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公開番号2024129258
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038342
出願日2023-03-13
発明の名称ハイブリッド車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60W 20/20 20160101AFI20240919BHJP(車両一般)
要約【課題】クラッチ機構を係合することによってエンジンを停止したEV走行からエンジンを駆動したHV走行に切り替える場合におけるエンジンの始動応答性の向上と、ショックの低減とを両立する。
【解決手段】エンジンと、第1モータと、駆動輪とが差動回転する動力分割機構と、動力分割機構と駆動輪との間に連結された第2モータと、動力分割機構と駆動輪とのトルクの伝達を選択的に遮断するクラッチ機構とを備え、クラッチ機構を解放したEV走行モードを設定している状態で、所定のパラメータが第1所定値を超えて変化した場合に、クラッチ機構の係合を開始し(ステップS4)、所定のパラメータが、第1所定値と所定の差を有する第2所定値を更に超えて変化した場合に、エンジンのトルクを駆動輪に伝達して走行するHV走行モードへの切り替える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンが連結された第1回転要素と、第1モータが連結された第2回転要素と、駆動輪が連結された第3回転要素との少なくとも三つの回転要素が差動回転する動力分割機構と、前記第3回転要素と前記駆動輪との間、または前記駆動輪とは異なる他の駆動輪に連結された第2モータと、前記動力分割機構を介した前記エンジンと前記駆動輪とのトルクの伝達を選択的に遮断するクラッチ機構とを備え、前記クラッチ機構を解放するとともに、前記第2モータから前記駆動輪にトルクを伝達して走行するEV走行モードと、前記クラッチ機構を係合するとともに、前記エンジンから前記駆動輪にトルクを伝達して走行するHV走行モードとを切り替え可能なハイブリッド車両の制御装置であって、
前記クラッチ機構を制御するコントローラを備え、
前記EV走行モードを設定している状態で、所定のパラメータが予め定められた第1所定値を超えて変化した場合に、前記クラッチ機構の係合を開始する係合判定部と、
前記所定のパラメータが、前記第1所定値と所定の差を有する第2所定値を更に超えて変化した場合に、前記EV走行モードから前記HV走行モードへの切り替えを判定するモード判定部と
を備えている
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置であって、
前記第2モータに電力を供給する蓄電装置を更に備え、
前記パラメータは、前記蓄電装置の充電残量を含み、
前記第1所定値は、前記第2所定値よりも高く設定されている
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置であって、
前記ハイブリッド車両が前記EV走行モードにより所定の運転状態で運転した場合に、前記パラメータが前記第1所定値から前記第2所定値まで変化する時間が、前記クラッチ機構を係合するのに要する時間よりも長くなるように、前記所定の差が設定されている
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの動力のみによって走行するEV走行モードと、エンジンとモータとの動力によって走行するHV走行モードとを切り替えることができるハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エンジン、第1モータ、および出力軸が差動回転可能に連結された動力分割機構と、出力軸に連結された第2モータと、動力分割機構における出力要素と出力軸とのトルクの伝達を選択的に遮断するクラッチ機構とを備えたハイブリッド車両の制御装置が記載されている。このハイブリッド車両は、クラッチ機構を解放し、かつ第2モータのみを駆動するEV走行と、クラッチ機構を係合し、かつエンジンおよび第2モータを駆動するシリーズパラレル式走行とを切り替えることができるように構成されている。すなわち、クラッチ機構を解放状態から係合状態に切り替えることにより、EV走行からシリーズパラレル式走行に切り替えるように構成されている。そして、クラッチ機構を制御するための制御装置は、上記のようにEV走行からシリーズパラレル式走行に切り替える場合に、要求駆動力が大きい程、クラッチ機構の係合過渡期における滑り量を大きく設定するように構成されている。また、制御装置は、要求駆動力が大きい程、クラッチ機構を構成する駆動側回転要素と従動側回転要素との差回転数が大きい状態で係合させ始めることができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-126322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたハイブリッド車両の制御装置は、EV走行からシリーズパラレル式走行に切り替える場合に、クラッチ機構の滑り量を次第に低下させてクラッチ機構を完全に係合させるものであるから、EV走行からシリーズパラレル式走行に切り替わるまでには、クラッチ機構を係合させている時間分、不可避的な遅れが生じる。