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公開番号2024124914
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023032895
出願日2023-03-03
発明の名称乗員見守りシステム
出願人豊田合成株式会社
代理人個人,個人
主分類G08G 1/123 20060101AFI20240906BHJP(信号)
要約【課題】転倒リスクをより的確に把握したうえで乗員を見守る。
【解決手段】乗員見守りシステム10は、検出部25及び制御部32を備える。検出部25は、車両11における車室内の状態を検出する。制御部32におけるリスク算出部33は、検出部25により得られた情報を少なくとも含む車室内情報に基づいて、車室内の乗員が転倒する場合のリスクの強度である転倒リスクを算出する。転倒の対象となる乗員を転倒対象乗員とし、車室内において転倒対象乗員の周囲に位置する他の乗員及び車両構造物の少なくとも一方をリスク対象物とする。リスク算出部33は、車室内情報に含まれる情報であり、かつ転倒対象乗員とリスク対象物との相対的な位置関係に関する情報に基づいて転倒リスクを算出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
車両における車室内の状態を検出する検出部と、
前記検出部により得られた情報を少なくとも含む車室内情報に基づいて、前記車室内の乗員が転倒する場合のリスクの強度である転倒リスクを算出するリスク算出部と、を備え、
前記乗員のうち転倒の対象となるものを転倒対象乗員とし、前記車室内において前記転倒対象乗員の周囲に位置する他の乗員及び車両構造物の少なくとも一方をリスク対象物とした場合、
前記リスク算出部は、前記車室内情報に含まれる情報であり、かつ前記転倒対象乗員と前記リスク対象物との相対的な位置関係に関する情報に基づいて前記転倒リスクを算出する乗員見守りシステム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記検出部は、前記車室内を撮影するカメラを備え、
前記リスク算出部は、前記カメラにより撮影された画像情報を、前記車室内情報の少なくとも一部として用い、前記転倒対象乗員の向いている方向と、前記転倒対象乗員及び前記リスク対象物の距離とを解析し、少なくとも前記方向及び前記距離を用いて、前記位置関係に関する情報に基づく前記転倒リスクの算出を行なう請求項1に記載の乗員見守りシステム。
【請求項3】
前記リスク算出部は、前記他の乗員を前記リスク対象物とし、前記画像情報における前記転倒対象乗員及び前記他の乗員の重なり度合いを、前記距離の代替値として、前記転倒リスクの算出に用いる請求項2に記載の乗員見守りシステム。
【請求項4】
前記リスク算出部は、前記他の乗員を前記リスク対象物とし、前記画像情報における前記転倒対象乗員が向いている方向から前記転倒対象乗員の転倒予想領域を予測するとともに、前記画像情報における前記他の乗員が向いている方向から前記他の乗員の転倒予想領域を予測し、両転倒予想領域の重なり度合いを、前記距離の代替値として、前記転倒リスクの算出に用いる請求項2に記載の乗員見守りシステム。
【請求項5】
前記検出部は、前記車室内を撮影するカメラを備え、
前記リスク算出部は、前記車両構造物を前記リスク対象物とするとともに、前記カメラにより撮影された画像情報を、前記車室内情報の少なくとも一部として用い、
前記リスク算出部は、前記画像情報における前記転倒対象乗員が向いている方向から前記転倒対象乗員の転倒予想領域を予測するとともに、前記転倒対象乗員が転倒する際に手の届く領域を把持可能領域として前記転倒予想領域内に設定し、前記把持可能領域内に前記車両構造物がある場合には、ない場合よりも前記転倒リスクとして小さな値を算出する請求項1に記載の乗員見守りシステム。
【請求項6】
前記リスク算出部により算出された前記転倒リスクと、予め設定された閾値との大小関係を判定するリスク判定部と、
前記リスク判定部により前記転倒リスクが前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記転倒リスクを低減する処理を行なうリスク低減処理部と、をさらに備える請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の乗員見守りシステム。
【請求項7】
前記車両は、運転者により運転操作されるものであり、
前記リスク低減処理部は、前記転倒リスクを低減するための処理として、前記運転者に対し、注意喚起のための通知を行なう請求項6に記載の乗員見守りシステム。
【請求項8】
前記車両は、車外の管制者により運行が遠隔で管理されるものであり、
前記リスク低減処理部は、前記転倒リスクを低減するための処理として、前記管制者に対し、注意喚起のための通知を行なう請求項6に記載の乗員見守りシステム。
【請求項9】
前記車両は、走行態様の少なくとも一部を制御されるものであり、
