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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024124262
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023032292
出願日
2023-03-02
発明の名称
凝集誘起増強型ラマンプローブ又は蛍光プローブ
出願人
国立大学法人 東京大学
,
国立大学法人東京工業大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
255/37 20060101AFI20240905BHJP(有機化学)
要約
【解決課題】
酵素反応生成物の局所濃度を積極的に高めることで、新たな酵素活性検出ラマンプローブを提供すること。
【解決手段】
以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024124262000022.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">56</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">157</com:WidthMeasure> </com:Image>
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000016.tif
60
160
(式中、
Rは、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4の同一又は異なる一価の置換基を示し:
R
1
は、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4の同一又は異なる一価の置換基を示し:
R
a
及びR
b
は、それぞれ独立に、-C≡N、-C≡
15
N、-
13
C≡N、又は-
13
C≡
15
Nから選択され;
Yは、-NR
a
-L1、-N=N-C(=O)-L2、-NR
c
-C(=O)-O-L’又は-O-L’であり、
ここで、L1は、アミノ酸の部分構造であり、
L2は、アミノ酸残基又はC末端アミノ酸残基を有するペプチドであり、
L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、
R
c
は、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。)
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
Rの少なくとも1つは、アミノ基又はアルコキシ基であるか、あるいは、Rの少なくとも1つは一価の置換基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
以下の一般式(II)で表される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000017.tif
56
143
(式中、R
1
、R
a
、R
b
及びYは、一般式(I)で定義した通りであり、
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1~6個のアルキル基である。)
【請求項4】
L1のアミノ酸の部分構造は、アミノ酸、アミノ酸残基、ペプチド、アミノ酸又はペプチドの一部を構成している構造である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
L2のアミノ酸残基は以下の式で表される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000018.tif
22
150
(式中、R’は、アミノ酸の側鎖を表す。)
【請求項6】
L’の糖類の部分構造は、それが結合しているOと一緒になって、糖類又は糖類の一部を構成している構造である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
Yが以下のいずれかで表される、請求項1に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000019.tif
93
161
【請求項8】
以下のいずれかの構造を有する化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000020.tif
216
161
【請求項9】
一般式(I)の化合物又はその塩を含むラマンプローブ。
【請求項10】
epr-SRS法に利用可能な請求項9に記載のラマンプローブ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の凝集誘起増強型ラマン又は蛍光プローブに関わる。
続きを表示(約 4,800 文字)
【背景技術】
【0002】
ペプチダーゼ(プロテアーゼ)はタンパク質やペプチドを加水分解する酵素であり、様々な生理機能にかかわるだけでなく、がんを始めとした疾患のバイオマーカーとしても注目を集めている。
したがって、特定のペプチダーゼ活性を可視化する技術は有用なバイオマーカーの探索や診断薬・治療薬開発に有用な基盤技術となりうる。実際に、本発明者らの研究グループではペプチダーゼ活性を高感度に蛍光検出可能なactivatable型蛍光プローブを開発することで、がん患者手術切除検体におけるがん部位を迅速に蛍光検出することに成功している(非特許文献1)
【0003】
一方、蛍光はスペクトル幅が広いため、多色イメージングによって同時観察可能な酵素活性の種類は2~3種類に限られており、一つの検体をイメージングして得られる酵素活性の情報も制限されるという課題があった。この課題に対して、近年、本発明者らの研究グループでは、ラマンイメージングを用いて酵素活性を多重検出可能なactivatable型ラマンプローブを新たに開発し、酵素活性を多重イメージングする基盤技術を確立した(非特許文献2、図1参照)。
開発したラマンプローブは、酵素による反応前後で分子内のニトリルに由来するラマン信号強度が大きく増大するだけでなく、酵素反応生成物が細胞内リソソームに局在することで局所濃度が高くなり、さらなるラマン信号強度の増強が得られるという特性を有していた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Ito, R., Kamiya, M. & Urano, Y. Molecular probes for fluorescence image-guided cancer surgery. Curr Opin Chem Biol 67, 102112 (2022).
