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公開番号
2024118565
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-02
出願番号
2023024912
出願日
2023-02-21
発明の名称
作業機械における油圧制御システム
出願人
キャタピラー エス エー アール エル
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
F15B
11/08 20060101AFI20240826BHJP(流体圧アクチュエータ;水力学または空気力学一般)
要約
【課題】旋回駐車ブレーキを備えた油圧ショベルにおいて、旋回中だけでなく作業用アクチュエータの作動中にも旋回駐車ブレーキを制動解除状態にするにあたり、部品点数の低減および回路の単純化を図る。
【解決手段】走行直進弁20にパイロット圧を出力する兼用電磁比例弁23を、ブレーキ切換弁26にパイロット圧を出力するパイロット圧出力電磁弁として共用するとともに、ブレーキ切換弁26を切換えるために必要なパイロット圧(第二設定圧)を、走行直進弁20を切換えるために必要なパイロット圧(第一設定圧)よりも低圧に設定した。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
左右の走行装置を備えた下部走行体と、該下部走行体に旋回自在に支持される上部旋回体と、該上部旋回体に装着される作業部とを備えた作業機械に、前記左右の走行装置を駆動せしめる左右の走行モータ、上部旋回体を旋回せしめる旋回モータ、作業部を駆動せしめる作業用油圧アクチュエータを含む複数の油圧アクチュエータと、これら油圧アクチュエータの油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプと、左右の走行モータ、旋回モータ、作業用油圧アクチュエータをそれぞれ駆動せしめるべく操作される左右の走行用操作具、旋回用操作具、作業用操作具と、第一、第二油圧ポンプと各油圧アクチュエータ用供給油路との接続を切換えるパイロット作動式の走行直進弁と、上部旋回体の旋回を制動する旋回駐車ブレーキと、該旋回駐車ブレーキに圧油を供給して制動状態から制動解除状態に切換えるパイロット作動式のブレーキ切換弁とを備えた油圧制御システムを設けるにあたり、
前記走行直進弁は、第一設定圧以上のパイロット圧が供給されることで、第一、第二油圧ポンプのうち何れか一方の油圧ポンプの吐出油を左走行モータに供給し他方の油圧ポンプの吐出油を右走行モータに供給する中立位置から、何れか一方の油圧ポンプの吐出油を左右の走行モータに供給し他方の油圧ポンプの吐出油を旋回モータ、作業用油圧アクチュエータに供給する作動位置に切換わる構成とし、
前記ブレーキ切換弁は、前記第一設定圧よりも低圧の第二設定圧のパイロット圧が供給されることで、旋回駐車ブレーキを制動状態にする中立位置から、旋回駐車ブレーキを制動解除状態にする作動位置に切換わる構成にする一方、
走行直進弁およびブレーキ切換弁は共通の兼用電磁弁からパイロット圧が供給される構成にするとともに、該兼用電磁弁を制御する制御装置を設け、
該制御装置は、兼用電磁弁を、左右の走行用操作具、旋回用操作具、作業用操作具の何れも操作されない場合、および左右の走行用操作具が操作され、且つ、旋回用操作具および作業用操作具の何れの操作具も操作されない場合にはパイロット圧を出力せず、左右の走行用操作具が操作され、且つ、旋回用操作具および作業用操作具の少なくとも一つの操作具が操作された場合には、第一設定圧以上のパイロット圧を出力し、左右の走行用操作具が操作されず、且つ、旋回用操作具および作業用操作具の少なくとも一つの操作具が操作された場合には、第二設定圧以上且つ第一設定圧未満のパイロット圧を出力するように制御することを特徴とする作業機械における油圧制御システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械における油圧制御システムの技術分野に関するものである。
続きを表示(約 4,500 文字)
【背景技術】
【0002】
油圧ショベル等の作業機械のなかには、下部走行体に上部旋回体を旋回自在に支持せしめ、該上部旋回体に作業部を装着するとともに、下部走行体を走行せしめる左右の走行モータ、上部旋回体を旋回せしめる旋回モータ、作業部を駆動せしめる複数の作業用油圧アクチュエータ等の各種油圧アクチュエータを備えたものがある。このような作業機械には、通常、例えば斜面での駐車時等に上部旋回体が旋回してしまうことを防止するため、上部旋回体の旋回に制動を与える旋回駐車ブレーキが設けられる。このような旋回駐車ブレーキとしては、圧油が供給されることで、旋回を制動する制動状態から旋回を許容する制動解除状態になるメカニカルブレーキが汎用的に用いられている。