前記リスク低減処理部は、前記転倒リスクを低減するための処理として、前記走行態様の制御を、前記転倒リスクを低減する走行態様で前記車両を走行させる制御に変更する請求項6に記載の乗員見守りシステム。
【請求項10】
車両における車室内の状態を検出する検出部と、
前記車室内の乗員が転倒する場合のリスクの強度であり、かつ前記車室内の状態に応じて異なる転倒リスクを低減するためのリスク低減処理を、前記検出部により得られた情報を少なくとも含む車室内情報に基づいて行なう制御部と、を備え、
前記乗員のうち転倒の対象となるものを転倒対象乗員とし、前記車室内において前記転倒対象乗員の周囲に位置する他の乗員及び車両構造物の少なくとも一方をリスク対象物とした場合、
前記制御部は、前記車室内情報に含まれる情報であり、かつ前記転倒対象乗員と前記リスク対象物との相対的な位置関係に関する情報に基づいて把握される前記転倒リスクを低減の対象として、前記リスク低減処理を行なう乗員見守りシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における乗員を見守る乗員見守りシステムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
バス等の乗合型車両は、乗員が立って乗っている状態で走行することが可能である。立っている乗員の重心が、着座している乗員の重心よりも高いこと等から、立っている乗員は、着座している乗員に比べて不安定である。そのため、乗合型車両の走行状態等によっては、立っている乗員が転倒するおそれがある。
【0003】
そこで、車両における乗員を見守る乗員見守りシステムが種々提案されている。
車室内において、座席が設置されておらず、かつ乗員が移動時や車両走行時に立った状態になり得る領域では、他の領域よりも乗員の転倒の可能性が高いと考えられる。そこで、例えば、特許文献1に記載された乗員見守りシステムでは、車室内が全方位カメラによって撮影される。撮影された画像情報から、上記転倒の可能性の高い領域が観察領域として設定される。そして、観察領域に立っている乗員が転倒するリスクの強度である転倒リスクが算出される。上記特許文献1では、観察領域における乗員の数から混雑度が求められ、その混雑度から転倒リスクが算出される。この転倒リスクが、予め設定された閾値よりも大きい場合には、転倒リスクを低減する処理として、注意喚起のための通知が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-107817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、混雑度が同一であっても、転倒の対象となる転倒対象乗員の近くに、把持することのできる車両構造物がある場合には、無い場合に比べ、転倒リスクが小さい。転倒対象乗員が車両構造物を把持して身体を支えることで、転倒を回避可能であるからである。
【0006】
これに対し、把持することのできる車両構造物が近くにない場合、転倒対象乗員は、車両構造物によって身体を支えることができず、転倒を回避困難である。しかも、混雑度が同一であっても疎密に応じて転倒リスクが異なる。
【0007】
例えば、混雑度が高い領域では、転倒対象乗員の近くに他の乗員が多くいるため、転倒対象乗員が衝突し得る他の乗員が多い。反面、転倒対象乗員が他の乗員に衝突するまでの時間、表現を変えると、倒れる時間が短い。そのため、衝突の勢いが弱く、転倒が連鎖して他の乗員が転倒する現象が起こりにくく、転倒リスクが小さい。
【0008】
これに対し、混雑度が低い領域では、他の乗員が転倒対象乗員から遠ざかっているため、転倒対象乗員が衝突し得る他の乗員が少ない。反面、転倒対象乗員が他の乗員に衝突するまでの時間、表現を変えると、倒れる時間が長い。そのため、転倒対象乗員は勢いがついた状態で他の乗員に衝突する。衝突により、転倒が連鎖して、転倒対象乗員だけでなく他の乗員も転倒する可能性が高く、転倒リスクが大きい。
【0009】
上記のように、混雑度が同一であっても転倒リスクが同一であるとは限らない。従って、従来の乗員見守りシステムには、転倒リスクを的確に把握する点で改良の余地が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための乗員見守りシステムの各態様を記載する。
[態様1]車両における車室内の状態を検出する検出部と、前記検出部により得られた情報を少なくとも含む車室内情報に基づいて、前記車室内の乗員が転倒する場合のリスクの強度である転倒リスクを算出するリスク算出部と、を備え、前記乗員のうち転倒の対象となるものを転倒対象乗員とし、前記車室内において前記転倒対象乗員の周囲に位置する他の乗員及び車両構造物の少なくとも一方をリスク対象物とした場合、前記リスク算出部は、前記車室内情報に含まれる情報であり、かつ前記転倒対象乗員と前記リスク対象物との相対的な位置関係に関する情報に基づいて前記転倒リスクを算出する乗員見守りシステム。
(【0011】以降は省略されています)

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