また、例えば、クラッチ機構を係合した状態で、第1モータからトルクを出力することによりエンジンをモータリング(クランキング)する構成の場合には、クラッチ機構を係合した後にエンジンを始動することになり、エンジンの始動応答性が悪化する可能性がある。それに対して、走行モードの切り替えを迅速に行い、またエンジンの始動応答性を向上させるために、クラッチ機構を構成する駆動側回転要素と従動側回転要素との差回転数が大きい状態でクラッチ機構を急激に係合すると、クラッチ機構を係合したことに伴って第1モータの回転数が急変するため、第1モータの回転数の変化率に応じたイナーシャトルクが駆動輪に伝達されて、ショックが発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、クラッチ機構を係合することによってエンジンを停止したEV走行からエンジンを駆動したHV走行に切り替える場合におけるエンジンの始動応答性の向上と、ショックの低減とを両立することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、エンジンが連結された第1回転要素と、第1モータが連結された第2回転要素と、駆動輪が連結された第3回転要素との少なくとも三つの回転要素が差動回転する動力分割機構と、前記第3回転要素と前記駆動輪との間、または前記駆動輪とは異なる他の駆動輪に連結された第2モータと、前記動力分割機構を介した前記エンジンと前記駆動輪とのトルクの伝達を選択的に遮断するクラッチ機構とを備え、前記クラッチ機構を解放するとともに、前記第2モータから前記駆動輪にトルクを伝達して走行するEV走行モードと、前記クラッチ機構を係合するとともに、前記エンジンから前記駆動輪にトルクを伝達して走行するHV走行モードとを切り替え可能なハイブリッド車両の制御装置であって、前記クラッチ機構を制御するコントローラを備え、前記EV走行モードを設定している状態で、所定のパラメータが予め定められた第1所定値を超えて変化した場合に、前記クラッチ機構の係合を開始する係合判定部と、前記所定のパラメータが、前記第1所定値と所定の差を有する第2所定値を更に超えて変化した場合に、前記EV走行モードから前記HV走行モードへの切り替えを判定するモード判定部とを備えていることを特徴としている。
【0007】
本発明においては、前記第2モータに電力を供給する蓄電装置を更に備え、前記パラメータは、前記蓄電装置の充電残量を含み、前記第1所定値は、前記第2所定値よりも高く設定されていてよい。
【0008】
本発明においては、前記ハイブリッド車両が前記EV走行モードにより所定の運転状態で運転した場合に、前記パラメータが前記第1所定値から前記第2所定値まで変化する時間が、前記クラッチ機構を係合するのに要する時間よりも長くなるように、前記所定の差が設定されていてよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クラッチ機構を解放して動力分割機構を介したエンジンと駆動輪とのトルクの伝達を遮断し、かつクラッチ機構の出力側に設けられた第2モータからトルクを出力するEV走行モードを設定している状態で、所定のパラメータが予め定められた第1所定値を超えて変化した場合に、クラッチ機構の係合を開始し、その所定のパラメータが、第1所定値と所定の差を有する第2所定値を更に超えて変化した場合に、EV走行モードから前記HV走行モードへの切り替えを判定する。したがって、HV走行モードへの切り替えが成立する以前にクラッチ機構の係合を開始することができる。その結果、クラッチ機構を係合させる時間を確保することができる。そのため、HV走行モードに切り替えることが判定された後は、エンジンを始動するのみでよく、HV走行モードへの切り替え判定時からエンジンが始動して駆動トルクを発生するまでの時間を短縮すること、つまり、エンジン始動応答性を向上させることができる。また、クラッチ機構を係合させる時間を確保できるため、クラッチ機構を比較的高精度に同期させることができる。その結果、クラッチ機構を係合させた時点でのイナーシャトルクの発生を抑制することができ、クラッチ機構の係合に伴うショックの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施形態におけるハイブリッド車両の一例を説明するためのスケルトン図である。
EV走行モードからHV走行モードへの切り替え過渡期におけるエンジン、第1モータ、および出力ギヤの回転数の変化を説明するための共線図であり、(a)はEV走行モード時、(b)はクラッチ機構の同期過渡期、(c)はクラッチ機構の係合時、(d)はエンジン始動時を示す共線図である。
本発明の実施形態における制御装置によって実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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