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公開番号2024125690
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033681
出願日2023-03-06
発明の名称構造体及びその製造方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人青藍国際特許事務所,個人,個人
主分類A23L 29/244 20160101AFI20240911BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】水を含む液体に浸漬させて膨潤させた場合に、食感が元のゲル体から変化しにくい構造体を提供する。
【解決手段】本発明の構造体は、グルコマンナン類と、化学修飾基を有し、グルコマンナン類とは異なる多糖類Aとを含む。構造体において、多糖類Aは、グルコマンナン類と相容している。上記の構造体の製造方法は、グルコマンナン類及び多糖類Aを含むゲル体を乾燥させることを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
グルコマンナン類と、化学修飾基を有し、前記グルコマンナン類とは異なる多糖類Aとを含む構造体であって、
前記多糖類Aは、前記グルコマンナン類と相容している、構造体。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記化学修飾基は、カルボキシル基を含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記多糖類Aは、カルボキシメチルセルロースを含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記グルコマンナン類及び前記多糖類A以外の他の多糖類Bをさらに含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
前記多糖類Bは、未修飾セルロース及び澱粉からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項4に記載の構造体。
【請求項6】
タンパク質をさらに含む、請求項1に記載の構造体。
【請求項7】
多孔質構造を有する、請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
可食性を有する、請求項1に記載の構造体。
【請求項9】
乾燥状態である、請求項1に記載の構造体。
【請求項10】
培養肉の足場材として用いられる、請求項1に記載の構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年では、世界の人口増加に伴い、食肉需要が増加することが予想されている。今後の食肉需要の増加に対応するためには、従来のタンパク源について、生産効率を上げて増産するだけでは十分ではなく、新たなタンパク源の開発が不可欠である。新たなタンパク源としては、植物から生産される植物肉、昆虫類から生産される肉、微生物や細胞そのものを培養して生産される培養肉などの代替食品が挙げられる。これらの代替食品は、動物愛護の観点からも注目されている。特許文献1は、代替食品の一例として、乾燥肉様蛋白加工食品を開示している。
【0003】
なお、「植物肉」は、大豆などの植物性タンパク質を原料として用い、これに添加剤を加えて成形した加工食品であり、「フェイクミート」とも呼ばれる。「培養肉」は、再生医療技術を用いて、筋肉細胞を培養することによって作製される肉を意味し、「cultured
meat」又は「clean meat」とも呼ばれる。
【0004】
培養肉のメリットの一つには、安全性が挙げられる。例えば、食肉の生産や加工のプロセスには、食中毒の原因となる病原菌が混入する危険性が常に存在する。しかし、培養肉は、ほぼ無菌状態で培養されるため、病原菌が混入する危険性が低い。さらに、培養肉によれば、加工プロセスの費用を低減できるだけでなく、従来の製法と比較して温室効果ガスを96%削減できるという研究結果があり、環境面からも注目を集めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-118655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ステーキ肉、刺身、切り身など、ある程度の大きさを有する塊状の培養肉を作製するためには、足場材を用いて、筋肉細胞などの細胞を3次元的に培養する必要がある。本発明者らの検討によると、この方法で作製された培養肉の食感は、足場材の食感に大きく依存する傾向がある。
【0007】
上記の足場材としては、グルコマンナン類などの可食性材料から構成された構造体が用いられうる。この構造体は、例えば、グルコマンナン類を含むゲル体を乾燥させることによって作製することができる。この方法で作製された構造体は、水の含有率が低いため、培養肉の作製時に培養液に浸漬させても、構造体に起因する水で培養液が希釈されにくい。さらに、水の含有率が低い構造体は、保存性が良好であるだけでなく、輸送コストの削減にも寄与しうる。
【0008】
しかし、本発明者らの検討によれば、上記の方法で作製された構造体を、培養液などの水を含む液体に浸漬させて膨潤させると、食感が元のゲル体から大きく変化する傾向がある。そのため、この構造体を用いた場合、得られる培養肉の食感を予想することが難しく、培養肉の食感を適切に調整しにくい。
【0009】
そこで本発明は、水を含む液体に浸漬させて膨潤させた場合に、食感が元のゲル体から
変化しにくい構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、グルコマンナン類とともに、化学修飾基を有する多糖類Aを含むゲル体を乾燥させることにより作製された構造体によれば、水に浸漬させて膨潤させても、食感が元のゲル体から変化しにくいことを新たに見出した。本発明者らは、この知見に基づいて検討を進め、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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