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公開番号2024129536
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038821
出願日2023-03-13
発明の名称バイナリー発電システム
出願人巴工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F01K 25/10 20060101AFI20240919BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】圧力計の検出結果によらずに、ドレン排出を行うことが可能なバイナリー発電システムを提供する。
【解決手段】熱交換器に供給される蒸気の流量を調節する第1温度調節弁と、熱交換器で発生したドレンを回収するドレントラップと、を有し、ドレントラップは、ドレンが流入して貯留される貯留空間が形成されたケーシングと、貯留空間のドレンを排出する排出弁と、蒸気を貯留空間に導入する給気弁と、貯留空間の蒸気を排出する排気弁と、貯留空間に配置されたフロートを有し、該フロートが所定低位まで上昇すると排出弁を開弁し、貯留空間の上流側の圧力と下流側の圧力との圧力差によって貯留空間のドレンを排出するトラップ動作と、フロートが所定高位まで上昇すると給気弁を開弁すると共に排気弁を閉弁し、蒸気の圧力によって貯留空間のドレンを排出するポンプ動作とを実行する弁作動機構と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
蒸気を熱交換器に供給し、作動媒体を蒸気化することにより発電を行うバイナリー発電システムにおいて、
前記熱交換器に供給される蒸気の流量を調節する第1温度調節弁と、
前記熱交換器で発生したドレンを回収するドレントラップと、を有し、
前記ドレントラップは、
ドレンが流入して貯留される貯留空間が形成されたケーシングと、
前記貯留空間のドレンを排出する排出弁と、
蒸気を前記貯留空間に導入する給気弁と、
前記貯留空間の蒸気を排出する排気弁と、
前記貯留空間に配置されたフロートを有し、該フロートが所定低位まで上昇すると前記
排出弁を開弁し、前記貯留空間の上流側の圧力と下流側の圧力との圧力差によって前記貯
留空間のドレンを排出するトラップ動作と、前記フロートが所定高位まで上昇すると前記給気弁を開弁すると共に前記排気弁を閉弁し、前記蒸気の圧力によって前記貯留空間のドレンを排出するポンプ動作とを実行する弁作動機構と、
を備えることを特徴とするバイナリー発電システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記熱交換器は、間接熱交換器であり、
さらに、前記間接熱交換器で昇温された温水が流入することにより、作動媒体を蒸気化する蒸発器、
を有することを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
【請求項3】
前記間接熱交換器で昇温された温水の温度が、目標温度範囲に収まるように、前記第1温度調節弁の開度を調節するコントローラ、
を有することを特徴とする請求項2に記載のバイナリー発電システム。
【請求項4】
作動媒体を循環させるための動力を生成する媒体循環ポンプを有し、
前記コントローラは、前記蒸発器で蒸気化された作動媒体の温度が、当該作動媒体の圧力に対応した飽和温度よりも所定温度以上高くなるように、前記媒体循環ポンプの駆動を制御する、
ことを特徴とする請求項3に記載のバイナリー発電システム。
【請求項5】
前記間接熱交換器に流入する温水を予め昇温する顕熱回収器と、
前記ドレントラップから排出されるドレンを前記顕熱回収器に流入させ、前記顕熱回収器から流出したドレンを移送先に向かって送液する主配管と、
前記顕熱回収器の入側に接続された前記主配管から分岐して、前記顕熱回収器の出側に接続された前記主配管にドレンを分岐流入させる分岐配管と、
前記顕熱回収器に流入するドレンの流量を調節する第2温度調節弁と、
を有することを特徴とする請求項3に記載のバイナリー発電システム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記顕熱回収器から前記間接熱交換器に向かう温水の温度が設定値となるように、前記第2温度調節弁の開度を調節する処理を行う、或いはドレンの移送先の要求温度を下回らない条件下で前記顕熱回収器に流入するドレンの流量が最大化されるように、前記第2温度調節弁の開度を調節する処理を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載のバイナリー発電システム。
【請求項7】
作動媒体を循環させるための動力を生成する媒体循環ポンプを有し、
前記コントローラは、前記蒸発器で蒸気化された作動媒体の温度が、当該作動媒体の圧力に対応した飽和温度よりも所定温度以上高くなるように、前記媒体循環ポンプの駆動を制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載のバイナリー発電システム。
【請求項8】
前記蒸発器に流入する作動媒体を予熱する予熱器を有し、
前記コントローラは、前記予熱器から前記蒸発器に向かう作動媒体の温度が設定値となるように、前記第2温度調節弁の開度を調節する処理を行う、或いはドレンの移送先の要求温度を下回らない条件下で前記顕熱回収器に流入するドレンの流量が最大化されるように、前記第2温度調節弁の開度を調節する処理を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載のバイナリー発電システム。
【請求項9】
作動媒体を循環させるための動力を生成する媒体循環ポンプを有し、
前記コントローラは、前記蒸発器で蒸気化された作動媒体の温度が、当該作動媒体の圧力に対応した飽和温度よりも所定温度以上高くなるように、前記媒体循環ポンプの駆動を制御する、
