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公開番号2024127129
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036046
出願日2023-03-08
発明の名称多孔質粒子、液体クロマトグラフィー担体、液体クロマトグラフィー装置、および生体高分子の分離精製方法
出願人JNC株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類B01J 20/282 20060101AFI20240912BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】充填剤をカラムに充填した従来の装置を用いて、高処理速度でのバイオ医薬品などの精製を行うための技術を提供すること。
【解決手段】多孔質粒子であって、略球状で、三次元ネットワーク状の骨格とその空隙からなる連通孔構造を有しており、かつ前記連通孔が粒子表面から内部にかけて貫通しており、前記多孔質粒子を内径0.78cm、長さ30cmのカラムに充填して、純水を移動相として、カラム温度25℃および流量0.4mL/分で、粒子径100nmのシリカ微粒子を5mg/mL含むスラリーを通液したときの、前記シリカ微粒子の保持時間が15.0分以上であることを特徴とする、多孔質粒子。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質粒子であって、
略球状で、三次元ネットワーク状の骨格とその空隙からなる連通孔構造を有しており、かつ前記連通孔が粒子表面から内部にかけて貫通しており、
前記多孔質粒子を内径0.78cm、長さ30cmのカラムに充填して、純水を移動相として、カラム温度25℃および流量0.4mL/分で、粒子径100nmのシリカ微粒子を5mg/mL含むスラリーを通液したときの、前記シリカ微粒子の保持時間が15.0分以上であることを特徴とする、多孔質粒子。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
細孔径が650nm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の多孔質粒子。
【請求項3】
リガンドにより修飾された多孔質粒子であって、
略球状で、三次元ネットワーク状の骨格とその空隙からなる連通孔構造を有しており、かつ前記連通孔が粒子表面から内部にかけて貫通しており、
細孔径が400nm以上であることを特徴とする、多孔質粒子。
【請求項4】
主成分が酢酸セルロースまたはセルロースである、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質粒子。
【請求項5】
メジアン径が40~200μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質粒子。
【請求項6】
BET多点法による比表面積が1~200m

/gである、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質粒子。
【請求項7】
請求項1または2に記載の多孔質粒子に対して、リガンド修飾した、請求項1または2に記載の多孔質粒子。
【請求項8】
前記リガンドがイオン交換基を含むリガンド、アフィニティーリガンド、および疎水性基を含むリガンドからなる群から選択される一以上である、請求項7に記載の多孔質粒子。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質粒子を含む、液体クロマトグラフィー担体。
【請求項10】
請求項9に記載の液体クロマトグラフィー担体を充填した分離カラムを含む、液体クロマトグラフィー装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大孔径の多孔質粒子、およびこれを用いた高処理速度でのクロマトグラフィー技術に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
バイオ医薬品などの分離・精製に用いるクロマトグラフィーにおいて、多孔質粒子は大きな表面積を持つことから結合容量が高い材料として利用されてきた。近年では、多孔質粒子の細孔を連続孔にすることで粒子内部の連通孔の空隙も吸着サイトとして利用できるようにする取り組みが行われている(特許文献1、2、3)。また、従来の多孔質粒子が抗体、タンパク質、核酸等の通常5~10nmの範囲のサイズの生体分子の分離のために最適化しているのに対し、ウイルス等のより大きな粒子の結合容量を大きくするために、多孔質粒子の細孔径を大きくすることで細孔内に大きな粒子が吸着できるようにする取り組みが行われている(特許文献4)。
【0003】
