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公開番号2024125475
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-19
出願番号2023033307
出願日2023-03-06
発明の名称流路形成用部材およびそれを備える医療用容器
出願人テルモ株式会社
代理人あいそう弁理士法人
主分類A61J 1/10 20060101AFI20240911BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】 流路を閉塞状態から開通状態へと移行できる構造を備えた流路形成用部材であって、一度の折り曲げ操作で所定部分を完全破断できる流路形成用部材およびそれを備える医療用容器を提供する。
【解決手段】 合成樹脂射出成形物である流路形成用部材10であって、分離用部30の流路形成部20に対する折り曲げ操作によって、環状薄肉部40が破断し、分離用部30を流路形成用部材10から分離可能となっている。流路形成用部材は、環状凹部50の上部に位置する分離用部側環状外面部51と、環状凹部50の下部に位置する流路形成部側環状外面部52とが、分離用部30の折り曲げ操作による環状薄肉部40の破断進行後かつ完全破断前に当接し、かつ当接により形成される両者の当接部が支点となり、環状薄肉部40の完全破断を補助するものとなっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
合成樹脂射出成形物である流路形成用部材であって、
前記流路形成用部材は、
内部流路と、
前記内部流路を閉塞する閉塞部と、
前記閉塞部よりも前記流路形成用部材の下方側となる外面に設けられ、かつ、前記流路形成用部材を、流路形成部と、前記閉塞部を有する分離用部とに区分する破断用の環状薄肉部を形成する環状凹部とを備え、
前記流路形成用部材は、前記分離用部の前記流路形成部に対する折り曲げ操作によって、前記環状薄肉部が破断し、前記分離用部を前記流路形成用部材から分離可能となっており、
さらに、前記流路形成用部材は、前記環状凹部の上部に位置する分離用部側環状外面部と、前記環状凹部の下部に位置する流路形成部側環状外面部とを備え、前記分離用部側環状外面部の一部と前記流路形成部側環状外面部の一部が、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断進行後かつ完全破断前に当接し、かつ前記当接により形成される両者の当接部が支点となり、前記環状薄肉部の完全破断を補助するものとなっていることを特徴とする流路形成用部材。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記分離用部側環状外面部の一部と前記流路形成部側環状外面部の一部は、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断が50%以上進行後かつ完全破断前に当接するものとなっている請求項1に記載の流路形成用部材。
【請求項3】
前記分離用部側環状外面部の一部と前記流路形成部側環状外面部の一部は、前記折り曲げ操作時において、前記流路形成部と前記分離用部とのなす角度が15~90°の範囲で当接するものとなっている請求項1に記載の流路形成用部材。
【請求項4】
前記分離用部側環状外面部および前記流路形成部側環状外面部の一方は、周方向に複数形成された突出リブまたは全周に亘って形成された環状突出リブを備え、前記分離用部側環状外面部および前記流路形成部側環状外面部の他方は、略水平に延びる環状水平面を備え、
前記突出リブまたは前記環状突出リブと前記環状水平面が、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断進行後かつ完全破断前に当接し、かつ前記当接により形成される両者の当接部が支点となり、前記環状薄肉部の完全破断を補助するものとなっている請求項1に記載の流路形成用部材。
【請求項5】
前記突出リブまたは前記環状突出リブは、前記折り曲げ操作時において、前記流路形成部と前記分離用部とのなす角度が第1角度に達した際に前記環状水平面に当接する第1当接部と、前記第1角度よりも大きい第2角度に達した際に前記環状水平面に当接する第2当接部とを備える請求項4に記載の流路形成用部材。
【請求項6】
前記第1当接部は、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断が50%以上進行後かつ完全破断前に前記環状水平面に当接し、前記第2当接部は、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断が80%以上進行後かつ完全破断前に当接する請求項5に記載の流路形成用部材。
