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公開番号
2024131322
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-30
出願番号
2023041521
出願日
2023-03-16
発明の名称
発光素子およびその製造方法
出願人
豊田合成株式会社
代理人
弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類
H01L
33/08 20100101AFI20240920BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】複数の活性層が順に積層され、各活性層が同時発光し、各発光の光出力を制御可能な発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子は、フリップチップ型のIII族窒化物半導体からなる発光素子であり、基板と、n層と、所定の発光波長の第1活性層と、n型不純物濃度が1×10
18
cm
-3
以下であるIII族窒化物半導体からなる中間層と、第1活性層とは異なる発光波長の第2活性層と、p層と、光を反射させるp電極と、を有する。第2活性層から放射される光は、その干渉はp層の厚さによって制御され、第1活性層から放射される光は、その干渉はp層の厚さと中間層の厚さによって制御され、第1活性層から放射される光と第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するようにp層の厚さおよび中間層の厚さが設定されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
フリップチップ型のIII族窒化物半導体からなる発光素子において、
基板と、
前記基板上に設けられ、n型のIII族窒化物半導体からなるn層と、
前記n層上に設けられ、所定の発光波長の第1活性層と、
前記第1活性層上に設けられ、n型不純物濃度が1×10
18
cm
-3
以下であるIII族窒化物半導体からなる中間層と、
前記中間層上に設けられ、前記第1活性層とは異なる発光波長の第2活性層と、
前記第2活性層上に設けられ、p型のIII族窒化物半導体からなるp層と、
前記p層上に設けられ、光を反射させるp電極と、
を有し、
前記第2活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さによって制御され、
前記第1活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さと前記中間層の厚さによって制御され、
前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さおよび前記中間層の厚さが設定されている、発光素子。
続きを表示(約 1,600 文字)
【請求項2】
前記中間層は、Inを含むIII族窒化物半導体からなる、請求項1に記載の発光素子。
【請求項3】
前記第2活性層の発光波長は前記第1活性層の発光波長よりも長く、
前記第2活性層は、量子井戸構造であって、発光しないように井戸層の厚さが調整されている歪緩和層と、量子井戸構造であって発光する発光層と、を順に積層させた構造であり、
前記歪緩和層の前記井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が前記発光層の発光波長よりも短くなるように設定されていて、
前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さ、前記中間層の厚さ、および前記歪緩和層の厚さが設定されている、請求項1または請求項2に記載の発光素子。
【請求項4】
前記中間層は、ノンドープのIII族窒化物半導体からなるノンドープ層と、n型のIII族窒化物半導体からなるn型層が順に積層された構造である、請求項1または請求項2に記載の発光素子。
【請求項5】
フリップチップ型のIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法において、
前記基板上に、n型のIII族窒化物半導体からなるn層を形成するn層形成工程と、
前記n層上に、所定の発光波長の第1活性層を形成する第1活性層形成工程と、
前記第1活性層上に、n型不純物濃度が1×10
18
cm
-3
以下であるIII族窒化物半導体からなる中間層を形成する中間層形成工程と、
前記中間層上に、前記第1活性層とは異なる発光波長の第2活性層を形成する第2活性層形成工程と、
前記第2活性層上に、p型のIII族窒化物半導体からなるp層を形成するp層形成工程と、
前記p層上に、光を反射させるp電極を形成するp電極形成工程と、
を有し、
前記第2活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さによって制御し、
前記第1活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さと前記中間層の厚さによって制御し、
前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さおよび前記中間層の厚さを設定する、発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記中間層は、Inを含むIII族窒化物半導体からなる、請求項5に記載の発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記第2活性層の発光波長は前記第1活性層の発光波長よりも長く、
前記第2活性層は、量子井戸構造であって、発光しないように井戸層の厚さが調整されている歪緩和層と、量子井戸構造であって発光する発光層と、を順に積層して形成し、
前記歪緩和層の前記井戸層のバンド端エネルギーに相当する波長が前記発光層の発光波長よりも短くなるように設定し、
