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公開番号2024121779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023214194
出願日2023-12-19
発明の名称酸クロリド誘導体の製造方法及びケトン誘導体の製造方法
出願人株式会社トクヤマ,国立大学法人大阪大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 67/29 20060101AFI20240830BHJP(有機化学)
要約【課題】本発明は、チオエステル誘導体を使用することなく、ケトン誘導体を製造することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、下記式(II):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024121779000045.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">24</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">122</com:WidthMeasure> </com:Image>
で表される酸クロリド誘導体(II)と、特定のグリニャール試薬とを、銅塩の存在下で接触させて、下記式(III):
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024121779000046.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">23</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">119</com:WidthMeasure> </com:Image>
[式中、R1及びR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基等を表す。]
で表されるケトン誘導体(III)を製造する方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(II):
JPEG
2024121779000039.jpg
24
131
[式中、R

は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表される酸クロリド誘導体(II)を製造する方法であって、
下記式(I):
JPEG
2024121779000040.jpg
26
129
[式中、R

は、前記と同義である。]
で表されるカルボン酸誘導体(I)とクロル化剤とを接触させる工程を含む、方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記工程において、カルボン酸誘導体(I)とクロル化剤とを、触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの存在下で接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
クロル化剤が、塩化チオニル、塩化オキサリル、三塩化リン、オキシ塩化リン及び五塩化リンから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
下記式(III):
JPEG
2024121779000041.jpg
26
127
[式中、R

及びR

は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表されるケトン誘導体(III)を製造する方法であって、
下記式(II):
JPEG
2024121779000042.jpg
26
125
[式中、R

は、前記と同義である。]
で表される酸クロリド誘導体(II)と、
下記式(IVa):
JPEG
2024121779000043.jpg
11
118
[式中、R

は、前記と同義であり、Xは、ハロゲン原子を表す。]
で表されるグリニャール試薬(IVa)、及び、
下記式(IVb):
JPEG
2024121779000044.jpg
11
117
[式中、R

及びXは、前記と同義である。]
で表されるグリニャール試薬(IVb)
から選択されるグリニャール試薬(IV)とを、
銅塩の存在下で接触させる工程を含む、方法。
【請求項5】
前記工程において、グリニャール試薬(IV)と銅塩とを接触させて有機銅試薬を形成させた後、有機銅試薬と酸クロリド誘導体(II)とを接触させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
銅塩が、シアン化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)及びチオフェン-2-カルボン酸銅(I)から選択される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法により酸クロリド誘導体(II)を製造する工程をさらに含む、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項8】
前記工程において、酸クロリド誘導体(II)と銅塩とを混合し、得られた混合物にグリニャール試薬(IV)を添加する、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
銅塩の使用量が、グリニャール試薬(IV) 1モルに対して、0.005モル以上1モル以下である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
混合物へのグリニャール試薬(IV)の添加を、-30℃以上30℃以下の温度で行う、請求項8又は9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸クロリド誘導体の製造方法及びケトン誘導体の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
銅塩の存在下、チオエステル誘導体とグリニャール試薬とを接触させて、ケトン誘導体を製造する方法が知られている(例えば、非特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
J.Org.Chem.2020,85(19),pp.12382-12392(DOI:10.1021/acs.joc.0c01635)
Chem.Eur.J.2022,28,e202200474(doi.org/10.1002/chem.202200474)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チオエステル誘導体は、悪臭があり、分子量が大きく、原子効率が低いため製造にコストがかかる。したがって、チオエステル誘導体を使用することなく、ケトン誘導体を製造することができる技術が求められている。
【0005】
本発明は、チオエステル誘導体を使用することなく、緩和な反応条件でケトン誘導体を製造することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明を包含する。
[1]下記式(II):
JPEG
2024121779000001.jpg
22
131
[式中、R

は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表される酸クロリド誘導体(II)を製造する方法であって、
下記式(I):
JPEG
2024121779000002.jpg
23
130
[式中、R

