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公開番号2024129188
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038218
出願日2023-03-13
発明の名称地下水諸元推定システム
出願人国際航業株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類E02D 1/06 20060101AFI20240919BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち現地で実測して得られた地下水位を用いることなく、空間区分ごとに涵養量や透水係数を推定することができる地下水諸元推定システムを提供することである。
【解決手段】本願発明の地下水諸元推定システムは、対象領域の地下水に関する諸元を推定するシステムであり、河道抽出手段と湧水点抽出手段、地下水面高設定手段、空間区分分類手段、推計量レンジ設定手段、検証地点設定手段、検証水位算出手段、推計水位算出手段を備えたものである。区分涵養量レンジ内で涵養量を変えながら繰り返し推計水位を求めるとともに、設定した検証水位に最も近い推計水位に係る涵養量を空間区分の区分涵養量として決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象領域の地下水に関する諸元を推定するシステムであって、
前記対象領域の3次元地形モデルに基づいて河道を抽出する河道抽出手段と、
前記河道に基づいて湧水点を抽出する湧水点抽出手段と、
前記湧水点の標高に基づいて、前記対象領域の地下水面の高さである地下水面高を設定する地下水面高設定手段と、
前記3次元地形モデルから得られる地形と、地質情報と、に基づいて前記対象領域を複数種類の空間区分に分類する空間区分分類手段と、
前記空間区分ごとに、涵養量の下限値と上限値からなる区分涵養量レンジを設定する推計量レンジ設定手段と、
前記対象領域の範囲内にある検証地点を設定する検証地点設定手段と、
前記地下水面高設定手段によって推定された前記地下水面高に基づいて、前記検証地点における地下水の高さである検証水位を求める検証水位算出手段と、
前記空間区分ごとの涵養量に基づいて、前記検証地点における地下水の高さである推計水位を求める推計水位算出手段と、を備え、
前記区分涵養量レンジ内で涵養量を変えながら繰り返し前記推計水位を求めるとともに、前記検証水位に最も近い該推計水位に係る涵養量を前記空間区分の区分涵養量として決定する、
ことを特徴とする地下水諸元推定システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
対象領域の地下水に関する諸元を推定するシステムであって、
前記対象領域の3次元地形モデルに基づいて河道を抽出する河道抽出手段と、
前記河道に基づいて湧水点を抽出する湧水点抽出手段と、
前記湧水点の標高に基づいて、前記対象領域の地下水面の高さである地下水面高を設定する地下水面高設定手段と、
前記3次元地形モデルから得られる地形と、地質情報と、に基づいて前記対象領域を複数種類の空間区分に分類する空間区分分類手段と、
前記空間区分ごとに、透水係数の下限値と上限値からなる区分透水係数レンジを設定する推計量レンジ設定手段と、
前記対象領域の範囲内にある検証地点を設定する検証地点設定手段と、
前記地下水面高設定手段によって推定された前記地下水面高に基づいて、前記検証地点における地下水の高さである検証水位を求める検証水位算出手段と、
前記空間区分ごとの透水係数に基づいて、前記検証地点における地下水の高さである推計水位を求める推計水位算出手段と、を備え、
前記区分透水係数レンジ内で透水係数を変えながら繰り返し前記推計水位を求めるとともに、前記検証水位に最も近い該推計水位に係る透水係数を前記空間区分の区分透水係数として決定する、
ことを特徴とする地下水諸元推定システム。
【請求項3】
対象領域の地下水に関する諸元を推定するシステムであって、
前記対象領域の3次元地形モデルに基づいて河道を抽出する河道抽出手段と、
前記河道に基づいて湧水点を抽出する湧水点抽出手段と、
前記湧水点の標高に基づいて、前記対象領域の地下水面の高さである地下水面高を設定する地下水面高設定手段と、
前記3次元地形モデルから得られる地形と、地質情報と、に基づいて前記対象領域を複数種類の空間区分に分類する空間区分分類手段と、
前記空間区分ごとに、涵養量の下限値と上限値からなる区分涵養量レンジ、及び透水係数の下限値と上限値からなる区分透水係数レンジを設定する推計量レンジ設定手段と、
前記対象領域の範囲内にある検証地点を設定する検証地点設定手段と、
前記地下水面高設定手段によって推定された前記地下水面高に基づいて、前記検証地点における地下水の高さである検証水位を求める検証水位算出手段と、
前記空間区分ごとの涵養量と透水係数の組合せに基づいて、前記検証地点における地下水の高さである推計水位を求める推計水位算出手段と、を備え、
前記区涵養量レンジ、及び前記区分透水係数レンジ内で涵養量と透水係数の組合せを変えながら繰り返し前記推計水位を求めるとともに、前記検証水位に最も近い該推計水位に係る涵養量と透水係数の組合せを前記空間区分の区分涵養量、及び区分透水係数として決定する、
ことを特徴とする地下水諸元推定システム。
【請求項4】
