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公開番号
2024123438
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023030853
出願日
2023-03-01
発明の名称
磁気デバイス及び磁気記憶デバイス
出願人
キオクシア株式会社
代理人
弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類
H10N
50/10 20230101AFI20240905BHJP()
要約
【課題】トンネルバリア層の絶縁耐圧を高めることによって、特性を向上させることを可能にした磁気デバイスを提供する。
【解決手段】実施形態の磁気デバイスは、第1の磁性体と、第2の磁性体と、第1の磁性体と第2の磁性体との間に配置された非磁性体とを具備する。実施形態の磁気デバイスにおいて、非磁性体4は、第1の磁性体2と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第1非磁性体層41と、第2の磁性体3と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第2非磁性体層42と、第1非磁性体層41と第2非磁性体層層42との間に配置され、窒化スカンジウムを含む第3非磁性体層43とを備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の磁性体と、第2の磁性体と、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に配置された非磁性体とを具備する磁気デバイスであって、
前記非磁性体は、前記第1の磁性体と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第1非磁性体層と、前記第2の磁性体と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第2非磁性体層と、前記第1非磁性体層と前記第2非磁性体層層との間に配置され、窒化スカンジウムを含む第3非磁性体層とを備える、磁気デバイス。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記第3非磁性体層は、さらに酸化スカンジウムを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項3】
前記第3非磁性体層の前記第1非磁性体層との界面及び前記第3非磁性体層の前記第2非磁性体層との界面のうち少なくともいずれかの界面における酸化スカンジウムの濃度が、前記第3非磁性体層内部における酸化スカンジウムの濃度よりも高い、請求項2に記載の磁気デバイス。
【請求項4】
前記第3非磁性体層は、さらにアルゴン、クリプトン、コバルト、鉄、白金、及びホウ素なる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項5】
前記第1非磁性体層及び前記第2非磁性体層の少なくとも一方は、アルミニウム、亜鉛、及びガリウムからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項6】
前記第1非磁性体層、前記第2非磁性体層、及び前記第3非磁性体層の総膜厚は、0.5nm以上2.5nm以下であり、かつ前記第3非磁性体層の膜厚(nm)は、前記第1、第2、及び第3非磁性体層の総膜厚x(nm)を横軸とし、前記第1、第2、及び第3非磁性体層の構成材料における前記窒化スカンジウムの組成比率y(%)を縦軸としたグラフにおいて、前記膜厚xが0.5≦x<1.25(nm)であるときに前記組成比率yの下限値αが20%であり、前記膜厚xが1.25≦x<1.84(nm)であるときに前記組成比率yの下限値αがα=74.2x-72.53(%)であり、前記膜厚xが1.84≦x(nm)であるときに前記組成比率yの下限値αが64%であり、かつ、前記膜厚xが0.5≦x<1.37(nm)であるときに前記組成比率yの上限値βが60%であり、前記膜厚xが1.37≦x<1.61(nm)であるときに前記組成比率yの上限値βがβ=87.5x-59.88(%)であり、前記膜厚xが1.61≦x(nm)であるときに前記組成比率yの上限値βが81%である、前記組成比率yの範囲を満足する、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項7】
前記第1非磁性体層、前記第2非磁性体層、及び前記第3非磁性体層の総膜厚は、0.8nm以上2.1nm以下である、請求項6に記載の磁気デバイス。
【請求項8】
前記第1の磁性体の少なくとも一部及び前記第2の磁性体の少なくとも一部は、コバルトと鉄とホウ素を含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項9】
第1の磁性体と、第2の磁性体と、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に配置された非磁性体とを具備する磁気デバイスであって、
前記非磁性体は、前記第1の磁性体と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第1非磁性体層と、前記第2の磁性体と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第2非磁性体層と、前記第1非磁性体層と前記第2非磁性体層層との間に配置され、酸化グネシウムよりバンドギャップが小さく、窒化ホウ素より生成エンタルピーが小さい窒化物を含む第3非磁性体層とを備える、磁気デバイス。
