TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024133695
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024111522,2023022415
出願日2024-07-11,2016-04-19
発明の名称コラーゲン発現量が制御された三次元線維芽細胞集合体を生成する方法、及び当該線維芽細胞集合体を含むインビトロ3D皮膚真皮モデル
出願人エスバイオメディックス
代理人弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類C12N 5/071 20100101AFI20240925BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】三次元線維芽細胞集合体、その製造方法、及び線維芽細胞から培養された線維芽細胞集合体を含むインビトロ三次元皮膚真皮モデル、及びそれを使用して薬物をスクリーニングする方法を提供する。
【解決手段】一様相は、線維芽細胞を、線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質がコーティングされた表面を有する培養容器中の液体培地内で培養し、前記表面から線維芽細胞が離脱されて形成された線維芽細胞集合体(fibroblast cluster)を含む培養物を得る段階と、前記培養物から線維芽細胞集合体を分離する段階と、を含む線維芽細胞集合体を生産する方法であり、前記線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質は、線維芽細胞と線維芽細胞との結合よりさらに弱く線維芽細胞と結合する方法を提供するものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
線維芽細胞を、線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質がコーティングされた表面を有する培養容器中の液体培地内で培養し、培養された前記線維芽細胞が前記表面から離脱されて形成された線維芽細胞集合体を含む培養物を得る段階と、
前記培養物から前記線維芽細胞集合体を分離する段階と、
前記培養物から分離した前記線維芽細胞集合体を更に24時間以上培養する段階と、を含む線維芽細胞集合体を生産する方法であり、
前記線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質と前記線維芽細胞との結合は、線維芽細胞と線維芽細胞との結合より弱く、
前記培養する段階において、前記線維芽細胞は、培養初期には、MBP-FGF組み換えタンパク質でコーティングされた前記培養容器の前記表面に接着して増殖した後、成長するにつれ、前記培養容器の前記表面から離脱し、
前記線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質は、線維芽細胞成長因子(FGF)であり、
前記線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質は、線維芽細胞の細胞膜に存在するインテグリンと結合しないタンパク質であり、
前記線維芽細胞成長因子は、マルトース結合タンパク質(MBP)によって前記培養容器の前記表面に固定されており、
前記マルトース結合タンパク質はポリペプチドリンカであり、
前記ポリペプチドリンカは、カルボキシル末端を介して、前記線維芽細胞成長因子のアミノ末端と結合し、アミノ末端に存在する疎水性ドメインを介して、疎水性表面を有する培養容器に固定できるもの
である、方法。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質は、培地内において、線維芽細胞とフィブロネクチンとが結合するより、前記線維芽細胞とさらに弱く結合することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記培養容器の前記表面は、シラン化された表面、炭化水素コーティングされた表面、高分子表面及び金属表面で構成された群から選択される疎水性表面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記高分子がポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ(L-乳酸)(PLLA)、ポリ(D,L-乳酸)(PDLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリトリメチレンカーボネート、及びそれらの共重合体から構成された群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元線維芽細胞集合体、その生産方法、それを含むインビトロ3D皮膚真皮モデル、及びそれを使用して薬物をスクリーニングする方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
最近、細胞治療技術は、難病などの治療の新たな分野で脚光を浴びている。以前までは、人間の難病治療のために、臓器移植または遺伝子治療などが提示されたが、免疫拒否、供給臓器不足、ベクター開発、または疾患遺伝子に対する知識不足により、効率的な実用化が十分ではなかった。
【0003】
そのために、細胞治療技術への関心が高まり、生体内で分離した細胞を、生体外で増殖して移植する技術が商用化されており、人工皮膚、軟骨または線維組織の再建など実用化が続けて進められてきた。線維芽細胞は、間質性細胞外基質(ECM:extracellular matrix)を生産して維持する細胞であり、細胞外基質によって線維芽細胞が有機的に連結されている。また、線維芽細胞は、免疫防御において、多様なサイトカイン及び生理活性因子を生産する細胞として周知されている。
【0004】
かような線維芽細胞を、細胞治療剤あるいは組織工学素材として活用するためには、線維芽細胞を二次元的に培養して大量増殖させた後、トリプシンのような酵素で処理したが、かような線維芽細胞においては、生成された細胞外基質が分解され、移植する段階において、細胞外基質の役割を期待することができなかった。組織工学技術として、生分解性の合成高分子あるいは天然高分子を利用して、スキャフォールドという人工的な三次元多孔性細胞外基質を利用して、線維芽細胞を始めとする多様な細胞を、三次元細胞集合体として培養しようとする研究がなされた。しかし、それは、生分解速度または炎症反応など素材の限界があって商用化に困難があり、そのために、三次元細胞集合体形成を誘導する技術が要求されている。
