特許ウォッチ

公開番号2024120790
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027850
出願日2023-02-25
発明の名称インクジェット記録装置
出願人株式会社トライテック
代理人
主分類B41J 2/01 20060101AFI20240829BHJP(印刷;線画機;タイプライター;スタンプ)
要約【課題】簡易な装置構成により立体形状の被記録媒体の複数の面に対して画像の記録を実施できるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録ヘッドと、第1の面と第2の面を有する被記録媒体を載置するための載置手段と、記録ヘッドを回転させる回動手段と、記録ヘッドを第1の方向に移動させる第1移動手段と、被記録媒体を第2の方向に移動させる第2移動手段と、ノズル面と第1の面とを対向させた状態で記録ヘッドを第1の方向に移動させながらインクを吐出させて第1の面に対してインクを着弾させる記録動作と、記録動作後に被記録媒体を第2の方向に移動させる動作とを実行し、回動手段による記録ヘッドの回動によりノズル面と第2の面とを対向させた状態で記録ヘッドを第1の方向に移動させながらインクを吐出させて第2の面に対してインクを着弾させる記録動作を実行する記録制御手段とを有するインジェット記録装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
外表面に第１の面と、第１の面とは異なる第２の面とを少なくとも有する立体形状の被記録媒体に対して画像を記録するインクジェット記録装置において、
被記録媒体の外表面に対してインクを吐出するための複数のノズルが所定の方向に配列されたノズル面を有する記録ヘッドと、
前記被記録媒体を載置するための載置手段と、
前記所定の方向と交差する方向の回転軸を中心にして前記記録ヘッドを回動させることにより前記ノズル面の向きを変更する回動手段と、
前記記録ヘッドを前記所定の方向と交差する第１の方向に移動させる第１移動手段と、
前記載置手段に載置された前記被記録媒体を前記第１の方向と略直交する第２の方向に移動させる第２移動手段と、
前記第１の面に対して画像を記録する場合には、前記ノズル面と前記第１の面とを対向させた状態で前記記録ヘッドを前記第１移動手段により前記第１の方向に移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させて前記第１の面に対して前記インクを着弾させる記録動作と、前記記録動作後に前記載置手段に載置された前記被記録媒体を前記第２移動手段により前記第２の方向に移動させる動作とを実行し、
前記第２の面に対して画像を記録する場合には、前記回動手段による前記記録ヘッドの回動により前記ノズル面と前記第２の面とを対向させた状態で前記記録ヘッドを前記第１の移動手段により前記第１の方向に移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させて前記第２の面に対して前記インクを着弾させる記録動作を実行する記録制御手段と、
を有するインクジェット記録装置。
続きを表示（約 1,900 文字）【請求項２】
前記記録ヘッドを前記第１の方向及び前記第２の方向と略直交する第３の方向に移動させるための第３移動手段を更に有し、
前記記録制御手段が、前記第２の面に対して画像を記録する場合には、前記回動手段による前記記録ヘッドの回動により前記ノズル面と前記第２の面とを対向させた状態で前記記録ヘッドを前記第１の移動手段により前記第１の方向に移動させながら前記ノズルから前記インクを吐出させて前記第２の面に対して前記インクを着弾させる記録動作と、前記記録ヘッドを前記第３移動手段により前記第３の方向に移動させる動作とを実行する、請求項１に記載のインクジェット記録装置。
【請求項３】
前記記録ヘッドを前記第１移動手段の駆動により前記記録ヘッドの前記ノズル面と被記録媒体の外表面とを対向させないようにするための退避領域が前記第１の方向に配置されており、
前記回動手段による前記記録ヘッドの回動が、前記記録ヘッドが前記退避領域に位置しているときに実施される、請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項４】
前記記録ヘッドにインクを供給するためのインクを保持するためのインクタンクが、前記記録ヘッドから前記第３の方向に所定の間隔を空けて配置されており、
前記記録ヘッドには、インクを前記ノズルに供給するためのインク供給口を有し、
前記インクタンクと前記インク供給口とは、インク供給経路により連通しており、
前記インク供給経路は第１らせん形状部を有する、
請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項５】
前記記録ヘッドにインクを供給するためのインクを保持するためのインクタンクが、前記記録ヘッドから前記第３の方向に所定の間隔を空けて配置されており、
前記記録ヘッドには、インクを前記ノズルに供給するためのインク供給口を有し、
前記インクタンクと前記インク供給口とは、インク供給経路により連通しており、
前記インク供給経路は第１らせん形状部を有する、
請求項３に記載のインクジェット記録装置。
【請求項６】
前記記録ヘッドには、インクを排出するためのインク排出口を有し、
前記インクタンクには、格納されるインクの鉛直方向上方にさらに負圧に制御された負圧空間が格納されており、
前記インク排出口と、前記インクタンクに格納された前記負圧空間とは、インク排出経路により連通しており、