【請求項10】
前記第1非磁性体層、前記第2非磁性体層、及び第3非磁性体層は、それぞれ岩塩型構造の結晶を含む、請求項9に記載の磁気デバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気デバイス及び磁気記憶デバイスに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
不揮発性メモリとして注目を集める磁気抵抗メモリ(Magnetic Random Access Memory:MRAM)においては、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)素子を用いることによって、情報の書き込み動作及び読み出し動作が行われる。MTJ素子は、一般的に記憶層としての磁性層とトンネルバリア層と参照層としての磁性層の3層を積層した構造を有する。MTJ素子においては、トンネルバリア層として一般的に酸化マグネシウム(MgO)層が用いられているが、MgO層の絶縁耐圧の大きさが不十分で、書き込み時に絶縁破壊が生じるおそれがある。そこで、トンネルバリア層の絶縁耐圧を高めることによって、MTJ素子の特性を向上させることが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007-305610号公報
国際公開第2020/150419号
米国特許公開第2018/0268887号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、トンネルバリア層の絶縁耐圧を高めることによって、特性を向上させることを可能にした磁気デバイス及び磁気記憶デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の磁気デバイスは、第1の磁性体と、第2の磁性体と、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体との間に配置された非磁性体とを具備する。実施形態の磁気デバイスにおいて、前記非磁性体は、前記第1の磁性体と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第1非磁性体層と、前記第2の磁性体と接するように設けられ、酸化マグネシウムを含む第2非磁性体層と、前記第1非磁性体層と前記第2非磁性体層層との間に配置され、窒化スカンジウムを含む第3非磁性体層とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態の磁気デバイスを示す断面図である。
実施形態の磁気デバイスを用いたクロスポイント構造の磁気記憶デバイス(MRAM)を示す図である。
実施形態の磁気デバイスの一部を拡大して示す断面図である。
各種金属窒化物の生成エンタルピー(ΔH)の絶対値を示す図である。
MgO/ScN/MgOの3層積層構造をトンネルバリア層に適用したMTJ素子の抵抗面積積(RA)とトンネル磁気抵抗比(TMR比)との関係を示す図である。
実施形態の磁気デバイスのトンネルバリア層における第3非磁性体層の組成範囲と膜厚との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の磁気デバイス及び磁気記憶デバイスについて、図面を参照して説明する。各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
【0008】
図1は実施形態の磁気デバイスの構成を示している。図1に示す磁気デバイス1は、記憶層としての第1の磁性体2と、参照層としての第2の磁性体3と、第1の磁性体2及び第2の磁性体3に挟持された、トンネルバリア層としての非磁性体4とを含む積層体5を備えている。積層体5は、さらに第2の磁性体3の下方に設けられた、シフトキャンセル層としての第3の磁性体6と、第3の磁性体6のさらに下方に設けられたシード層等として機能するバッファ層7とを備えている。積層体5の周囲には、側壁を覆うように側壁層8が設けられている。図1に示す積層体5は、例えば磁気トンネル接合(MTJ)素子を構成するものであるが、これに限られるものではない。
【0009】
実施形態の磁気デバイス1をMTJ素子に適用する場合、第2の磁性体3はスピン方向(磁化方向)が固定される参照層(磁化固定層/ピン層)である。第2の磁性体3の磁化方向は、シフトキャンセル層としての第3の磁性体6により固定される。第2の磁性体3には、例えばCoFeB/Mo/Co/Ir積層膜やCoFeB/Mo/Co/Ru積層膜等が用いられる。第3の磁性体6には、[Co/Pt]超格子、[Co/Ir]超格子等の磁性体が用いられる。参照層3を構成する積層膜において、Ir層やRu層がシフトキャンセル層6との間で反平行結合を実現する。これによって、参照層3を構成する積層膜におけるCoFeB層等の磁性層の磁化が固定される。
【0010】
参照層としての第2の磁性体3上には、トンネル障壁層として機能する非磁性体4を介して、記憶層(フリー層)として機能する第1の磁性体2が設けられている。第1の磁性体2は、スピン方向(磁化方向)が記憶内容に応じて変化することにより記憶層として機能する。第1の磁性体2には、CoFeB、CoPt、CoPtCr等のCo基合金、[Co/Pt]超格子等の磁性体が用いられる。
(【0011】以降は省略されています)
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