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公開番号2024121350
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2023028399
出願日2023-02-27
発明の名称エッチング液、基板の処理方法及びシリコンデバイスの製造方法
出願人株式会社トクヤマ
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類H01L 21/308 20060101AFI20240830BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的に除去するためのエッチング液、基板の処理方法及びシリコンデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】有機アルカリ、酸化剤、及び水を含むエッチング液であって、24℃において、前記エッチング液のpHが10.00以上13.27以下であり、且つ24℃において、前記エッチング液中の水酸化物イオン濃度が1.0×10-4mol/L以上1.9×10-1mol/L以下であることを特徴とする、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的に除去するためのエッチング液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
有機アルカリ、酸化剤、及び水を含むエッチング液であって、
24℃において、前記エッチング液のpHが10.00以上13.27以下であり、且つ
24℃において、前記エッチング液中の水酸化物イオン濃度が1.0×10
-4
mol/L以上1.9×10
-1
mol/L以下であることを特徴とする、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的に除去するためのエッチング液。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記エッチング液中において、水酸化物イオン濃度(mol/L)に対する酸化剤濃度(mol/L)の比の値が0.50以上である、請求項1に記載のエッチング液。
【請求項3】
前記酸化剤が、過酸化水素、m-クロロ過安息香酸、9-アザノルアダマンタン-N-オキシル、次亜塩素酸塩、及び次亜臭素酸塩からなる群から選択される一種以上である、請求項1又は2に記載のエッチング液。
【請求項4】
さらにシリコンエッチングの抑制剤を含む、請求項1又は2に記載のエッチング液。
【請求項5】
前記シリコンエッチングの抑制剤が、第四級アンモニウムのハロゲン塩、第四級アンモニウムのBF

塩、及びカルボン酸化合物からなる群から選択される一種以上である、請求項4に記載のエッチング液。
【請求項6】
前記シリコンエッチングの抑制剤が、ジカチオン構造を有する化合物である、請求項4に記載のエッチング液。
【請求項7】
前記有機アルカリが、水酸化第四級アンモニウムである、請求項1又は2に記載のエッチング液。
【請求項8】
シリコン、シリコン酸化物、及びシリコン-ゲルマニウムを含む基板の処理方法であって、
請求項1又は2に記載のエッチング液を用いて、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングするエッチング工程を含む、基板の処理方法。
【請求項9】
前記基板が、さらにシリコン窒化物を含み、
前記エッチング工程が、シリコン窒化物に対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングする工程である、請求項8に記載の基板の処理方法。
【請求項10】
シリコン、シリコン酸化物、及びシリコン-ゲルマニウムを含む基板を用いた、シリコンデバイスの製造方法であって、
請求項1又は2に記載のエッチング液を用いて、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングするエッチング工程を含む、シリコンデバイスの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング液、基板の処理方法及びシリコンデバイスの製造方法に関する。より詳しくは、シリコンデバイスの製造に際して、シリコン-ゲルマニウム(SiGe)をエッチングして微細加工をする際等に用いられるエッチング液に関する。特に、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的に除去するためのエッチング液に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
シリコン-ゲルマニウムは近年、GAA(Gate all around)と呼ばれる構造のトランジスタを形成する際の材料として用いられている。GAA構造トランジスタでは、エピタキシャル成長により積層したナノシートをチャネルとして用いるためチャネル厚みを高精度に制御しやすく、且つ、チャネルを取り囲むようゲートが配置された構造であるため短チャネル効果による漏洩電流が生じにくい特徴があり、ロジックデバイスの高性能化には欠かせないものとなっている。
GAA構造トランジスタの作製過程では、シリコンとシリコン-ゲルマニウムとが交互に積層された構造から、シリコン-ゲルマニウムのみをエッチングする必要がある。このため、シリコンに対して選択的にシリコン-ゲルマニウムをエッチングできるエッチング液が要求されている。また、GAA構造トランジスタの作製過程におけるシリコン-ゲルマニウムのエッチング工程では、シリコンだけではなく、シリコン酸化物などがエッチング非対象物として同時にエッチング液に接触するような場合もあり、このような場合、シリコン酸化膜などに対しても高いシリコン-ゲルマニウムのエッチング選択比が要求される。