前記インク排出経路は第２らせん形状部を有し、
前記第１らせん形状部と前記第２らせん形状部とは、各々重なり合い二重形状となっている、請求項４に記載のインクジェット記録装置。
【請求項７】
前記記録ヘッドには、インクを排出するためのインク排出口を有し、
前記インクタンクには、格納されるインクの鉛直方向上方にさらに負圧に制御された負圧空間が格納されており、
前記インク排出口と、前記インクタンクに格納された前記負圧空間とは、インク排出経路により連通しており、
前記インク排出経路は第２らせん形状部を有し、
前記第１らせん形状部と前記第２らせん形状部とは、各々重なり合い二重形状となっている、請求項５に記載のインクジェット記録装置。
【請求項８】
前記キャリッジ回転手段が、前記キャリッジの前記ノズル列方向への回転中心が、前記ノズル列の略中央かつノズル面のインクを吐出する方向の反対側に面するように配置されている、請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項９】
前記載置手段には、前記載置手段を前記第３の方向に延びる軸を中心に回転させるための載置手段回転手段が接続されており、
前記第２記録動作において、前記第２の面の一つに対して画像の記録を実施した後、前記載置手段回転手段により、前記載置手段を回転させることで、更なる第２の面と前記ノズル面とを対向させ、更に前記第２記録動作を実行して前記更なる第２の面に画像の記録を実施する、請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
【請求項１０】
更に、前記被記録面に対して活性光線を照射する照射面を有する活性光線照射装置が、前記記録ヘッドから前記第１の方向に所定の間隔を空けて配置されており、
前記照射面は、前記回動転手段の回動に応じて前記被記録面の各々に対向する、請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明はインクジェット記録装置に関するものである。
続きを表示（約 1,400 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、被記録媒体に対して直接画像を記録する画像記録装置として、インクを吐出するノズルが所定の方向に複数配列されたノズル列を有するインクジェットヘッドを走査させながら被記録媒体に対してインクを吐出して画像の記録を実施するインクジェット記録装置が知られている。近年、立体形状である被記録媒体の外表面に対して画像記録を実施するインクジェット記録装置が種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２１－１２６８２５号公報
特開２０１６－１７２３７９号公報
特許第７１４８１８９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
近年、一つのインクジェット記録装置で、例えば板状の被記録媒体の天面、側面、裏面と全面に画像記録をするといったように、立体形状の被記録媒体の第１の面に印刷し、さらに第１の面とは異なる第２の面に印刷するというような、複数面に画像記録を実施できるインクジェット記録装置が要望されている。
【０００５】
例えば、特許文献１には、立体形状の板状の被記録媒体を支持する支持台に、支持された被記録媒体を、垂直方向の軸を中心に回転させる機構と、水平方向の軸を中心に回転させる機構とを設けて、記録ヘッドは鉛直方向上方から下方にインクを吐出させる方向に固定したまま被記録媒体自体を回転させることで、板状の被記録媒体の天面や側面に画像を記録するインクジェット記録装置が提案されている。
【０００６】
しかし、特許文献１に提案されるような、被記録媒体を回転させて天面や側面に対して画像を記録するインクジェット記録装置は、重量のある被記録媒体の場合は、被記録媒体の保持や回転させることが困難となりうる。また、大判の被記録媒体の場合は被記録媒体を回転させる空間の確保のために、装置が高さ方向に巨大になり得ることから、広く天井も高い設置スペースが要求され得るし、装置の高額化にもつながり得る。
【０００７】
また、特許文献２には、アーム型ロボットの先端に記録ヘッドを搭載して立体形状の記録対象物に対して画像記録を行うインクジェット記録装置が提案されている。
【０００８】
しかし、特許文献２に提案されるような、アーム型ロボットは、アーム型ロボット自体が高額であるという課題や、リニアモーターやボールネジに比して移動中の速度や移動量の精度を出すことが比較的困難であることから移動する区間中の記録画質向上に関する課題などが想定される。
【０００９】
また、特許文献３には、立体形状の被記録媒体に対して、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを、鉛直方向を軸にして回転させたうえで、水平方向の第１軸と、この第１軸と直交する第２軸とを同時に移動させながら被記録媒体の外表面と記録ヘッドとの距離を調整しながら画像記録を実施するインクジェット記録装置が提案されている。
【００１０】
しかし、特許文献３に提案されるような、インクジェット記録装置の場合、キャリッジを第１軸と第２軸とに同時に移動させるための駆動軸の同期制御等のための装置構成の複雑化やそれに伴う高額化につながり得る。
（【００１１】以降は省略されています）

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