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公開番号2024128553
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037568
出願日2023-03-10
発明の名称車両用駆動装置
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類B60W 20/15 20160101AFI20240913BHJP(車両一般)
要約【課題】車両減速中に内燃機関を停止させることなく回転電機による発電量を確保すると共に内燃機関の燃料消費を少なく抑えてエネルギ効率のよい車両用駆動装置を実現する。
【解決手段】第1分配用回転要素Sが入力部材に駆動連結された分配用差動歯車機構の3つの回転要素のうちから選択される2つの間の動力伝達を断接する第1係合装置C1が解放状態であって内燃機関EGが入力部材を回転駆動すると共に回転電機MGが第3分配用回転要素Rを回転駆動する差動モードeTCで、出力部材の回転速度Wcaが低下しており、且つ、回転電機MGによる発電が要求される状況である場合には、制御装置が、差動モードeTCで第1分配用回転要素Sの回転速度をフューエルカット下限回転速度Wfc以上に維持しつつ、回転電機MGに発電させるように、回転電機MGの回転速度及びトルクを制御する減速中回生制御を実行する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関に駆動連結される入力部材と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
ロータを備えた回転電機と、
前記入力部材及び前記回転電機と前記出力部材との間の動力伝達経路に設けられ、回転速度の順に、第1分配用回転要素、第2分配用回転要素、及び第3分配用回転要素を備え、前記第1分配用回転要素が前記入力部材に駆動連結され、前記第3分配用回転要素が前記ロータに駆動連結された分配用差動歯車機構と、
前記第1分配用回転要素、前記第2分配用回転要素、及び前記第3分配用回転要素の3つの回転要素のうちから選択される2つの間の動力伝達を断接する第1係合装置と、
前記内燃機関、前記回転電機、及び前記第1係合装置を制御する制御装置と、を備えた車両用駆動装置であって、
前記第1係合装置が解放状態であって前記内燃機関が前記入力部材を回転駆動すると共に前記回転電機が前記第3分配用回転要素を回転駆動する動作モードを差動モードとし、
前記内燃機関への燃料供給を遮断するフューエルカット状態が実施可能な前記内燃機関の回転速度の下限値に対応する前記第1分配用回転要素の回転速度をフューエルカット下限回転速度として、
前記制御装置は、前記差動モードで前記出力部材の回転速度が低下しており、且つ、前記回転電機による発電が要求される状況である場合には、前記第1分配用回転要素の回転速度を前記フューエルカット下限回転速度以上に維持しつつ、前記回転電機に発電させるように、前記回転電機の回転速度及びトルクを制御する減速中回生制御を実行する、車両用駆動装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記車輪が車両を前進させる側に回転している状態で前記第2分配用回転要素が回転する側を正回転側とし、その反対側を負回転側として、
前記制御装置は、前記減速中回生制御の実行中であって、前記正回転側に回転している前記第2分配用回転要素の回転速度が前記フューエルカット下限回転速度より低い場合には、前記第3分配用回転要素の回転速度を前記第2分配用回転要素の回転速度よりも低くすると共に、前記回転電機が前記正回転側に回転している状態で前記回転電機に負トルクを発生させる、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記車輪が車両を前進させる側に回転している状態で前記第2分配用回転要素が回転する側を正回転側とし、その反対側を負回転側として、
前記制御装置は、
前記減速中回生制御の実行中であって、前記正回転側に回転している前記第2分配用回転要素の回転速度が前記フューエルカット下限回転速度より高い場合には、前記第3分配用回転要素の回転速度を前記第2分配用回転要素の回転速度よりも高くすると共に、前記回転電機が前記正回転側に回転している状態で前記回転電機に負トルクを発生させ、
前記出力部材の回転速度を低下させる要求である減速要求の減速度が、前記フューエルカット状態で前記内燃機関が動作することによって生じるエンジンブレーキ制動力による減速度に対応する大きさを超える場合には、前記内燃機関及び前記回転電機からの駆動力が前記出力部材に伝達される動作モードであるパラレルモードを選択し、
前記減速要求の減速度が前記エンジンブレーキ制動力による減速度に対応する大きさである場合には、前記差動モードを選択する、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記減速中回生制御の実行中、前記第1分配用回転要素の回転速度を前記フューエルカット下限回転速度以上に維持したままでは前記回転電機が発電できなくなった場合に、前記減速中回生制御を終了する、請求項1から3の何れか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記分配用差動歯車機構と前記出力部材との間の動力伝達経路に設けられ、前記分配用差動歯車機構と前記出力部材との間の動力伝達を断接する第2係合装置をさらに備え、
前記第1係合装置が係合状態且つ前記第2係合装置が解放状態であって前記内燃機関の駆動力を前記回転電機に伝達して前記回転電機に発電させる動作モードをシリーズモードとして、
