TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024128351
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037283
出願日2023-03-10
発明の名称肝細胞からなるスフェロイドの品質評価方法
出願人株式会社SCREENホールディングス,株式会社サイフューズ
代理人個人
主分類C12Q 1/06 20060101AFI20240913BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞に染色等の加工を行うことなく、非侵襲で、バイオ3Dプリンタに使用されるスフェロイドの局在領域を観察しスフェロイドの状態を評価できる方法を提供する。
【解決手段】まず、複数種の肝臓由来細胞を三次元培養したスフェロイドを光干渉断層撮影により撮影し(画像取得工程)、撮影画像から局在領域を抽出し(領域抽出工程)、局在領域を解析し(解析工程)、スフェロイドの状態を評価する(評価工程)。解析工程は、撮影画像におけるスフェロイド全体の面積を算出する第1算出工程(S41)と、局在領域の面積を算出する第2算出工程(S42)と、2つの面積に基づいて局在領域の割合を算出する第3算出工程(S43)と、当該割合に基づいて評価パラメータを算出する第4算出工程(S44)とを有する。このような評価パラメータを用いれば、非侵襲で、スフェロイドの評価を行うことができる。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
バイオ3Dプリンタに使用されるスフェロイドの評価方法であって、
前記スフェロイドは、肝細胞を含む複数種の肝臓由来細胞を含むスフェロイドであり、
光干渉断層撮影により前記スフェロイドを撮影して、撮影画像を取得する画像取得工程と、
前記撮影画像から、一種類の細胞が局在する局在領域を抽出する領域抽出工程と、
前記局在領域を解析する解析工程と、
前記スフェロイドの状態を評価する評価工程と、
を有し、
前記解析工程は、
前記撮影画像における、前記スフェロイド全体の面積を算出する第1算出工程と、
前記撮影画像における、前記局在領域の面積を算出する第2算出工程と、
前記スフェロイド全体の面積と、前記局在領域の面積とに基づいて、前記局在領域の割合を算出する第3算出工程と、
前記局在領域の割合に基づいて、評価パラメータを算出する第4算出工程と、
を有する、評価方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の評価方法であって、
前記評価工程は、
前記評価パラメータに基づいて前記スフェロイドの良否判定を行う判定工程
を含む、評価方法。
【請求項3】
請求項1に記載の評価方法であって、
前記評価パラメータは、前記スフェロイドにおける、所定のタンパク質の分泌量の推定値である、評価方法。
【請求項4】
請求項3に記載の評価方法であって、
前記評価パラメータは、前記スフェロイドにおける、CYP3A4の酵素活性の推定値である、評価方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の評価方法であって、
前記領域抽出工程は、
前記撮影画像から、前記スフェロイドに相当する全体領域を抽出する第1抽出工程と、
前記全体領域のうち、輝度値が所定の閾値よりも高い高輝度領域を抽出する第2抽出工程と、
前記全体領域から、前記高輝度領域および前記高輝度領域よりも内側の領域を除いた残りの領域を、前記局在領域として抽出する第3抽出工程と、
を有する、評価方法。
【請求項6】
バイオ3Dプリンタに使用されるスフェロイドの評価方法であって、
前記スフェロイドは、肝細胞を含む複数種の肝臓由来細胞を含むスフェロイドであり、
光干渉断層撮影により前記スフェロイドを撮影した撮影画像を入力情報とし、一種類の細胞が局在する局在領域を出力情報とする学習モデルを、深層学習により作成する学習工程と、
光干渉断層撮影により前記スフェロイドを撮影して、撮影画像を取得する画像取得工程と、
前記撮影画像を、前記学習モデルに入力して、前記学習モデルから出力される前記局在領域を得る領域抽出工程と、
前記局在領域を解析する解析工程と、
前記スフェロイドの状態を評価する評価工程と、
を有し、
前記解析工程は、
前記撮影画像における、前記スフェロイド全体の面積を算出する第1算出工程と、
前記撮影画像における、前記局在領域の面積を算出する第2算出工程と、
前記スフェロイド全体の面積と、前記局在領域の面積とに基づいて、前記局在領域の割合を算出する第3算出工程と、
前記局在領域の割合に基づいて、評価パラメータを算出する第4算出工程と、
