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公開番号2024126927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035691
出願日2023-03-08
発明の名称型枠の耐久性評価方法
出願人清水建設株式会社,東洋アルミニウム株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類B28B 7/38 20060101AFI20240912BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約【課題】耐久性評価を短時間で簡易かつ高精度に行える型枠の耐久性評価方法を提供する。
【解決手段】型枠本体と、前記型枠本体の型枠表面に設けられた撥水層とを備えるコンクリート成形用の型枠における前記撥水層の耐久性を評価する方法であって、前記型枠からなる試験体の試験面に対して所定距離からシャワー状に噴射した所定流量の水を所定時間継続して衝突させる衝突ステップS1と、その後、前記試験面に付着した水滴を除去し、水平に対して所定角度だけ傾斜して上向きに配置した前記試験面に対して所定高さから水滴を自由落下させた後の前記試験面における前記水滴の動きに基づいて、前記試験面の耐久性を評価する評価ステップS2、S3とを有するようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
型枠本体と、前記型枠本体の型枠表面に設けられた撥水層とを備えるコンクリート成形用の型枠における前記撥水層の耐久性を評価する方法であって、
前記型枠からなる試験体の試験面に対して所定距離からシャワー状に噴射した所定流量の水を所定時間継続して衝突させる衝突ステップと、
その後、前記試験面に付着した水滴を除去し、水平に対して所定角度だけ傾斜して上向きに配置した前記試験面に対して所定高さから水滴を自由落下させた後の前記試験面における前記水滴の動きに基づいて、前記試験面の耐久性を評価する評価ステップとを有することを特徴とする型枠の耐久性評価方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記衝突ステップにおいて、水平に配置した前記試験面に対して、前記試験面の上方の所定高さから下向きに噴射した水を5分間継続して衝突させることを特徴とする請求項1に記載の型枠の耐久性評価方法。
【請求項3】
前記評価ステップにおいて、水平に対して15°傾斜して配置した前記試験面に対して、1cmの高さから水滴を自由落下させることを特徴とする請求項1または2に記載の型枠の耐久性評価方法。
【請求項4】
前記評価ステップにおいて、水滴を自由落下させた後の前記試験面における前記水滴の移動距離の大小に基づいて、耐久性を評価することを特徴とする請求項1または2に記載の型枠の耐久性評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート成形用撥水型枠などの型枠の耐久性評価方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、コンクリート製の構造物や製品の仕上げを美しくするための型枠として、優れた離型性を有し、繰り返し使用が可能なものが知られている(例えば、特許文献1~3を参照)。例えば、特許文献1に記載の型枠は、型枠表面に疎水性酸化物微粒子からなる多孔質層(撥水層)を備えている。この型枠によれば、優れた離型性能を長期間にわたって持続的に発揮でき、従来の型枠のように使用のたびに離型液を型枠表面に塗布する必要がなく、繰り返し使用が可能である。また、型枠表面の表面気泡を低減するので、成形後のコンクリート表面が滑らかになり意匠性が向上する。
【0003】
コンクリート打設の際には、通常、型枠内部に流し込んだコンクリートを突き棒で突いたり、型枠を木づちで叩いたり、棒状のバイブレーターをコンクリートに挿し込んで振動を与えたりする締固め作業が行われる。こうした締固め作業の最中に、振動等によって撥水層が型枠表面から剥離すると、表面気泡の低減効果が十分に発揮されなくなり、硬化したコンクリートの表面に気泡による窪み(空気あばた)が現われて、美観などを損ねるおそれがある。このため、型枠には、締固め作業による振動等が作用しても撥水層が型枠表面から剥離しない耐久性が要求される。撥水層の耐久性は、撥水層や型枠本体の構成材料、撥水層の施工時温度などにより異なることがある。
【0004】
撥水層の耐久性を評価する方法として、コンクリートの本打設施工の前に、上面が開口した四角箱状の試験用型枠(高さ30cm×幅30cm×奥行10cm程度)を室内で組み立て、この試験用型枠にコンクリートを打設し、脱型後のコンクリート表面に気泡が無いことを目視で確認する方法が知られている。また、この他の方法として、型枠表面に作用するバイブレータの締固めエネルギーに基づいて、耐久性を評価する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6667995号公報
特許第6610945号公報
特開2021-171989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図5(1)は、上記の室内で行う耐久性評価試験で目視観察されるコンクリート表面の例、(2)は実施工のコンクリート表面の例である。これらの図のように、上記の室内試験では、実施工時のコンクリートの締固め作業に使用するバイブレータの振動や降雨などの影響を十分に評価しきれないおそれがある。
【0007】
また、上記の室内試験では、コンクリートの練り混ぜと打設、硬化後の脱型を行うため、コンクリート表面を目視できるまでに長い時間を要する。さらに、目視判定は客観性に欠け、判定精度を高めるには多数の供試体を要するため、多大な作業手間とコストが掛かるという問題がある。また、上記の締固めエネルギーによる耐久性評価方法は、演算処理などに手間を要する。このため、耐久性評価を短時間で簡易かつ高精度に行える技術が求められていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐久性評価を短時間で簡易かつ高精度に行える型枠の耐久性評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る型枠の耐久性評価方法は、型枠本体と、前記型枠本体の型枠表面に設けられた撥水層とを備えるコンクリート成形用の型枠における前記撥水層の耐久性を評価する方法であって、前記型枠からなる試験体の試験面に対して所定距離からシャワー状に噴射した所定流量の水を所定時間継続して衝突させる衝突ステップと、その後、前記試験面に付着した水滴を除去し、水平に対して所定角度だけ傾斜して上向きに配置した前記試験面に対して所定高さから水滴を自由落下させた後の前記試験面における前記水滴の動きに基づいて、前記試験面の耐久性を評価する評価ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の型枠の耐久性評価方法は、上述した発明において、前記衝突ステップにおいて、水平に配置した前記試験面に対して、前記試験面の上方の所定高さから下向きに噴射した水を5分間継続して衝突させることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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