【0003】
シリコンに対して選択的にシリコン-ゲルマニウムをエッチングできるエッチング液として、特許文献1には、水、酸化剤、水混和性有機溶媒、フッ化物イオン源を含むエッチング液が提案されている。また、特許文献2には、酸化剤、有機酸及びフッ素含有化合物を含むエッチング組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-050365号公報
特開2022-094679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のエッチング液や特許文献2のエッチング組成物(以下、エッチング液とよぶ)によれば、シリコンに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングすることが可能である。しかしながら、これらのエッチング液がアルカリ源を含まないことと、その組成から、これらのエッチング液はその液性が酸性であると考えられる。さらに、これらのエッチング液は酸化剤とフッ化物イオンとを両方含む。これらの結果、特許文献1及び特許文献2のエッチング液は、シリコン酸化物のエッチング速度を十分に下げることができないものと推定される。従って、上述したシリコン-ゲルマニウムのエッチング工程において、シリコンだけではなく、シリコン酸化物がエッチング非対象物として同時にエッチング液に接触するような用途にこれらのエッチング液を使用する場合、シリコン酸化物に対するシリコン-ゲルマニウムのエッチング選択比に課題が残るものと推定される。
【0006】
そこで、本発明は、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマ
ニウムを選択的に除去するためのエッチング液、基板の処理方法及びシリコンデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、有機アルカリ、酸化剤、及び水を含み、かつpH及び水酸化物イオン濃度が所定の範囲であるエッチング液を用いることで、シリコン-ゲルマニウムをエッチングしつつシリコン及びシリコン酸化物のエッチングを抑制でき、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対するシリコン-ゲルマニウムのエッチング選択比を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
項1 有機アルカリ、酸化剤、及び水を含むエッチング液であって、
24℃において、前記エッチング液のpHが10.00以上13.27以下であり、且つ
24℃において、前記エッチング液中の水酸化物イオン濃度が1.0×10
-4
mol/L以上1.9×10
-1
mol/L以下であることを特徴とする、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的に除去するためのエッチング液。
項2 前記エッチング液中において、水酸化物イオン濃度(mol/L)に対する酸化剤濃度(mol/L)の比の値が0.50以上である、項1に記載のエッチング液。
項3 前記酸化剤が、過酸化水素、m-クロロ過安息香酸、9-アザノルアダマンタン-N-オキシル、次亜塩素酸塩、及び次亜臭素酸塩からなる群から選択される一種以上である、項1又は2に記載のエッチング液。
項4 さらにシリコンエッチングの抑制剤を含む、項1~3のいずれか一項に記載のエッチング液。
項5 前記シリコンエッチングの抑制剤が、第四級アンモニウムのハロゲン塩、第四級アンモニウムのBF

塩、及びカルボン酸化合物からなる群から選択される一種以上である、項4に記載のエッチング液。
項6 前記シリコンエッチングの抑制剤が、ジカチオン構造を有する化合物である、項4又は5に記載のエッチング液。
項7 前記有機アルカリが、水酸化第四級アンモニウムである、項1~6のいずれか一項に記載のエッチング液。
項8 シリコン、シリコン酸化物、及びシリコン-ゲルマニウムを含む基板の処理方法であって、
項1~7のいずれか一項に記載のエッチング液を用いて、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングするエッチング工程を含む、基板の処理方法。
項9 前記基板が、さらにシリコン窒化物を含み、
前記エッチング工程が、シリコン窒化物に対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングする工程である、項8に記載の基板の処理方法。
項10 シリコン、シリコン酸化物、及びシリコン-ゲルマニウムを含む基板を用いた、シリコンデバイスの製造方法であって、
項1~7のいずれか一項に記載のエッチング液を用いて、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングするエッチング工程を含む、シリコンデバイスの製造方法。
項11 前記基板が、さらにシリコン窒化物を含み、
前記エッチング工程が、シリコン窒化物に対してシリコン-ゲルマニウムを選択的にエッチングする工程である、項10に記載のシリコンデバイスの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シリコン及びシリコン酸化物のそれぞれに対するシリコン-ゲルマニウムのエッチング選択比が高いエッチング液、基板の処理方法及びシリコンデバイスの製造方法が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内で任意に変更して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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