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公開番号2024124686
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-13
出願番号2023032546
出願日2023-03-03
発明の名称導体線の成形装置及び成形方法
出願人株式会社デンソー
代理人弁理士法人服部国際特許事務所
主分類H02K 15/04 20060101AFI20240906BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ダイ及びパンチを交換することなく導体線を複数の成形形状に成形可能な導体線の成形装置を提供する。
【解決手段】導体線100に対し一方の側をA側、他方の側をB側と定義する。末端ダイ40は、導体線100のA側において静止し、第1ターゲット区間T1に対応するダイ要素として機能する第1静止部410を有する。第1パンチ50は、導体線100のB側において前進後退可能に設けられ、第1ターゲット区間T1に対応するパンチ要素として機能する第1前進部510、及び、第2ターゲット区間T2に対応するダイ要素として機能する第2静止部520を有する。第2パンチ60は、導体線100のA側において前進後退可能に設けられ、第2ターゲット区間T2に対応するパンチ要素として機能する第2前進部620を有する。成形装置80は、1型成形形状と、2型成形形状又は3型成形形状の少なくとも一方とに、導体線100を成形可能である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
供給元である後方から供給先である前方に延伸する導体線(100)において、所定の第1ターゲット区間(T1)、又は、前記第1ターゲット区間の前方に隣接する第2ターゲット区間(T2)のいずれか一方又は両方を、静止したダイ要素と移動するパンチ要素との間に挟んで所定の形状に成形する導体線の成形装置であって、
導体線を含む動作平面において、導体線に対し一方の側をA側、他方の側をB側と定義すると、
供給元から供給される成形前の導体線を把持する導体線把持部(30)と、
導体線の前記A側において静止し、前記第1ターゲット区間に対応する前記ダイ要素として機能する第1静止部(410)を有する末端ダイ(40)と、
導体線の前記B側において導体線に近接する方向に前進、及び、導体線から離れる方向に後退可能に設けられ、前記第1ターゲット区間に対応する前記パンチ要素として機能する第1前進部(510)、及び、前記第2ターゲット区間に対応する前記ダイ要素として機能する第2静止部(520)を有する第1パンチ(50)と、
前記末端ダイに対し前方且つ導体線の前記A側において、導体線に近接する方向に前進、及び、導体線から離れる方向に後退可能に設けられ、前記第2ターゲット区間に対応する前記パンチ要素として機能する第2前進部(620)を有する第2パンチ(60)と、
前記動作平面において前記第1パンチを前進及び後退させる第1パンチ駆動部(75)と、
前記動作平面において前記第2パンチを前進及び後退させる第2パンチ駆動部(76)と、
を備え、
前記第1ターゲット区間に成形され前記第2ターゲット区間に成形されない導体線の形状を1型成形形状とし、
前記第1ターゲット区間に成形されず前記第2ターゲット区間に成形される導体線の形状を2型成形形状とし、
前記第1ターゲット区間と前記第2ターゲット区間との両方に成形される導体線の形状を3型成形形状とすると、
前記1型成形形状と、前記2型成形形状又は前記3型成形形状の少なくとも一方とに、導体線を成形可能である導体線の成形装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第1パンチ及び前記第2パンチの進路は、前記動作平面上で導体線の延伸方向に直交する仮想直交線(Y)に対し、0°より大きく90°未満の傾斜角(θ1、θ2)で前方に傾斜しており、
前記2型成形形状と前記3型成形形状との選択に応じて、前記第1パンチの前記第2静止部の位置、及び、前記第2パンチの前記第2前進部の位置を微調整可能な微調整機構(57、67)が設けられている請求項1に記載の導体線の成形装置。
【請求項3】
供給元である後方から供給先である前方に延伸する導体線(100)において、所定の第1ターゲット区間(T1)、又は、前記第1ターゲット区間の前方に隣接する第2ターゲット区間(T2)のいずれか一方又は両方を、静止したダイ要素と移動するパンチ要素との間に挟んで所定の形状に成形する導体線の成形方法であって、
導体線を含む動作平面において、導体線に対し一方の側をA側、他方の側をB側と定義すると、
導体線の前記A側において静止し、前記第1ターゲット区間に対応する前記ダイ要素として機能する第1静止部(410)を有する末端ダイ(40)と、
導体線の前記B側において導体線に近接する方向に前進、及び、導体線から離れる方向に後退可能に設けられ、前記第1ターゲット区間に対応する前記パンチ要素として機能する第1前進部(510)、及び、前記第2ターゲット区間に対応する前記ダイ要素として機能する第2静止部(520)を有する第1パンチ(50)と、
前記末端ダイに対し前方且つ導体線の前記A側において、導体線に近接する方向に前進、及び、導体線から離れる方向に後退可能に設けられ、前記第2ターゲット区間に対応する前記パンチ要素として機能する第2前進部(620)を有する第2パンチ(60)と、
を備えた導体線の成形装置(80)を用い、