前記制御装置は、前記差動モードにおいて前記第2分配用回転要素の回転速度と前記第3分配用回転要素の回転速度との差回転が予め定められた同期しきい値以下となった状態で、前記第1係合装置を係合状態とし、前記第2係合装置を解放状態とすることで、前記シリーズモードに移行させる、請求項1から3の何れか一項に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許第3047792号公報には、回転電機と、内燃機関と、分配用差動歯車機構とを備えた車両用駆動装置が開示されている。分配用差動歯車機構は、第1分配用回転要素、第2分配用回転要素、及び第3分配用回転要素を備え、第1分配用回転要素が内燃機関に駆動連結される入力部材に駆動連結され、第3分配用回転要素が回転電機のロータに駆動連結されている。この車両用駆動装置を制御する制御装置は、車両が減速する際に、回生制動が要求されている場合や、シフトレバーによる操作レンジ等に基づいてエンジンブレーキ相当の制動力が要求されているような場合には、内燃機関を停止させて回転電機を発電モードで動作させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3047792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、減速時に内燃機関を停止させた場合、減速後の加速や、減速して停止した後の発進を迅速に行うには、回転電機の駆動力を用いることになる。しかし、蓄電装置の蓄電量が少ない、いわゆるSOC(State of Charge)が低い場合など、蓄電装置からの電力の持ち出し量が増えることが好ましくない場合もある。回生制動や、回転電機のロータを用いた制動力を実現しながら、内燃機関を駆動しておくと、減速後の加速や、減速して停止した後の発進において内燃機関の駆動力を用いることができ、蓄電装置からの電力の持ち出し量を少なく抑えることができる。但し、この場合に、分配用差動歯車機構と内燃機関とを切り離し、内燃機関をアイドル回転で駆動すると、燃料を消費して燃費を悪化させるおそれがある。
【0005】
上記背景に鑑みて、車両が減速中に内燃機関を停止させることなく回転電機による発電量を確保すると共に内燃機関の燃料消費を少なく抑えてエネルギ効率のよい車両用駆動装置を実現することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた車両用駆動装置は、内燃機関に駆動連結される入力部材と、車輪に駆動連結される出力部材と、ロータを備えた回転電機と、前記入力部材及び前記回転電機と前記出力部材との間の動力伝達経路に設けられ、回転速度の順に、第1分配用回転要素、第2分配用回転要素、及び第3分配用回転要素を備え、前記第1分配用回転要素が前記入力部材に駆動連結され、前記第3分配用回転要素が前記ロータに駆動連結された分配用差動歯車機構と、前記入力部材及び前記回転電機と前記出力部材との間の動力伝達経路に設けられ、前記第1分配用回転要素、前記第2分配用回転要素、及び前記第3分配用回転要素の3つの回転要素のうちから選択される2つの間の動力伝達を断接する第1係合装置と、前記内燃機関、前記回転電機、及び前記第1係合装置を制御する制御装置と、を備えた車両用駆動装置であって、前記第1係合装置が解放状態であって前記内燃機関が前記入力部材を回転駆動すると共に前記回転電機が前記第3分配用回転要素を回転駆動する動作モードを差動モードとし、前記内燃機関への燃料供給を遮断するフューエルカット状態が実施可能な前記内燃機関の回転速度の下限値に対応する前記第1分配用回転要素の回転速度をフューエルカット下限回転速度として、前記制御装置は、前記差動モードで前記出力部材の回転速度が低下しており、且つ、前記回転電機による発電が要求される状況である場合には、前記第1分配用回転要素の回転速度を前記フューエルカット下限回転速度以上に維持しつつ、前記回転電機に発電させるように、前記回転電機の回転速度及びトルクを制御する減速中回生制御を実行する。
【0007】
本構成によれば、車両の減速中に内燃機関を停止させることなく回転電機の回生電力量を多く確保し易い。また、この際、内燃機関をフューエルカットが可能な回転速度に維持することができるため、内燃機関における燃料消費も少なく抑えることができる。従って、エネルギ効率の高い車両用駆動装置を実現できる。即ち、本構成によれば、車両が減速中に内燃機関を停止させることなく回転電機による発電量を確保すると共に内燃機関の燃料消費を少なく抑えてエネルギ効率のよい車両用駆動装置を実現することができる。
【0008】
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
車両用駆動装置の一例を示すスケルトン図
車両用駆動装置の模式的制御ブロック図
回転電機の動作状態の区分を示す図
減速中回生制御の第1の例を示すタイムチャート
減速中回生制御の第1の例を示すフローチャート
減速中回生制御の第2の例を示すタイムチャート
減速中回生制御の第2の例を示すフローチャート
減速中回生制御の第3の例を示すタイムチャート
減速中回生制御の第3の例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、車両用駆動装置の実施形態を図面も参照して説明する。本明細書において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。尚、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。ただし、遊星歯車機構の各回転要素について「駆動連結」という場合には、遊星歯車機構における複数の回転要素が、互いに他の回転要素を介することなく連結されている状態を指すものとする。
(【0011】以降は省略されています)

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