前記湧水点抽出手段は、前記河道のうち同じ次数の水流どうしの交点を前記湧水点として抽出する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地下水諸元推定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、涵養量や透水係数といった地下水に関する諸元の推定に関する技術であり、より具体的には、現地で測定された各種測定値を用いることなく空間区分(地形や地質に応じた区分)ごとに涵養量や透水係数を推定することができる地下水諸元推定システムに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地下水の利用に対する関心が高まっている。例えば、平成27年7月に閣議決定された水循環基本計画では、地下水マネジメントによる「災害時の地下水利用」の推進が示されている。また、世界的な取り組みとも言える「持続可能な開発目標(いわゆるSDGs)」では、過度な地下水くみ上げによる水不足が問題視される一方で、積極的な地下水の利用も唱えられている。
【0003】
地下水を利用するためには、その地域でどの程度の地下水が賦存されているか、すなわち地下水賦存量の増減に大きく関わる地下水涵養量を把握することが重要になる。ところが、地下水涵養量を把握する場合、対象領域が広大となるケースが多く、ボーリング等によって地下水に係る情報を把握することは現実的ではないうえ、地下水涵養量を直接的に把握できるものでもない。そのため解析等によって地下水涵養量を推定することとなるが、地下水は地形や地質といった地域特性が大きく影響するうえ、このような影響を勘案したうえで地下水涵養量を推定することは容易ではない。
【0004】
そこで、地下水の状況を把握するための技術がこれまで数多く提案されている。例えば特許文献1では、水資源の循環状態がモデル化された分布型水循環モデルを用い、各メッシュに対応する水資源の収支に関する水収支算定値を取得するとともに、この水収支算定値と各メッシュの位置情報に基づいて地点毎の水資源の循環状態を推定する技術について提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-117715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したとおり、対象領域を全体的に網羅するようにボーリング等を実施して地下水涵養量を把握するのは現実的ではない。そのため、解析等によって地下水涵養量を推定することとなるが、このような解析を行う上では検証用としての地下水位が必要となる。そして、検証用の地下水位を得るためには、少ない数ではあっても現地にて実際に地下水位を測定しているのが実情である。しかしながら、少数とはいえども現地に赴いて実測するには相当のコストがかかるし、場合によってはそもそも現地に到達できないケースも想定される。
【0007】
本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち現地で実測して得られた地下水位を用いることなく、空間区分ごとに涵養量や透水係数を推定することができる地下水諸元推定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、対象領域の地下水面高(地下水面の高さ)を設定し、この地下水面高を検証用の地下水位としたうえで空間区分ごとに涵養量や透水係数を推定する、という点に着目したものであり、従来にはなかった発想に基づいてなされた発明である。
【0009】
本願発明の地下水諸元推定システムは、対象領域の地下水に関する諸元を推定するシステムであり、河道抽出手段と湧水点抽出手段、地下水面高設定手段、空間区分分類手段、推計量レンジ設定手段、検証地点設定手段、検証水位算出手段、推計水位算出手段を備えたものである。このうち河道抽出手段は、対象領域の3次元地形モデルに基づいて河道を抽出する手段であり、湧水点抽出手段は、河道に基づいて湧水点を抽出する手段であり、地下水面高設定手段は、湧水点の標高に基づいて地下水面高(対象領域の地下水面の高さ)を設定する手段である。また空間区分分類手段は、地形(3次元地形モデルから得られる)と地質情報に基づいて対象領域を複数種類の空間区分に分類する手段であり、推計量レンジ設定手段は、空間区分ごとに区分涵養量レンジ(涵養量の下限値と上限値からなる範囲)を設定する手段であり、検証地点設定手段は、対象領域の範囲内にある検証地点を設定する手段である。検証水位算出手段は、地下水面高設定手段によって推定された地下水面高に基づいて検証水位(検証地点における地下水の高さ)を求める手段であり、推計水位算出手段は、空間区分ごとの涵養量に基づいて推計水位(検証地点における地下水の高さ)を求める手段である。そして、区分涵養量レンジ内で涵養量を変えながら繰り返し推計水位を求めるとともに、検証水位に最も近い推計水位に係る涵養量を空間区分の区分涵養量として決定する。
【0010】
本願発明の地下水諸元推定システムは、区分涵養量に代えて区分透水係数を決定するものとすることもできる。この場合、推計量レンジ設定手段は、透水係数の下限値と上限値からなる区分涵養量レンジを設定する。そして、区分透水係数レンジ内で透水係数を変えながら繰り返し推計水位を求めるとともに、検証水位に最も近い推計水位に係る透水係数を空間区分の区分透水係数として決定する。
(【0011】以降は省略されています)

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