ことを特徴とする請求項8に記載のバイナリー発電システム。
【請求項10】
前記熱交換器は、蒸発器であることを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱源である蒸気により、沸点の低い媒体を加熱・蒸発させ、かかる蒸気でタービンを駆動して発電するバイナリー発電システムに関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
低温の熱源(例えば、地熱)から熱を回収して発電を行うバイナリー発電装置が知られている。このバイナリー発電装置は、低沸点の有機化合物などを作動媒体としており、通常の蒸気タービンを用いた発電装置に比べて低温の熱源であっても発電することができる。
【0003】
バイナリー発電装置のように蒸気を熱源とする発電装置では、蒸発器の内部で蒸気が凝縮してドレン(復水)が発生する。そして、このドレンが排出されずに蒸発器に滞留する現象(ストール現象)が発生する場合がある。すなわち、バイナリー発電では、発電機を安定的に運転するために、蒸発器に向かう蒸気の流量を調節する温度調節弁が設けられている場合があり、かかる温度調節弁を設けることにより、ストール現象が発生する。
ストール現象は、主として以下の要因で発生すると考えられる。
(1)運転開始時など熱負荷が低く、系が安定しないため、蒸気供給量が変動する。
(2)ドレンを排出する配管に目詰まりやスケール付着が起こり、背圧が高くなる。
(3)電力需要の変動、運転時の条件が変更されることにより、蒸気供給量が変動する。
なお、蒸発器における負荷率が所定値を下回ると、ストール現象が発生する。所定値は、蒸発器の容量、運転条件によって変わるため、一義的に定義できないが、例えば、以下の式(1)に基づき、算出することができる。
JPEG
2024129536000002.jpg
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166
ただし、T1:蒸発器に供給する蒸気の飽和温度、T2:ドレントラップ出口の背圧に対応する飽和温度、Tm:蒸発器に供給される熱交換媒体(二次系を流れる媒体)の平均温度である。
【0004】
ストール現象が発生すると、蒸発器における液面レベルが変わり、蒸発器の伝熱面積も変動するため、発電の安定性が損なわれる。また、ウォーターハンマー現象による金属疲労の問題も懸念される。
【0005】
特許文献1には、0.2MPaG以下の圧力の蒸気を熱源として作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した気体の作動媒体を膨張させて回転駆動力を発生する膨張機と、前記膨張機で膨張した気体の作動媒体を液体に凝縮する凝縮器と、前記凝縮器から蒸発器に向って作動媒体を循環させる循環ポンプとを備えるバイナリー発電装置の運転方法であって、前記蒸発器の入側の蒸気圧力を計測する入側蒸気圧力計と、前記蒸発器の出側の蒸気圧力を計測する出側蒸気圧力計と、前記蒸発器内に溜まったドレンを蒸気配管外に強制的に排出する強制ドレン排出手段と、を設けておき、前記出側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力P

が、入側蒸気圧力計で計測された蒸気圧力P

より大きくなった場合に、前記強制ドレン排出手段を作動させることを特徴とするバイナリー発電装置の運転方法が開示されている。
【0006】
特許文献2には、熱交換器で発生したドレンが流入するドレントラップにおいて、ドレントラップの貯留空間における水位に応じて、機械的に各種の弁を動作させることにより、ドレンを強制排出するメカニカルポンプが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6173235号
国際公開第2019/069558
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のバイナリー発電装置では、蒸発器の入側及び出側にそれぞれ入側蒸気圧力計及び出側蒸気圧力計を設置するとともに、これらの圧力計の測定結果に基づき、強制ドレン排出手段の動作を制御しているため、強制ドレン排出手段の動作タイミングが遅延し、発電の安定性及び発電効率が損なわれる場合があった。また、蒸気に含まれるスケールが入側蒸気圧力計に付着することにより、強制ドレン排出手段の正常な動作が妨げられるおそれがあった。
さらに、特許文献1のシステムには、温度調整弁が実装されていないため、熱源が変動したときに熱量を制御することが難しい。
【0009】
特許文献2には、メカニカルポンプをバイナリー発電に用いることは開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のバイナリー発電システムは、(1)蒸気を熱交換器に供給し、作動媒体を蒸気化することにより発電を行うバイナリー発電システムにおいて、前記熱交換器に供給される蒸気の流量を調節する第1温度調節弁と、前記熱交換器で発生したドレンを回収するドレントラップと、を有し、前記ドレントラップは、ドレンが流入して貯留される貯留空間が形成されたケーシングと、前記貯留空間のドレンを排出する排出弁と、蒸気を前記貯留空間に導入する給気弁と、前記貯留空間の蒸気を排出する排気弁と、前記貯留空間に配置されたフロートを有し、該フロートが所定低位まで上昇すると前記排出弁を開弁し、前記貯留空間の上流側の圧力と下流側の圧力との圧力差によって前記貯留空間のドレンを排出するトラップ動作と、前記フロートが所定高位まで上昇すると前記給気弁を開弁すると共に前記排気弁を閉弁し、前記蒸気の圧力によって前記貯留空間のドレンを排出するポンプ動作とを実行する弁作動機構と、を備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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