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公開番号2024130020
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039492
出願日2023-03-14
発明の名称ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
出願人群栄化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 307/48 20060101AFI20240920BHJP(有機化学)
要約【課題】反応系内の圧力が低く、かつヒドロキシメチルフルフラールの収率に優れるヒドロキシメチルフルフラールの製造方法の提供。
【解決手段】アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩の存在下又は不在下、かつアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩以外の卑金属塩の存在下で、炭水化物を含む原料を、有機液体及び水を媒体として水熱処理する、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法であり、前記有機液体が、沸点70℃以上の極性溶剤を含む、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩の存在下又は不在下、かつアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩以外の卑金属塩の存在下で、炭水化物を含む原料を、有機液体及び水を媒体として水熱処理する、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法であり、
前記有機液体が、沸点70℃以上の極性溶剤を含む、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記極性溶剤の25℃における水への溶解度が1.0×10

mg/L以上である請求項1に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項3】
前記極性溶剤がジメチルスルホキシドである請求項1又は2に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項4】
前記炭水化物のフラクト分が40モル%以上である請求項1又は2に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項5】
前記原料を水熱処理する温度が130~160℃である請求項1又は2に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項6】
前記原料を水熱処理する時間が0.5~5時間である請求項1又は2に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
炭水化物を水熱処理することで、ヒドロキシメチルフルフラールが生成することが知られている。
特許文献1には、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の一種類以上の塩の存在下、バイオマス由来の炭水化物を含有する原料を、水及び有機液体を媒体として水熱処理するヒドロキシメチルフルフラールの合成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-143046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の方法は、反応系内の圧力が高圧になる問題がある。
特許文献1には、有機液体として用いられているテトラヒドロフラン(THF)の一部をトルエンに置換することで、反応系内の圧力を下げられる一方、トルエンの置換量が増えるにつれて、ヒドロキシメチルフルフラールの収率が低下することが記載されている。
本発明は、反応系内の圧力が低く、かつヒドロキシメチルフルフラールの収率に優れるヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩の存在下又は不在下、かつアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩以外の卑金属塩の存在下で、炭水化物を含む原料を、有機液体及び水を媒体として水熱処理する、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法であり、
前記有機液体が、沸点70℃以上の極性溶剤を含む、ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
[2]前記極性溶剤の25℃における水への溶解度が1.0×10

mg/L以上である[1]に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
[3]前記極性溶剤がジメチルスルホキシドである[1]又は[2]に記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
[4]前記炭水化物のフラクト分が40モル%以上である[1]~[3]のいずれかに記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
[5]前記原料を水熱処理する温度が130~160℃である[1]~[4]のいずれかに記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
[6]前記原料を水熱処理する時間が0.5~5時間である[1]~[5]のいずれかに記載のヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、反応系内の圧力が低く、かつヒドロキシメチルフルフラールの収率に優れるヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ヒドロキシメチルフルフラール(以下、「HMF」とも記す。)は、フラン環の2位にホルミル基、5位にヒドロキシメチル基が置換した化合物である。
本発明の一実施形態に係るHMFの製造方法は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の塩(以下、「アルカリ(土類)金属塩」とも記す。)の存在下又は不在下、かつアルカリ(土類)金属塩以外の卑金属塩の存在下で、炭水化物を含む原料を、水及び有機液体を媒体として水熱処理する。これにより、HMFが生成する。
【0008】
(原料)
原料は炭水化物を含む。
炭水化物は、単糖単位を1つ有する化合物(単糖)であってもよく、単糖単位を2つ以上有する化合物(オリゴ糖、デキストリン、フルクタン、デンプン、それらの誘導体等)であってもよく、これらの化合物の2種以上の混合物であってもよい。
単糖としては、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、リボース、キシロース、デオキシリボース等が挙げられる。
単糖単位を2つ以上有する化合物における2つ以上の単糖単位は同じでもよく異なっていてもよい。
【0009】
本実施形態において、原料中の炭水化物は、フラクト分が40モル%以上であることが好ましい。
「フラクト分」とは、炭水化物中の全ての単糖単位の合計に対するフルクトース単位の割合である。例えば炭水化物がスクロースの場合、スクロースは1つのフルクトース単位と1つのグルコース単位とからなるため、フラクト分は50モル%である。
【0010】
フルクトース単位は、フルクトース以外の単糖単位に比べ、水熱処理で高収率にHMFに変換できる。そのため、フラクト分が40モル%以上の炭水化物を用いることで、HMFの収率が向上する。
また、フルクトース単位は、フルクトース以外の単糖単位に比べ、水熱処理でHMFに変換するために必要な反応時間が短い。そのため、フラクト分が40モル%以上の炭水化物を用いることで、反応時間を短くでき、生産性が向上する。また、反応時間が長くなると、生成したHMFの分解や高分子量化が進み、HMFの収率があまり上がらなくなるおそれがあるが、反応時間が短くなることで、HMFの分解や高分子量化を抑制できる。
炭水化物のフラクト分は、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
炭水化物のフラクト分は100モル%であってもよいが、フルクトース単位のみからなる炭水化物は製造に手間がかかり、高コストになる傾向がある。本実施形態の方法によれば、フラクト分が100モル%でなくても高収率を達成できるので、炭水化物のフラクト分は、100モル%未満が好ましく、90モル%以下がより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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