】
これらの誘導体の製造においては多段階にわたる合成を必要としており、そのため1反応における収率や各反応により得られる目的化合物の純度が高いことが望まれる。
例えば、特許文献1の段落[0025]には、モルヒナン誘導体の4位フェノール体(b-1)へ、ウルマン反応によりフェニル基を導入して(m)とした後、4位の酸素官能基を除去し(n)へと導く手法が開示されている。
【0006】
JPEG
2024133705000002.jpg
29
156
【0007】
ここで、上記ウルマン反応では、モルヒナン誘導体にフェニル基を導入するにあたり、銅粉末(0価の銅)が使用されている。
【0008】
他方、非特許文献1には、モルヒナン誘導体に対してウルマン反応によりフェニル基を導入してジアリールエーテルを構築するにあたり、2価の銅(酢酸銅(II))を用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許文献1:国際公開第2013/035833号
特許文献2:国際公開第2016/148232号
【非特許文献】
【0010】
非特許文献1:Helvetica Chimica Acta 1990, 73(2), 326-336
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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