は、前記と同義である。]
で表されるカルボン酸誘導体(I)とクロル化剤とを接触させる工程を含む、方法。
[2]前記工程において、カルボン酸誘導体(I)とクロル化剤とを、触媒量のN,N-ジメチルホルムアミドの存在下で接触させる、[1]に記載の方法。
[3]クロル化剤が、塩化チオニル、塩化オキサリル、三塩化リン、オキシ塩化リン及び五塩化リンから選択される、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]下記式(III):
JPEG
2024121779000003.jpg
24
127
[式中、R

及びR

は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよいヘテロシクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、又は、置換基を有していてもよいアリールアルケニル基を表す。]
で表されるケトン誘導体(III)を製造する方法であって、
下記式(II):
JPEG
2024121779000004.jpg
23
125
[式中、R

は、前記と同義である。]
で表される酸クロリド誘導体(II)と、
下記式(IVa):
JPEG
2024121779000005.jpg
13
123
[式中、R

は、前記と同義であり、Xは、ハロゲン原子を表す。]
で表されるグリニャール試薬(IVa)、及び、
下記式(IVb):
JPEG
2024121779000006.jpg
11
123
[式中、R

及びXは、前記と同義である。]
で表されるグリニャール試薬(IVb)
から選択されるグリニャール試薬(IV)とを、
銅塩の存在下で接触させる工程を含む、方法。
[5]前記工程において、グリニャール試薬(IV)と銅塩とを接触させて有機銅試薬を形成させた後、有機銅試薬と酸クロリド誘導体(II)とを接触させる、[4]に記載の方法。
[6]銅塩が、シアン化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)及びチオフェン-2-カルボン酸銅(I)から選択される、[4]又は[5]に記載の方法。
[7][1]~[3]のいずれか一項に記載の方法により酸クロリド誘導体(II)を製造する工程をさらに含む、[4]~[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]前記工程において、酸クロリド誘導体(II)と銅塩とを混合し、得られた混合物にグリニャール試薬(IV)を添加する、[4]に記載の方法。
[9]銅塩の使用量が、グリニャール試薬(IV) 1モルに対して、0.005モル以上1モル以下である、[8]に記載の方法。
[10]混合物へのグリニャール試薬(IV)の添加を、-30℃以上30℃以下の温度で行う、[8]又は[9]に記載の方法。
[11]混合物へのグリニャール試薬(IV)の添加を滴下により行う、[8]~[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12]銅塩が、シアン化銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)及びチオフェン-2-カルボン酸銅(I)から選択される、[8]~[11]のいずれか一項に記載の方法。
[13][1]~[3]のいずれか一項に記載の方法により酸クロリド誘導体(II)を製造する工程をさらに含む、[8]~[12]のいずれか一項に記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チオエステル誘導体を使用することなく、ケトン誘導体を製造することができる技術が提供される。当該技術は、安価な試薬を使用して、緩和な反応条件下、短時間に、目的とするケトン誘導体を得ることができる優れた技術である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例1及び2で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(3-((5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXa)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl

,30℃)を示す図である。
図2は、実施例3で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(3-((5-(4-フルオロフェニル)チオフェン-2-イル)メチル)-4-メチルフェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXa)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図3は、実施例4で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXb)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図4は、実施例4で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXb)の
13
C NMRスペクトル(126MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図5は、実施例5で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXb)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図6は、実施例5で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-エトキシベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXb)の
13
C NMRスペクトル(126MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図7は、実施例6で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXc)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl3,25℃)を示す図である。
図8は、実施例7で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(3-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXd)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図9は、実施例7で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(3-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イルメチル)-4-フルオロフェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXd)の
13
C NMRスペクトル(126MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図10は、実施例8で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXe)の

H NMRスペクトル(500MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
図11は、実施例8で得られた(2R,3R,4S,5R)-6-(4-クロロ-3-(4-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ベンジル)フェニル)-6-オキソヘキサン-1,2,3,4,5-ペンタイル ペンタアセテート(IXe)の
13
C NMRスペクトル(126MHz,CDCl

,25℃)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について説明する。本明細書に記載の2以上の実施形態を組み合わせることができ、2以上の実施形態の組み合わせも本発明に包含される。
【0010】
≪用語の説明≫
以下、本明細書で用いられる用語について説明する。以下の説明は、別段規定される場合を除き、本明細書を通じて適用される。なお、「値A~値B」という表現は、別段規定される場合を除き、値A以上値B以下を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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