【請求項7】
前記第1角度は、15~90°の範囲であり、前記第2角度は、30~90°の範囲である請求項5に記載の流路形成用部材。
【請求項8】
前記環状薄肉部の厚さは0.2~0.3mmであり、前記環状薄肉部の外面および/または内面にスキン層が形成されている請求項1に記載の流路形成用部材。
【請求項9】
薬液が収納された軟質バッグと、前記軟質バッグに取り付けられた請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の流路形成用部材とを備える医療用容器であって、
前記流路形成用部材の前記流路形成部は、容器取付部と、前記容器取付部よりも下方に設けられたチューブ接続部と、前記容器取付部と前記チューブ接続部との間に設けられ外方に突出するフランジとを備え、
前記流路形成用部材は、前記容器取付部において前記軟質バッグに取り付けられ、前記流路形成部の上部および前記分離用部が前記軟質バッグ内に配置されていることを特徴とする医療用容器。
【請求項10】
前記軟質バッグ内に、医療用液体が充填されている請求項9に記載の医療用容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流路を閉塞状態から開通状態へと移行できる構造を備えた流路形成用部材およびそれを備える医療用容器に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、薬液が収納された軟質バッグに取り付けられる流路形成用部材であって、流路を閉塞状態から開通状態へと移行する構造を備えているものが知られている。例えば、特許文献1(特開2009-154024)には、破断により開封可能な排出口が開示されている。バッグに設けられた排出口の管体は、バッグの内部に突出する突出部を形成しており、管体の外周全周に環状に設けられた脆弱部よりなる開封機構を備えている。そして、開封操作(バッグのシート材の上から管体を指でつまんで折り曲げること)によって脆弱部を破断することにより、排出口の内腔とバッグの内部とを連通させ、バッグ内の液体(医療用液体)を排出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-154024
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような流路形成用部材を備え、かつ医療用液体が充填された医療用容器として、例えば、連続携行式腹膜透析(CAPD)用の腹膜透析液充填バッグがある。この腹膜透析液充填バッグは、患者自ら操作するのが一般的である。
高齢の患者において、腹膜透析液充填バッグに取り付けられている流路形成用部材の開封操作(所定部分を折り曲げて破断する操作)に必要な握力が足りず、自身で流路を確実に開通させること(所定部分を完全に破断すること)が困難な事例が報告されている。また、従来の流路形成用部材においては、所定部分を完全に破断して、流路を確実に開通させるために、折り曲げ操作を複数回行う必要がある場合があり、患者の負担となっている。
そこで、本発明の目的は、流路を閉塞状態から開通状態へと移行できる構造を備えた流路形成用部材およびそれを備える医療用容器であって、一度の折り曲げ操作で所定部分を完全破断できる流路形成用部材およびそれを備える医療用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 合成樹脂射出成形物である流路形成用部材であって、
前記流路形成用部材は、
内部流路と、
前記内部流路を閉塞する閉塞部と、
前記閉塞部よりも前記流路形成用部材の下方側となる外面に設けられ、かつ、前記流路形成用部材を、流路形成部と、前記閉塞部を有する分離用部とに区分する破断用の環状薄肉部を形成する環状凹部とを備え、
前記流路形成用部材は、前記分離用部の前記流路形成部に対する折り曲げ操作によって、前記環状薄肉部が破断し、前記分離用部を前記流路形成用部材から分離可能となっており、
さらに、前記流路形成用部材は、前記環状凹部の上部に位置する分離用部側環状外面部と、前記環状凹部の下部に位置する流路形成部側環状外面部とを備え、前記分離用部側環状外面部の一部と前記流路形成部側環状外面部の一部が、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断進行後かつ完全破断前に当接し、かつ前記当接により形成される両者の当接部が支点となり、前記環状薄肉部の完全破断を補助するものとなっている流路形成用部材。
【0006】
(2) 前記分離用部側環状外面部の一部と前記流路形成部側環状外面部の一部は、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断が50%以上進行後かつ完全破断前に当接するものとなっている上記(1)に記載の流路形成用部材。