しかるに、このような旋回駐車ブレーキを備えた作業機械において、旋回停止中に上部旋回体に装着されている作業部を駆動させたときに上部旋回体が旋回駐車ブレーキにより旋回制動状態のままであると、上部旋回体を旋回させようとする力が働いた場合に旋回駐車ブレーキや旋回減速機に過大な負荷がかかってしまい、これら装置の損傷を招来する惧れがある。
そこで、旋回駐車ブレーキを制動状態から制動解除状態に切換えるべく該旋回駐車ブレーキに圧油供給するバルブとして、パイロット作動式の切換弁(連通弁45)を用いるとともに、該切換弁を切換えるためのパイロット圧を、走行操作のみが行われる走行単独操作以外の操作、つまり旋回操作や作業部操作、あるいは走行操作と作業部操作との走行複合操作が行われたときに出力されるように構成し、これにより、走行単独操作以外の操作のときには旋回駐車ブレーキを制動解除状態にするようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、前述した油圧ショベル等の作業機械のように、左右の走行モータ、旋回モータ、作業用油圧アクチュエータ等の複数の油圧アクチュエータを備えた作業機械のなかには、これら複数の油圧アクチュエータの油圧供給源として第一、第二油圧ポンプを設けるとともに、これら第一、第二油圧ポンプに接続される供給油路を切換えるパイロット作動式の走行直進弁を設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。該走行直進弁は、走行操作のみが行われる走行単独操作時には、第一、第二何れか一方の油圧ポンプの吐出油を左右何れか一方の走行モータに、他方の油圧ポンプの吐出油を他方の走行モータに供給し、また、走行操作と他の油圧アクチュエータ操作とが同時に行われる走行複合操作時には、一方の油圧ポンプの吐出油を左右両方の走行モータに、他方の油圧ポンプの吐出油を他の油圧アクチュエータに供給するように供給ラインを切換えるように構成されており、これにより、走行複合操作時に左右の走行モータに同量の圧油を供給して走行直進性を確保できるようになっている。このようなパイロット作動式の走行直進弁を設ける場合には、走行操作や他の油圧アクチュエータ操作に基づいて走行直進弁にパイロット圧を出力するバルブが必要となり、特許文献2のものでは、コントローラにより制御される電磁比例式の走直制御弁が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭63-151731号公報
特開2007-120512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したような旋回駐車ブレーキを備えた作業機械において、前記特許文献1のように、走行単独操作以外の操作のときに、旋回駐車ブレーキに圧油供給する切換弁にパイロット圧を出力し、該パイロット圧により切換弁を切換えて旋回駐車ブレーキを制動解除状態にするように構成することで、旋回操作だけでなく作業部を操作した場合にも旋回駐車ブレーキを制動解除状態にすることができる。しかるに、特許文献1のものは、走行単独操作以外の操作のときに切換弁にパイロット圧を出力するにあたり、走行モータ用、および複数の作業油圧アクチュエータ用の制御弁(走行モータ操作用切換弁、ブームシリンダ操作用切換弁、アームシリンダ操作用切換弁、バケットシリンダ操作用切換弁)に、これら制御弁と連動する補助切換弁をそれぞれ設け、これら補助切換弁を通過するパイロット圧を、チェック弁やシャトル弁を介して切換弁に導く構成になっているとともに、走行単独操作時にパイロット圧を油タンクに流すためのロジック弁が設けられている。このため、補助切換弁を備えた特殊な構造の制御弁が必要なうえ、部品点数が多く、回路も複雑になるという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、左右の走行装置を備えた下部走行体と、該下部走行体に旋回自在に支持される上部旋回体と、該上部旋回体に装着される作業部とを備えた作業機械に、前記左右の走行装置を駆動せしめる左右の走行モータ、上部旋回体を旋回せしめる旋回モータ、作業部を駆動せしめる作業用油圧アクチュエータを含む複数の油圧アクチュエータと、これら油圧アクチュエータの油圧供給源となる第一、第二油圧ポンプと、左右の走行モータ、旋回モータ、作業用油圧アクチュエータをそれぞれ駆動せしめるべく操作される左右の走行用操作具、旋回用操作具、作業用操作具と、第一、第二油圧ポンプと各油圧アクチュエータ用供