Fujioka, H. et al. Multicolor Activatable Raman Probes for Simultaneous Detection of Plural Enzyme Activities. J Am Chem Soc 142, 20701-20707 (2020).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、酵素反応生成物の局所濃度を積極的に高めることで、新たな酵素活性検出ラマンプローブを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明者らは、溶液状態では発光せず、固体・凝集状態で発光する現象である凝集誘起発光(AIE)に着目し、AIE特性を示すことが報告されているBzBMNを母核として選定し、この母核にラマンタグとなる基を導入するとともに、酵素との反応部位を組み込むためのアミノ基又は水酸基を導入したプローブ骨格構造を設計した。そして、この骨格構造に酵素基質となる部位を導入することにより、酵素との反応前は水溶液中で分散しているためラマン信号強度が低いが、酵素と反応することで凝集体を形成し、ラマン信号強度が向上するような新規な酵素活性検出プローブを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、以下の構成を有するものである。
[1] 以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000001.tif
64
169
(式中、
Rは、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4の同一又は異なる一価の置換基を示し:
R
1
は、水素原子を示すか、又はベンゼン環上に存在する1ないし4の同一又は異なる一価の置換基を示し:
R
a
及びR
b
は、それぞれ独立に、-C≡N、-C≡
15
N、-
13
C≡N、又は-
13
C≡
15
Nから選択され;
Yは、-NR
a
-L1、-N=N-C(=O)-L2、-NR
c
-C(=O)-O-L’又は-O-L’であり、
ここで、L1は、アミノ酸の部分構造であり、
L2は、アミノ酸残基又はC末端アミノ酸残基を有するペプチドであり、
L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、
R
c
は、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。)
[2]Rの少なくとも1つは、アミノ基又はアルコキシ基であるか、あるいは、Rの少なくとも1つは一価の置換基である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]以下の一般式(II)で表される、[1]に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000002.tif
52
164
(式中、R
1
、R
a
、R
b
及びYは、一般式(I)で定義した通りであり、
R
2
及びR
3
は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1~6個のアルキル基である。)
[4]L1のアミノ酸の部分構造は、アミノ酸、アミノ酸残基、ペプチド、アミノ酸又はペプチドの一部を構成している構造である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
[5]L2のアミノ酸残基は以下の式で表される、[1]~[3]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000003.tif
23
162
(式中、R’は、アミノ酸の側鎖を表す。)
[6]L’の糖類の部分構造は、それが結合しているOと一緒になって、糖類又は糖類の一部を構成している構造である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
[7]Yが以下のいずれかで表される、[1]~[6]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000004.tif
94
156
[8]以下のいずれかの構造を有する化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000005.tif
214
165
[9][1]~[8]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を含むラマンプローブ。
[10]epr-SRS法に利用可能な[9]に記載のラマンプローブ。
[11]細胞又は組織内の標的酵素を検出する方法であって、(a)[1]~[8]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を細胞又は組織内に導入する工程、及び(b)当該化合物又はその塩が細胞又は組織内で標的酵素と反応することにより増強されるラマン散乱光を測定する工程を含む方法。
[12]epr-SRS法を用いてラマン散乱光を測定する、[11]に記載の方法。
[13][1]~[8]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を含む蛍光プローブ。
[14]細胞又は組織内の標的酵素を検出する方法であって、(a)[1]~[8]のいずれか1項に記載の化合物又はその塩を細胞又は組織内に導入する工程、及び(b)当該化合物又はその塩が細胞又は組織内で標的酵素と反応することにより、発せられる又は増強される蛍光を測定する工程を含む方法。
[15]以下のいずれかの構造を有する化合物又はその塩。
TIFF
2024124262000006.tif
37
159
【発明の効果】
【0008】
本発明により、酵素との反応前は水溶液中で分散しているためラマン信号強度が低いが、酵素と反応することで凝集体を形成し、ラマン信号強度が向上するような新規な酵素活性検出プローブを提供することが可能である。
また、本発明の酵素活性検出プローブは、酵素と反応後は、BzBMN-NH
2
等が水溶液中で蛍光を発することから、蛍光プローブとしても使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ラマン顕微鏡による生体観察の模式図を示す。
本発明の化合物の分子設計に基づく酵素活性検出プローブの非限定的例の概念図を示す。
カルボキシペプチダーゼを標的酵素とする場合の本発明の化合物の非限定的例の分子設計の概念図を示す。
BzBMN-NH
2
とgGlu-BzBMNの吸収スペクトルと蛍光スペクトルを示す。
γ-グルタミルトランスペプチダーゼを添加した際のgGlu-BzBMNの吸収スペクトル変化を示す。
gGlu-BzBMNのSRS画像を示す。
EP-BzBMNの特性評価の結果を示す。
gGlu-BzBMN及びEP-BzBMNをA549細胞(GGT高活性、DPP4低活性)とH226細胞(GGT低活性、DPP4高活性)にアプライし、SRSイメージングで観察した結果を示す。
[
12
C
15
N]gGlu-BzBMNと、[
12
C
14
N]EP-BzBMNを用いた多重検出の検討結果を示す。
BzBMN-AF-Lys及びCPMとの反応に伴う想定生成物のBzBMNの水溶液中での吸収・蛍光スペクトルを示す。
BzBMN-AF-LysをカルボキシペプチダーゼM(CPM)と反応させた蛍光スペクトルの変化を図11に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書中において、「アルキル」は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば、炭素数1~6個(C
1~6
)、炭素数1~10個(C
1~10
)、炭素数1~15個(C
1~15
)、炭素数1~20個(C
1~20
)である。炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「アルキル」を意味する。例えば、C
1~8
アルキルには、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等が含まれる。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。そのような置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルコシ基、アリールアルキル基など)のアルキル部分についても同様である。
(【0011】以降は省略されています)
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