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公開番号
2024133691
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-02
出願番号
2024111443,2020529112
出願日
2024-07-11,2018-08-03
発明の名称
免疫細胞を活性化させる方法
出願人
タリーノード バイオサイエンシズ インコーポレイテッド
代理人
個人
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主分類
A61K
35/17 20150101AFI20240925BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】がんおよび他の疾患を処置するための、免疫細胞を活性化させ得る治療法を提供する。
【解決手段】いくつかの態様において、本方法は、対象からの免疫細胞を、腫瘍細胞を含む免疫調節チャンバーに通す段階であって、それによって免疫細胞が活性化される、段階;および活性化した免疫細胞を対象に戻す段階を含む。いくつかの態様において、本方法は、試料の免疫細胞含有部分を単離する段階;および免疫細胞含有部分を免疫調節チャンバーに通す段階をさらに含む。がんを処置する方法、および腫瘍に対する免疫応答を誘導する方法もまた、本明細書において提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
対象において免疫細胞を活性化させる方法であって、
(a) 該対象からの免疫細胞を免疫調節チャンバーに通す段階であって、該免疫調節チャンバーが、固体支持体と、該免疫調節チャンバー内で該固体支持体上に拘束された腫瘍細胞とを含み、それによって該免疫細胞が該腫瘍細胞に曝露されて該免疫細胞が活性化される、段階、ならびに
(b) 活性化した該免疫細胞を該対象に戻す段階
を含む、方法。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
エクスビボで行われる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記対象において自己の免疫応答を高める、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記対象において全身療法の有害作用を軽減または排除する、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
前記免疫細胞が、白血球または末梢血単核細胞 (PBMC) である、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記免疫調節チャンバーが、前記固体支持体上に拘束された間質細胞および/または間質成分をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
前記免疫細胞が、前記対象から採取された全血試料中に含まれる、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
前記全血試料が前記免疫調節チャンバーに通される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記全血試料から免疫細胞含有部分が単離され、該全血試料の該免疫細胞含有部分が前記免疫調節チャンバーに通される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記全血試料の前記免疫細胞含有部分が、濾過法を用いて単離される、請求項9記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月4日に出願された米国仮特許出願第62/541,402号に対する優先権を主張し、その開示は、すべての目的のために全体として参照により本明細書に組み入れられる。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
発明の背景
免疫腫瘍学は、がん処置の最先端で急成長している分野である。悪性細胞を直接標的とするがん治療に反して、免疫腫瘍学治療は、腫瘍を標的とし攻撃するために身体の免疫系を活性化させる。免疫チェックポイント阻害剤、ワクチン接種、酵素阻害剤、インビトロT細胞改変、腫瘍細胞死の誘導、および二重特異性T細胞誘導を含む、いくつかの免疫腫瘍学方法が開発されている。
【0003】
チェックポイント阻害剤(CTLA-4、PD-1、およびPDL-1阻害剤など)は、典型的には、T細胞を不活性化させる受容体への腫瘍細胞の結合を遮断するモノクローナル抗体である。腫瘍細胞と腫瘍特異的免疫細胞との間のこの相互作用を破壊することで、免疫細胞の不活性化を妨げる。腫瘍細胞と免疫細胞との相互作用を標的とするには、腫瘍微小環境中に浸潤性リンパ球が存在することが必要である。
【0004】
がんに対する治療的ワクチン接種は、腫瘍細胞によって発現されるかまたは抗原提示細胞 (APC) によって提示される腫瘍抗原に対する免疫応答を誘導および/または救済する。このアプローチは、変異ペプチドまたは異常な翻訳後修飾を伴う変異原性の高い腫瘍に効果的である場合が多い。
【0005】
酵素阻害剤は、ある特定のアミノ酸の代謝が、がんに対する免疫応答を調節する上で重要であると同定されたという事実を利用するものである。インドールアミン-ピロール2,3-デオキシゲナーゼ (IDO) は、腫瘍微小環境において免疫応答を抑制するように制御性T細胞 (Treg) を誘導することが示された。したがって、IDO阻害は、免疫腫瘍学的治療の選択肢として探索されている。
【0006】
患者のT細胞のインビトロ改変を用いて、腫瘍を直接攻撃することができる。養子細胞移入は、これらの方法の最も古いものの一つであり、身体からT細胞を取り出し、次いでこれを拡大増殖させ、遺伝子改変して、腫瘍関連抗原 (TAA) に対する特異性のためのキメラ抗原受容体を有するT細胞(CAR T細胞)を作製し、次いでこれを患者に再導入することを伴う。CAR T細胞に基づく免疫腫瘍学戦略は、血液腫瘍の処置に非常に効果的であると予測されたが、固形腫瘍に対処する際のそれらの効果は期待外れであった。
【0007】
腫瘍溶解性ウイルス、局所放射線療法、または化学療法による腫瘍細胞死の誘導は、腫瘍細胞の死滅を促進する免疫応答を誘発する可能性を有する細胞毒性を引き起こす。二重特異性T細胞誘導は、表面受容体を通じてT細胞と腫瘍細胞を連結し、それによって強制的に免疫認識を起こすように働く改変抗体である。
【0008】
単独のまたは併用した、前述の治療の十分な治療可能性は、いまだ実現されていない。注目すべきことには、チェックポイント阻害剤は、いくつかのがんについて顕著な臨床反応をもたらしたが、がん患者の大多数はこの処置に反応しないか、または反応の持続時間が比較的短い。免疫腫瘍学治療がいずれも、いまだに非常に新しくかつ実証されていない、または患者の一部でしか成功していないことを考慮すると、がんおよび他の疾患を処置するための、免疫細胞を活性化させ得る新たな治療法の必要性が当技術分野において依然として存在する。本発明はこの必要性を満たすと同時に、関連する利点をもたらす。
【発明の概要】
【0009】
1つの局面において、本発明は、対象において免疫細胞を活性化させる方法を提供する。いくつかの態様において、本方法は、
(a) 対象から免疫細胞を単離する段階、
(b) 単離された免疫細胞を免疫調節チャンバーに通す段階であって、免疫調節チャンバーが、固体支持体、および免疫調節チャンバー内で固体支持体上に拘束された腫瘍細胞を含み、それによって、単離された免疫細胞が腫瘍細胞に曝露され、免疫細胞が活性化される、段階、ならびに
(c) 活性化した免疫細胞を対象に戻す段階
を含む。
【0010】
いくつかの態様において、本方法はエクスビボで行われる。他の態様において、本方法は、対象において自己の免疫応答を高める。いくつかの他の態様において、本方法は、対象において全身療法の有害作用を軽減または排除する。いくつかの態様において、免疫細胞は白血球または末梢血単核細胞 (PBMC) である。
(【0011】以降は省略されています)
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