【0005】
一方、人体の皮膚組織は、大きく見て、3つの部分に分けられるが、皮膚の最も外側をなす表皮層、その下の層の真皮層、及び皮下組織からなる。そのうち表皮層は、表皮層と真皮層とをしっかりと結合させる基底膜(basement membrane)から多くの層に分化された上皮細胞、その他メラニン細胞、及び免疫細胞からなり、表皮層下の真皮層は、主に線維芽細胞と、該細胞が分泌したさまざまな細胞外基質とからなる。該真皮層は、皮膚の健康及び老化と密接に関連しているとということが知られている。
【0006】
コラーゲンは、真皮層の90%を占める主要タンパク質であり、皮膚結合組織を維持し、皮膚に弾力を提供する。一般的に、外部要因及び年齢増加により、線維芽細胞の数及び機能が低下し、それが老化の主要原因として知られている。細胞の減少は、皮膚組織への線維質成分合成、水分の損失、及び角質層の変化を起こす。また、コラゲナーゼの増加は、架橋形態のコラーゲンを減少させ、それは、皮膚の滑らかさ、水分及び弾力を低下させる。コラーゲン含量及びその合成増加は、皮膚の水分及び弾力の増大を意味する。
【0007】
皮膚マトリックス内のコラーゲンの分解及び合成は、プロテアーゼであるMMP(matrix metalloproteinase)によって調節される。構造及び機能的な特性によって、MMPは、多種に分けられる。タイプIコラーゲンは、皮膚の典型的なコラーゲンであり、MMP-1の作用によって分解される。MMP-1活性は、皮膚の恒常性を維持するために分泌されるTIMP-1のような抑制剤によって調節される。MMPs及びTIMPsのような生分子は、線維芽細胞を含む細胞によって分泌される。また、MMP-1は、細胞外基質を分解し、それにより、腫瘍の転移及び進行を促進する。MMP-1によるコラーゲン合成及び分解は、癌転移において重要な役割を行う。従って、MMP-1/コラーゲンを標的にする薬物及び物質は、癌治療剤または化粧料組成物の目的に開発されている。
【0008】
また、MMPは、炎症性疾患、例えば、関節炎、または癌、例えば、癌転移のような病理学的条件において過発現すると知られており、MMPをターゲットにするMMP抑制剤は、前述のような疾患の治療剤として開発されている。
【0009】
かような、MMPまたはコラーゲンを標的にする薬物をスクリーニングするための2D細胞基盤アッセイが開発されているが、2D細胞基盤アッセイは、薬物の敏感度、細胞及び組織に対する薬物浸透の問題によって制限的であり、生きている生命体の反応を正確に予測するのに不適である。また、かような皮膚の構造的、機能的な複雑性のために、一種の皮膚細胞を利用した皮膚研究は、限界を有するようになりながら、それを克服するために開発された三次元的構造の皮膚モデルが人工皮膚であるが、既存の人工皮膚は、高速で薬物をスクリーニングし難いという制限がある。従って、高速で薬物をスクリーニング(high-throughput)することができれば、皮膚の環境を模写することができる新たな皮膚モデルシステムの開発が要求される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一様相は、線維芽細胞を、線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質がコーティングされた表面を有する培養容器中の液体培地内で培養し、前記表面から線維芽細胞が離脱されて形成された線維芽細胞集合体(fibroblast cluster)を含む培養物を得る段階と、前記培養物から線維芽細胞集合体を分離する段階と、を含む線維芽細胞集合体を生産する方法であり、前記線維芽細胞に結合する活性を有したタンパク質は、線維芽細胞と線維芽細胞との結合よりさらに弱く線維芽細胞と結合する方法を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
菊川深蒸し茶わり
18日前
池田食研株式会社
納豆菌発酵液
今日
東洋紡株式会社
酵素の製造方法
6日前
国立大学法人大阪大学
組成物
1か月前
株式会社明治
細菌の検出方法
2か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
1か月前
株式会社島津製作所
溶血試薬
2か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
17日前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
1か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
1か月前
個人
培養システム
2か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
1か月前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
1か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
1か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
1か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
1か月前
イチビキ株式会社
下痢・軟便の予防・軽減素材
2か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
1か月前
新東工業株式会社
培養装置
3日前
東ソー株式会社
多能性幹細胞由来細胞集団の製造方法
2か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
1か月前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
1か月前
株式会社MARS Company
善玉菌増殖方法
7日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
学校法人近畿大学
柿を用いた酒類の製造方法
6日前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
17日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
1か月前
JFEエンジニアリング株式会社
生細胞選別方法
17日前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
続きを見る