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公開番号2024129803
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2024027845
出願日2024-02-27
発明の名称超音波ファントムおよび超音波ファントムの製造方法
出願人キヤノン株式会社,キヤノンメディカルシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G09B 23/30 20060101AFI20240919BHJP(教育;暗号方法;表示;広告;シール)
要約【課題】生体における音速との乖離を抑制しつつ、高い粘性を有することが可能な超音波ファントムを提供する。
【解決手段】水と、30℃以上95℃以下にゾルゲル相転移点を有する多糖類(A)と、室温における1質量%水溶液の粘度が300mPa・s以上である増粘多糖類(B)と、を含み、ゲル状態において1Hzにおける室温での動的粘弾性測定で得られるtanδが0.2以上を呈する、超音波ファントム。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水と、
30℃以上95℃以下にゾルゲル相転移点を有する多糖類(A)と、
室温における1質量%水溶液の粘度が300mPa・s以上である増粘多糖類(B)と、
を含み、
ゲル状態において1Hzにおける室温での動的粘弾性測定で得られるtanδが0.2以上を呈する、超音波ファントム。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記多糖類(A)が寒天である、請求項1に記載の超音波ファントム。
【請求項3】
前記増粘多糖類(B)は、主鎖にマンノース残基を有し、側鎖にガラクトース残基を有する増粘多糖類であり、
前記主鎖に有する前記マンノース残基の数に対する、前記側鎖に有する前記ガラクトース残基の数の比が、0.2以上0.4以下である、請求項1または2に記載の超音波ファントム。
【請求項4】
前記増粘多糖類(B)の数平均分子量が9万以上である、請求項1または2に記載の超音波ファントム。
【請求項5】
前記増粘多糖類(B)は、グアーガム、ローカストビーンガム、およびタマリンドシードガムから選ばれる増粘多糖類を含む、請求項1または2に記載の超音波ファントム。
【請求項6】
音速調整剤をさらに含む、請求項1または2に記載の超音波ファントム。
【請求項7】
超音波散乱剤をさらに含む、請求項1または2に記載の超音波ファントム。
【請求項8】
防腐剤をさらに含む、請求項1または2に記載の超音波ファントム。
【請求項9】
超音波ファントムの製造方法であって、
30℃以上95℃以下にゾルゲル相転移点を有する多糖類(A)を含む溶液Aを調製する工程と、
室温における1質量%水溶液の粘度が300mPa・s以上である増粘多糖類(B)を含む溶液Bを調製する工程と、
前記溶液Aと前記溶液Bとを混合して調製液Cを調製する工程と、
前記調製液Cをゲル化してハイドロゲルDを調製する工程と、
を有し、
ゲル状態にある前記ハイドロゲルDについて、1Hzにおける室温での動的粘弾性測定を行うことで得られるtanδが0.2以上を呈する、超音波ファントムの製造方法。
【請求項10】
前記ハイドロゲルDを調製する工程は、前記調製液Cを冷却する工程を含む、請求項9に記載の超音波ファントムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波ファントムおよび超音波ファントムの製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
生体組織などを模擬したファントムは、医療診断用装置の校正、および機能の実装に用いられている。ここで該医療診断用装置としては、音響波(例えば超音波)診断装置、磁気共鳴画像化診断装置(MRI)、コンピュータ断層撮影装置(CT)、X線診断装置、近赤外光イメージング装置(NIRI)などが挙げられる。これらの装置では、超音波、X線、光などの電磁波を利用し、その散乱、屈折、反射、吸収、回折、干渉などの物理現象をモニタリングして、患者の疾患の診断を行っている。
【0003】
近年、超音波診断装置の使用においては、シェアウェーブエラストグラフィー法(SWE法)による、臓器の硬さ(ヤング率)の定量評価が普及している。SWE法は、超音波により発生したせん断波の伝播速度を観測することで、臓器内のヤング率を算出する方法であり、硬さの定量評価が可能である。さらに、近年では臓器の硬さ(ヤング率)に加えて、粘性の測定の需要も高まっている。所定のヤング率および粘性を有する超音波ファントムは、超音波診断装置を用いて臓器の正確な粘弾性を算出するため、校正に用いられる。
【0004】
なお、粘性特性について本明細書では、組成物の成分として用いられる増粘多糖類の粘性特性を「粘度」と表記し、ゲル状態にあるファントムの粘性特性を「粘性」と表記して、互いを区別する。
【0005】
超音波ファントムの粘性を制御する手法として、特許文献1には、グリセリンを用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6754112号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、グリセリンには、超音波ファントムの成分として用いた場合に、グリセリンを含まない超音波ファントムと比べて音速を大きくする効果がある。そのため、粘性を高くするために、超音波ファントムの成分としてグリセリンを大量に使用した場合には、超音波ファントムにおける音速と生体における音速との間に乖離が生じる可能性がある。また、生体の音響特性に合致するようにグリセリンの含有割合を調整してファントムを作製する場合には、得られる粘性の幅が小さく、所望の粘弾性に制御することが難しい。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。すなわち本発明は、生体における音速との乖離を抑制しつつ、高い粘性を有することが可能な超音波ファントムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る超音波ファントムは、水と、30℃以上95℃以下にゾルゲル相転移点を有する多糖類(A)と、室温における1質量%水溶液の粘度が300mPa・s以上である増粘多糖類(B)と、を含み、ゲル状態において1Hzにおける室温での動的粘弾性測定で得られるtanδが0.2以上を呈する。
【0010】
また、本発明の別の態様に係る超音波ファントムの製造方法は、30℃以上95℃以下にゾルゲル相転移点を有する多糖類(A)を含む溶液Aを調製する工程と、室温における1質量%水溶液の粘度が300mPa・s以上である増粘多糖類(B)を含む溶液Bを調製する工程と、前記溶液Aと前記溶液Bとを混合して調製液Cを調製する工程と、前記調製液Cをゲル化してハイドロゲルDを調製する工程と、を有し、ゲル状態にある前記ハイドロゲルDについて、1Hzにおける室温での動的粘弾性測定を行うことで得られるtanδが0.2以上を呈する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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