前記第1ターゲット区間に成形され前記第2ターゲット区間に成形されない導体線の形状を1型成形形状とし、
前記第1ターゲット区間に成形されず前記第2ターゲット区間に成形される導体線の形状を2型成形形状とし、
前記第1ターゲット区間と前記第2ターゲット区間との両方に成形される導体線の形状を3型成形形状とすると、
前記1型成形形状、前記2型成形形状及び前記3型成形形状の中から導体線の成形形状が選択される成形形状選択ステップ(S0)と、
選択された成形形状に応じて実行される、導体線を前記1型成形形状に成形する1型成形ステップ(S1)、導体線を前記2型成形形状に成形する2型成形ステップ(S2)、又は、導体線を前記3型成形形状に成形する3型成形ステップ(S3)のいずれかと、
を含み、
前記1型成形ステップは、
前記第1パンチの前記第1前進部が前記末端ダイの前記第1静止部に向かって前進し、前記第1前進部と前記第1静止部との間に導体線を挟んで前記1型成形形状に成形する第1パンチ前進成形ステップ(S11)を含み、
前記2型成形ステップは、
前記第1パンチの前記第1前進部が前記末端ダイの前記第1静止部に向かって前進し、前記第1前進部の端面が導体線に接触する位置、又は、接触する手前の位置で停止する第1パンチ前進停止ステップ(S21)と、
前記第2パンチの前記第2前進部が停止した前記第1パンチの前記第2静止部に向かって前進し、前記第2前進部と前記第2静止部との間に導体線を挟んで前記2型成形形状に成形する第2パンチ前進成形ステップ(S22)と、を含み、
前記3型成形ステップは、
前記第1パンチの前記第1前進部が前記末端ダイの前記第1静止部に向かって前進し、前記第1前進部と前記第1静止部との間に導体線を挟んで前記1型成形形状に成形した後、その位置で停止する第1パンチ前進成形停止ステップ(S31)と、
前記第2パンチの前記第2前進部が停止した前記第1パンチの前記第2静止部に向かって前進し、前記第2前進部と前記第2静止部との間に導体線を挟んで前記3型成形形状に成形する第2パンチ前進成形ステップ(S32)と、を含む導体線の成形方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、導体線の成形装置及び成形方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、回転電機(すなわちモータや発電機)に用いられる導体線を所定の形状に成形する成形装置が知られている。例えば特許文献1に開示された導体線の成形装置は、導体線に曲部を形成するための成形面が形成されたダイと、ダイに導体線を押さえつけて曲部を形成するパンチと、導体線を把持する把持部と、を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第7151645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今の回転電機は小型化、高出力化が求められており、導体線を様々な形状に成形して組み合わせることによる対応がなされている。特許文献1の従来技術では、複数の成形形状に対応するために各成形形状用のダイ及びパンチを準備し、成形形状を切り替える毎にダイ及びパンチを交換していた。
【0005】
その場合、ダイ及びパンチを交換する時間がロスとなり生産効率が低下する。また、交換したダイ及びパンチの置き場所を確保する必要が有り、スペース効率も低下する。さらに、成形しようとする形状と、装置に取り付けられたダイ及びパンチとが一致しているかの確認機構等が必要となる。また、各成形形状に応じた成形工程を行うように設備を設計しようとすると、設備のコストが上がり、設備面積が大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、ダイ及びパンチを交換することなく導体線を複数の成形形状に成形可能な導体線の成形装置及び成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による導体線の成形装置は、供給元である後方から供給先である前方に延伸する導体線(100)において、所定の第1ターゲット区間(T1)、又は、第1ターゲット区間の前方に隣接する第2ターゲット区間(T2)のいずれか一方又は両方を、静止したダイ要素と移動するパンチ要素との間に挟んで所定の形状に成形する装置である。
【0008】
導体線を含む動作平面において、導体線に対し一方の側をA側、他方の側をB側と定義する。この導体線の成形装置は、導体線把持部(30)と、末端ダイ(40)と、第1パンチ(50)と、第2パンチ(60)と、第1パンチ駆動部(75)と、第2パンチ駆動部(76)と、を備える。
【0009】
導体線把持部は、供給元から供給される成形前の導体線を把持する。末端ダイは、導体線のA側において静止し、第1ターゲット区間に対応するダイ要素として機能する第1静止部(410)を有する。
【0010】
第1パンチは、導体線のB側において導体線に近接する方向に前進、及び、導体線から離れる方向に後退可能に設けられ、第1ターゲット区間に対応するパンチ要素として機能する第1前進部(510)、及び、第2ターゲット区間に対応するダイ要素として機能する第2静止部(520)を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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