前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さ、前記中間層の厚さ、および前記歪緩和層の厚さを設定する、請求項5または請求項6に記載の発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記中間層は、ノンドープのIII族窒化物半導体からなるノンドープ層と、n型のIII族窒化物半導体からなるn型層を順に積層して形成する、請求項5または請求項6に記載の発光素子の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
白色発光の発光素子として、青、緑、赤の各色を発光する活性層を順に積層させ、各層から同時に発光させることで白色とする構造が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Jpn. J. Phys. 52 08JG02 2013
J. Appl. Phys. 112.083101 (2012)
AIP Advances 5, 057168 (2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、そのような発光素子では、各色を同時に発光させ、かつ各発光強度を制御することができなかった。また、青、緑、赤の順で発光効率が低下してしまうため、光出力のバランスを制御することが困難であった。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、複数の活性層が順に積層され、各活性層が同時発光し、各発光の光出力を制御可能な発光素子を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
フリップチップ型のIII族窒化物半導体からなる発光素子において、
基板と、
前記基板上に設けられ、n型のIII族窒化物半導体からなるn層と、
前記n層上に設けられ、所定の発光波長の第1活性層と、
前記第1活性層上に設けられ、n型不純物濃度が1×10
18
cm
-3
以下であるIII族窒化物半導体からなる中間層と、
前記中間層上に設けられ、前記第1活性層とは異なる発光波長の第2活性層と、
前記第2活性層上に設けられ、p型のIII族窒化物半導体からなるp層と、
前記p層上に設けられ、光を反射させるp電極と、
を有し、
前記第2活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さによって制御され、
前記第1活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さと前記中間層の厚さによって制御され、
前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さおよび前記中間層の厚さが設定されている、発光素子にある。
【0007】
本発明の他の態様は、
フリップチップ型のIII族窒化物半導体からなる発光素子の製造方法において、
前記基板上に、n型のIII族窒化物半導体からなるn層を形成するn層形成工程と、
前記n層上に、所定の発光波長の第1活性層を形成する第1活性層形成工程と、
前記第1活性層上に、n型不純物濃度が1×10
18
cm
-3
以下であるIII族窒化物半導体からなる中間層を形成する中間層形成工程と、
前記中間層上に、前記第1活性層とは異なる発光波長の第2活性層を形成する第2活性層形成工程と、
前記第2活性層上に、p型のIII族窒化物半導体からなるp層を形成するp層形成工程と、
前記p層上に、光を反射させるp電極を形成するp電極形成工程と、
を有し、
前記第2活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さによって制御し、
前記第1活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さと前記中間層の厚さによって制御し、
前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さおよび前記中間層の厚さを設定する、発光素子の製造方法にある。
【発明の効果】
【0008】
上記態様によれば、第1活性層と第2活性層の間に中間層を設け、中間層のn型不純物濃度を1×10
18
cm
-3
以下としているため、第1活性層と第2活性層を同時発光させることができる。また、各発光を光の干渉によって制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態1における発光素子の構成を示した図であって、基板に垂直な面での断面図。
実施形態1における発光素子の等価回路を示した図。
実施形態1における発光素子の製造工程を示した図。
実施形態1における発光素子の製造工程を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発光素子は、フリップチップ型のIII族窒化物半導体からなる発光素子である。発光素子は、基板と、前記基板上に設けられ、n型のIII族窒化物半導体からなるn層と、前記n層上に設けられ、所定の発光波長の第1活性層と、前記第1活性層上に設けられ、n型不純物濃度が1×10
18
cm
-3
以下であるIII族窒化物半導体からなる中間層と、前記中間層上に設けられ、前記第1活性層とは異なる発光波長の第2活性層と、前記第2活性層上に設けられ、p型のIII族窒化物半導体からなるp層と、前記p層上に設けられ、光を反射させるp電極と、を有する。また、前記第2活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さによって制御され、前記第1活性層から放射される光は、前記基板側に向かう光と、前記p電極側に向かい前記p電極によって反射された光との間で干渉し、その干渉は前記p層の厚さと前記中間層の厚さによって制御され、前記第1活性層から放射される光と前記第2活性層から放射される光のうち少なくとも一方は、干渉により増幅するように前記p層の厚さおよび前記中間層の厚さが設定されている。
(【0011】以降は省略されています)
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