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公開番号2024132530
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2023043331
出願日2023-03-17
発明の名称組立式容器の製造方法及び組立式容器
出願人東罐興業株式会社
代理人個人
主分類B31B 50/74 20170101AFI20240920BHJP(紙,板紙または紙と同様の方法で加工される材料からなる物品の製造;紙,板紙または紙と同様の方法で加工される材料の加工)
要約【課題】容器本体の収容部からの収容物の漏れ出し又は収容物の滲み出しを抑制することが可能な組立式容器を提供する。
【解決手段】実施形態における組立式容器の製造方法は、熱板620側に樹脂フィルム3を吸引して突起部31を形成する被覆工程を備える。被覆工程は、収容部12から外側に向かう方向に沿う断面が三角形状に切り欠かれた熱板620の成形部622により、樹脂製フィルム3の段差を横断する突起部形成領域を吸引し、その後に成形部622よりも小さな吸引力で受け型610により突起部形成領域を吸引する吸引工程と、受け型610により吸引した状態で成形部622の吸引を停止することにより、先端部からフランジ部に対して立ち上がる基端部まで樹脂製フィルム3同士を互いに貼り合わされた突起部31を形成する停止工程と、を有する。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項1】
ブランクシートの底面から複数の側面を立ち上げて形成される収容部と、これら複数の側面の上部が折り返されて前記収容部の外側に向けて延設されたフランジ部と、を有する容器本体と、前記容器本体の内面に被覆される樹脂製フィルムと、を備える組立式容器の製造方法であって、
前記フランジ部は、前記ブランクシートの折返片同士を重なり合うように貼り合わせられて形成された段差を有し、
熱板成形機の熱板に対向して設けられた受け型に前記容器本体を配置するとともに、前記容器本体と前記熱板との間に前記樹脂製フィルムを配置する配置工程と、
前記樹脂製フィルムを前記熱板側に吸引して前記段差の上方に前記段差を横断する突起部を形成するとともに、前記容器本体の内面に前記樹脂製フィルムを被覆する被覆工程と、を備え、
前記被覆工程は、
前記収容部から外側に向かう方向に沿う断面が三角形状に切り欠かれた前記熱板の成形部により、前記樹脂製フィルムの前記段差を横断する突起部形成領域を吸引し、その後に前記成形部よりも小さな吸引力で前記受け型により前記突起部形成領域を吸引する吸引工程と、
前記受け型により吸引した状態で前記成形部の吸引を停止することにより、先端部から前記フランジ部に対して立ち上がる基端部まで前記樹脂製フィルム同士を互いに貼り合わされた前記突起部を形成する停止工程と、を有すること
を特徴とする組立式容器の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記被覆工程では、前記熱板成形機により前記樹脂製フィルムを加熱するとともに前記樹脂製フィルムを前記熱板側に吸引すること
を特徴とする請求項1記載の組立式容器の製造方法。
【請求項3】
前記被覆工程の後に、前記樹脂製フィルムの上面に、前記段差を横断するように前記トップシールを貼着する貼着工程を更に備え、
前記貼着工程では、
前記トップシールを貼着する際に、前記トップシールに沿うように前記収容部側又は前記収容部の外側の何れか一方に前記突起部を倒し、前記樹脂製フィルムにおける前記フランジ部に貼り付けられた部分と、前記突起部とにより、3層に折り重ねられた積層部を前記樹脂製フィルムに形成すること
を特徴とする請求項1記載の組立式容器の製造方法。
【請求項4】
前記成形部は、前記収容部から外側に向かう方向に沿う断面が二等辺三角形状に切り欠かれること
を特徴とする請求項1記載の組立式容器の製造方法。
【請求項5】
ブランクシートの底面から複数の側面を立ち上げて形成される収容部と、これら複数の側面の上部が折り返されて前記収容部の外側に向けて延設されたフランジ部と、を有した容器本体と、前記容器本体の内面に被覆された樹脂製フィルムと、を備える組立式容器であって、
前記フランジ部は、組み立て後に前記ブランクシートの折返片同士が重なり合うように貼り合わせられて形成された段差を有し、
前記樹脂製フィルムは、前記段差の上方に前記段差を横断する突起部を有し、
前記突起部は、先端部から前記フランジ部に対して立ち上がる基端部まで前記樹脂製フィルム同士が互いに貼り合わされて形成されること
を特徴とする組立式容器。
【請求項6】
前記樹脂製フィルムの上面に貼着されるトップシールを更に備え、
前記トップシールは、前記樹脂製フィルムの上面に前記段差を横断するように貼着され、
前記突起部は、前記トップシールに沿って前記収容部側又は前記収容部の外側の何れか一方に倒れて配置され、
前記樹脂製フィルムは、前記フランジ部に貼り付けられる部分と、前記突起部とにより、3層に折り重ねられた積層部が形成されること