近年ではバイオ医薬品などの生産性向上のために、単位時間当たりに目的物質を結合させる能力が注目されるようになっている。この能力は、単位体積当たり、単位時間あたりに結合される目的物質量(mg/mL/min))で表され、分離・精製に用いるクロマトグラフィー吸着材料を少なくすること及び/又は分離・精製に要する時間を短くすることにつながる。従来の多孔質粒子への結合には目的物質の粒子の孔内への拡散が律速となることから、特に、滞留時間が1分を下回るような高処理速度では、粒子を充填したカラムへの滞留時間を短くするために流速を上げると、目的物質の粒子への結合容量が顕著に低下するため、流速の向上が生産性向上につながらないという問題がある。このような高処理速度での結合容量低下問題を解決する方法として、多孔質粒子の代わりにメンブレンやモノリス、ファイバーを使用したクロマトグラフィー精製法が知られている。こうした材料では広く開いた繊維の間を液が通過するため拡散律速になりにくく、結合容量の流速依存性を小さくできるという特徴がある。しかしながら、メンブレンやモノリス、ファイバーは従来用いられてきたカラムに充填することができず、専用の容器が必要であるという問題がある。また、メンブレンやモノリス、ファイバーを用いると、閉塞した際に急激に圧力が上昇してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/013568号
国際公開第2017/026424号
特開2020-026511号公報
特表2022-515769号公報
国際公開第2015/029790号
【非特許文献】
【0005】
W.M. Deen, F.G. Smith III, J. Membr. Sci. 1982, 12, 217-237
P DePhillips , A M Lenhoff , J Chromatogr A. 2000, 883, 39-54
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り、バイオ医薬品などの分離・精製効率の向上のために、単位体積当たり、単
位時間あたりに結合される目的物質量(生産性)を向上させると同時に、従来の設備である充填カラムを活用することができ、閉塞のリスクが小さい精製法が求められる。
【0007】
そこで本発明は、充填剤をカラムに充填した従来の装置を用いて、高処理速度でのバイオ医薬品などの精製を行うための技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、三次元ネットワーク状の骨格とその空隙からなる特定の連通孔構造を有し、かつ比較的大きな連通孔を有する多孔質粒子を見出し、この多孔質粒子をクロマトグラフィー担体として用いることで、高流速条件であっても高い吸着量を維持できることを見出したことにより、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]多孔質粒子であって、
略球状で、三次元ネットワーク状の骨格とその空隙からなる連通孔構造を有しており、かつ前記連通孔が粒子表面から内部にかけて貫通しており、
前記多孔質粒子を内径0.78cm、長さ30cmのカラムに充填して、純水を移動相として、カラム温度25℃および流量0.4mL/分で、粒子径100nmのシリカ微粒子を5mg/mL含むスラリーを通液したときの、前記シリカ微粒子の保持時間が15.0分以上であることを特徴とする、多孔質粒子。
[2]細孔径が650nm以上であることを特徴とする、[1]に記載の多孔質粒子。
[3]リガンドにより修飾された多孔質粒子であって、
略球状で、三次元ネットワーク状の骨格とその空隙からなる連通孔構造を有しており、かつ前記連通孔が粒子表面から内部にかけて貫通しており、
細孔径が400nm以上であることを特徴とする、多孔質粒子。
[4]主成分が酢酸セルロースまたはセルロースである、[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質粒子。
[5]メジアン径が40~200μmである、[1]~[4]のいずれかに記載の多孔質粒子。
[6]BET多点法による比表面積が1~200m

/gである、[1]~[5]のいずれかに記載の多孔質粒子。
[7][1]または[2]に記載の多孔質粒子に対して、リガンド修飾した、[1]、[2]および[4]~[6]のいずれかに記載の多孔質粒子。
[8]前記リガンドがイオン交換基を含むリガンド、アフィニティーリガンド、および疎水性基を含むリガンドからなる群から選択される一以上である、[3]または[7]に記載の多孔質粒子。
[9][1]~[8]のいずれかに記載の多孔質粒子を含む、液体クロマトグラフィー担体。
[10][9]に記載の液体クロマトグラフィー担体を充填した分離カラムを含む、液体クロマトグラフィー装置。
[11]生体高分子の分離精製方法であって、
[10]に記載の液体クロマトグラフィー装置を用いて生体高分子を分離精製する工程を含む、分離精製方法。
[12]前記生体高分子の大きさが1~100nmである、[11]に記載の分離精製方法。
[13]前記生体高分子が抗体である、[11]または[12]に記載の分離精製方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生体高分子などの目的物質の分離・精製の際に、高流速条件であって
も大きな吸着容量を達成できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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