を有する、評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スフェロイドの評価方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、複数の細胞により構成される生体試料を光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography;OCT)により撮影し、得られた断層画像に基づいて、生体試料を観察する観察装置が知られている。従来の観察装置については、例えば特許文献1に記載されている。この種の観察装置を使用すれば、生体試料の立体構造を非侵襲で観察することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-181348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スフェロイド等の生体試料は、他の部分と細胞の状態が異なる特異部を有する場合がある。例えば、複数種類の細胞を組み合わせてスフェロイドなどの生体試料を作成する場合、一部の種類の細胞が生体試料の外側または内側に局在する場合がある。また、幹細胞とそれ以外の種類の細胞を含むスフェロイドなどの生体試料においては、分化した細胞が生体試料の一部分に局在する場合もある。生体試料の品質管理を行う上で、これらの特異部を観察することは、極めて重要である。
【0005】
従来、スフェロイドの局在領域のような特異部を観察する方法としては、蛍光試薬を用いて観察対象の切片を染色する方法が知られている。しかしながら、この方法によれば観察対象がダメージを受ける。このため、生体試料の特異部を、ダメージを与えず自然な状態のまま観察する技術が求められている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、非侵襲でもスフェロイドの状態を評価できる評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、スフェロイドの評価方法であって、前記スフェロイドは、肝細胞を含む複数種の肝臓由来細胞を含むスフェロイドであり、光干渉断層撮影により前記スフェロイドを撮影して、撮影画像を取得する画像取得工程と、前記撮影画像から、一種類の細胞が局在する局在領域を抽出する領域抽出工程と、前記局在領域を解析する解析工程と、前記スフェロイドの状態を評価する評価工程と、を有し、前記解析工程は、前記撮影画像における、前記スフェロイド全体の面積を算出する第1算出工程と、前記撮影画像における、前記局在領域の面積を算出する第2算出工程と、前記スフェロイド全体の面積と、前記局在領域の面積とに基づいて、前記局在領域の割合を算出する第3算出工程と、前記局在領域の割合に基づいて、評価パラメータを算出する第4算出工程と、を有する。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の評価方法であって、前記評価工程は、前記評価パラメータに基づいて前記スフェロイドの良否判定を行う判定工程を含む。
【0009】
本願の第3発明は、第1発明の評価方法であって、前記評価パラメータは、前記スフェロイドにおける、所定のタンパク質の分泌量の推定値である。
【0010】
本願の第4発明は、第3発明の評価方法であって、前記評価パラメータは、前記スフェロイドにおける、CYP3A4の酵素活性の推定値である、評価方法。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
菊川深蒸し茶わり
11日前
杏林製薬株式会社
PCR用溶液
2か月前
花王株式会社
培養挙動予測方法
3か月前
杏林製薬株式会社
核酸検出用PCR溶液
2か月前
国立大学法人大阪大学
組成物
27日前
株式会社島津製作所
溶血試薬
1か月前
テルモ株式会社
多段培養容器
25日前
株式会社明治
細菌の検出方法
1か月前
株式会社シバタ
微生物培養用の交換装置
1か月前
東洋紡株式会社
マウス組換え抗体の生産性向上
10日前
花王株式会社
発酵生産プロセス支援方法
3か月前
学校法人麻布獣医学園
ブタ心臓組織標本
1か月前
個人
培養システム
2か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質
2か月前
本田技研工業株式会社
培養装置
1か月前
株式会社豊田中央研究所
材料評価方法
1か月前
イチビキ株式会社
下痢・軟便の予防・軽減素材
2か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
1か月前
東ソー株式会社
多能性幹細胞由来細胞集団の製造方法
2か月前
本田技研工業株式会社
培養システム
1か月前
テルモ株式会社
濾過装置および濾過方法
3か月前
長谷川香料株式会社
ビールテイスト飲料用香味改善剤
3か月前
本田技研工業株式会社
藻類回収装置
1か月前
長谷川香料株式会社
アルコール飲料用香味改善組成物
3か月前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
2か月前
テルモ株式会社
サンプリングキット
1か月前
ヤマモリ株式会社
γ-アミノ酪酸含有発酵液の製造方法
1か月前
国立大学法人大阪大学
新規ポリヌクレオチド
28日前
サッポロビール株式会社
ビールテイスト飲料
3か月前
花王株式会社
リパーゼ変異体
28日前
国立大学法人山梨大学
キメラタンパク質
10日前
花王株式会社
リパーゼ変異体
28日前
加藤嘉八郎酒造株式会社
清酒の製造方法、および清酒
2か月前
三洋化成工業株式会社
培地及び培地を用いる細胞の培養方法
3か月前
アサヒビール株式会社
ビール様発泡性飲料
2か月前
タカラバイオ株式会社
変異型SARS-CoV-2の検出方法
2か月前
続きを見る