を特徴とする請求項5記載の組立式容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、組立式容器の製造方法、及び組立式容器に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、上端にフランジ部を有するトレー状の容器本体を、例えば紙を主原料とするブランクシートから組み立てた組立式紙容器が知られている。この組立式紙容器には、フランジ部の上面を含む容器本体の内面に、樹脂性を有する熱可塑性の樹脂製フィルムを貼り付けたものがある(特許文献1,2等参照)。この樹脂製フィルム付きの組立式紙容器は、樹脂性を有することから、主に食品等を収容するトレーやボールとして利用されている。
【0003】
また、組立式紙容器は、プラスチック容器と比較して、例えば、環境中で生じる二次マイクロプラスチックの発生等を抑制でき、環境に配慮できる製品である。さらに、樹脂製フィルムは、容器本体から剥がすことも可能であり、樹脂製フィルムと紙製の容器本体との分別も可能であり、樹脂製フィルム及び容器本体のそれぞれのリサイクルも可能である。これらの利点から、組立式紙容器に、例えばMAP(Modified Atmosphere Packaging)を適用し、食品等の包装容器及び食品等の保存容器としての利用も期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6-293334号公報
特開2019-172339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の組立式紙容器の容器本体には、その成形上、フランジ部の上面に、ブランクシートの端面どうしが近接して生じた隙間ができる。現状、この隙間は、フランジ部の上面を含む容器本体の内面を樹脂製フィルムで被覆しても、完全に埋めることは難しい。さらに、樹脂製フィルムは薄く、この樹脂製フィルムを、例えば真空圧空により、フランジ部の上面を含む容器本体の内面に被覆した場合、樹脂製フィルムは、隙間の中に吸引されるため、この樹脂製フィルムだけで、隙間を塞ぐことは難しい。
【0006】
また、容器本体の収容部の中の空気を、食品に適した食品ガスに置換して包装する包装方法が開発されている(例えばMAP)。このような包装方法を、樹脂製フィルム付きの組立式紙容器に適用した場合、トップシールが、フランジ部の上面上の樹脂製フィルムに貼着される。しかし、トップシールも薄いため、トップシールを樹脂製フィルムに貼着したとしても、樹脂製フィルムの上面とトップシールの下面との間に、隙間に沿った空洞ができてしまう。すなわち、トップシールをもってしても、空洞を完全に塞ぐことは難しい。しかも、空洞は、両端が開放されている。そのため、容器本体の収容部は、この空洞を介して、容器本体の外に通じてしまう。
【0007】
また、容器本体のフランジには、ブランクシートの折返片同士を重なり合うように貼り合わせて形成された段差を有する場合がある。この段差にトップシールをした場合、段差に沿って空洞ができるおそれがある。そこで、図に示すように、段差の上方に、この段差を横断するように樹脂製フィルムによりフランジに対して立ち上がる中空状の突起を形成し、この中空状の突起をトップシールによって押し潰すことで空洞を防ぐことも考えられる。
【0008】
図21を用いて中空状の突起を形成する手順を説明する。図21(a)に示すように、熱板成形機の下型910に容器本体を載置してフランジ913の上面に樹脂製フィルム93を配置し、樹脂製フィルム93を構成する樹脂の少なくとも1種類以上の樹脂融点以上に加熱された熱板成形機の熱板920(上型)により樹脂製フィルム3の上面側を真空に吸引する。熱板920で吸引することにより、熱板920の内面に沿って樹脂製フィルム3が変形される。そして、図21(b)に示すように、熱板成形機の下型910により樹脂製フィルム3の下面側を真空に吸引する。これにより、図示しない容器本体の収容部に、樹脂製フィルム3の被覆できる。その後、図21(c)に示すように、熱板920により吸引した状態で、下型910による吸引を停止する。そして、図21(d)に示すように、熱板920による吸引を停止する。そして、図21(e)に示すように、熱板920を上昇させ、中空状の突起931を熱板920から離型する。これにより、フランジ913に中空状の突起931が形成される。そして、加熱された状態の突起931が外気に晒されて自然冷却される。このため、図21(f)に示すように、自然冷却に伴って中空状の突起931が冷結晶化して自由収縮することになる。その結果、中空状の突起931に厚さの不均一や高低差が生じたりする等の賦形不良が生じるおそれがある。
【0009】
このような賦形不良が生じた中空状の突起をトップシールにより押し潰したとき、トップシールと中空状の突起との間に、空洞が生じてしまうおそれがある。更には、突起が中空状であることから、ランダムに潰れてしまい、空洞が生じてしまうおそれがある。その結果、この空洞を介して、収容部から収容物の漏れ出し又は収容物の滲み出しが発生してしまうおそれがある。
【0010】
以上のことから、樹脂製フィルム付きの組立式容器には、トップシールで収容部を被覆したとしても、空洞を介して、収容部から収容物の漏れ出し又は収容物の滲み出しが発生してしまうおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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