(3) 前記分離用部側環状外面部の一部と前記流路形成部側環状外面部の一部は、前記折り曲げ操作時において、前記流路形成部と前記分離用部とのなす角度が15~90°の範囲で当接するものとなっている上記(1)または(2)に記載の流路形成用部材。
(4) 前記分離用部側環状外面部および前記流路形成部側環状外面部の一方は、周方向に複数形成された突出リブまたは全周に亘って形成された環状突出リブを備え、前記分離用部側環状外面部および前記流路形成部側環状外面部の他方は、略水平に延びる環状水平面を備え、
前記突出リブまたは前記環状突出リブと前記環状水平面が、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断進行後かつ完全破断前に当接し、かつ前記当接により形成される両者の当接部が支点となり、前記環状薄肉部の完全破断を補助するものとなっている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の流路形成用部材。
(5) 前記突出リブまたは前記環状突出リブは、前記折り曲げ操作時において、前記流路形成部と前記分離用部とのなす角度が第1角度に達した際に前記環状水平面に当接する第1当接部と、前記第1角度よりも大きい第2角度に達した際に前記環状水平面に当接する第2当接部とを備える上記(4)に記載の流路形成用部材。
(6) 前記第1当接部は、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断が50%以上進行後かつ完全破断前に前記環状水平面に当接し、前記第2当接部は、前記折り曲げ操作による前記環状薄肉部の破断が80%以上進行後かつ完全破断前に当接する上記(5)に記載の流路形成用部材。
(7) 前記第1角度は、15~90°の範囲であり、前記第2角度は、30~90°の範囲である上記(5)または(6)に記載の流路形成用部材。
(8) 前記環状薄肉部の厚さは0.2~0.3mmであり、前記環状薄肉部の外面および/または内面にスキン層が形成されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の流路形成用部材。
【0007】
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(9) 薬液が収納された軟質バッグと、前記軟質バッグに取り付けられた上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の流路形成用部材とを備える医療用容器であって、
前記流路形成用部材の前記流路形成部は、容器取付部と、前記容器取付部よりも下方に設けられたチューブ接続部と、前記容器取付部と前記チューブ接続部との間に設けられ外方に突出するフランジとを備え、
前記流路形成用部材は、前記容器取付部において前記軟質バッグに取り付けられ、前記流路形成部の上部および前記分離用部が前記軟質バッグ内に配置されている医療用容器。
【0008】
(10) 前記軟質バッグ内に、医療用液体が充填されている上記(9)に記載の医療用容器。
【発明の効果】
【0009】
本発明の流路形成用部材は、環状凹部の上部に位置する分離用部側環状外面部と、環状凹部の下部に位置する流路形成部側環状外面部とを備え、分離用部側環状外面部の一部と流路形成部側環状外面部の一部が、分離用部の折り曲げ操作による環状薄肉部の破断進行後かつ完全破断前に当接し、そのような当接により形成される両者の当接部が支点となり、一度の折り曲げ操作での環状薄肉部の完全破断を補助することができる。また、分離用部の折り曲げ操作において、分離用部側環状外面部の一部と流路形成部側環状外面部の一部との当接部が支点となることで、比較的小さい折り曲げ角度で環状薄肉部を完全破断することができる。
【0010】
また、本発明の医療用容器は、上記のような流路形成用部材を備えており、流路形成用部材が、環状凹部の上部に位置する分離用部側環状外面部と、環状凹部の下部に位置する流路形成部側環状外面部とを備え、分離用部側環状外面部の一部と流路形成部側環状外面部の一部が、分離用部の折り曲げ操作による環状薄肉部の破断進行後かつ完全破断前に当接し、そのような当接により形成される両者の当接部が支点となり、一度の折り曲げ操作での環状薄肉部の完全破断を補助することができる。また、分離用部の折り曲げ操作において、分離用部側環状外面部の一部と流路形成部側環状外面部の一部との当接部が支点となることで、比較的小さい折り曲げ角度で環状薄肉部を完全破断することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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