給油路との接続を切換えるパイロット作動式の走行直進弁と、上部旋回体の旋回を制動する旋回駐車ブレーキと、該旋回駐車ブレーキに圧油を供給して制動状態から制動解除状態に切換えるパイロット作動式のブレーキ切換弁とを備えた油圧制御システムを設けるにあたり、前記走行直進弁は、第一設定圧以上のパイロット圧が供給されることで、第一、第二油圧ポンプのうち何れか一方の油圧ポンプの吐出油を左走行モータに供給し他方の油圧ポンプの吐出油を右走行モータに供給する中立位置から、何れか一方の油圧ポンプの吐出油を左右の走行モータに供給し他方の油圧ポンプの吐出油を旋回モータ、作業用油圧アクチュエータに供給する作動位置に切換わる構成とし、前記ブレーキ切換弁は、前記第一設定圧よりも低圧の第二設定圧のパイロット圧が供給されることで、旋回駐車ブレーキを制動状態にする中立位置から、旋回駐車ブレーキを制動解除状態にする作動位置に切換わる構成にする一方、走行直進弁およびブレーキ切換弁は共通の兼用電磁弁からパイロット圧が供給される構成にするとともに、該兼用電磁弁を制御する制御装置を設け、該制御装置は、兼用電磁弁を、左右の走行用操作具、旋回用操作具、作業用操作具の何れも操作されない場合、および左右の走行用操作具が操作され、且つ、旋回用操作具および作業用操作具の何れの操作具も操作されない場合にはパイロット圧を出力せず、左右の走行用操作具が操作され、且つ、旋回用操作具および作業用操作具の少なくとも一つの操作具が操作された場合には、第一設定圧以上のパイロット圧を出力し、左右の走行用操作具が操作されず、且つ、旋回用操作具および作業用操作具の少なくとも一つの操作具が操作された場合には、第二設定圧以上且つ第一設定圧未満のパイロット圧を出力するように制御することを特徴とする作業機械における油圧制御システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、旋回用操作具だけでなく作業用操作具が操作された場合にも旋回駐車ブレーキを制動解除状態にすることができるとともに、該旋回駐車ブレーキを制動解除状態にするべくブレーキ切換弁にパイロット圧を出力する兼用電磁弁は、走行直進弁にパイロット圧を出力する兼用電磁弁と共通のものであるから、ブレーキ切換弁を切換えるために別途専用のバルブや複雑な回路を必要とせず、部品点数の低減、回路の単純化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
油圧ショベルの側面図である。
油圧制御システムの油圧回路図である。
コントローラの入出力を示すブロック図である。
兼用電磁比例弁の制御手順を示すフローチャート図である。
(A)は走行中に旋回用、作業用操作具が操作された場合、(B)は走行停止中に旋回用、作業用操作具が操作された場合の、兼用電磁比例減圧弁からの出力パイロット圧の経時的変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の作業機械の一例である油圧ショベル1を示す図であって、該油圧ショベル1は、左右のクローラ式走行装置を備えた下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業部(本発明の作業部に相当する)4等から構成されており、さらに該フロント作業部4は、基端部が上部旋回体3に上下揺動自在に支持されるブーム5、該ブーム5の先端部に揺動自在に支持されるスティック6、該スティック6の先端部に揺動自在に取り付けられるバケット7等を具備して構成されている。
【0009】
図2に、前記油圧ショベル1に設けられる油圧制御システムの油圧回路図を示すが、図2において、8、9は油圧ショベル1に設けられる各種油圧アクチュエータの油圧供給源となる可変容量型の第一、第二油圧ポンプ、10は定容量型のパイロットポンプ、11は油タンク、12、13は前記下部走行体2の左右の走行装置をそれぞれ駆動せしめる左右の走行モータ、14は上部旋回体3を旋回せしめる旋回モータ、15、16、17はブーム5、スティック6、バケット7をそれぞれ揺動せしめるブームシリンダ、スティックシリンダ、バケットシリンダである。尚、前記ブームシリンダ15、スティックシリンダ16、バケットシリンダ17は本発明の作業用油圧アクチュエータに相当し、以下の説明において、これらブームシリンダ15、スティックシリンダ16、バケットシリンダ17を作業用油圧アクチュエータと称する場合もある。
【0010】
前記第一油圧ポンプ8は、後述する中立位置Nの走行直進弁20を介して第一ポンプラインAに接続されると共に、左走行用供給油路18を介して左走行用方向切換弁21に接続されている。一方、第二油圧ポンプ9は、第二ポンプラインBに接続されると共に、中立位置Nの走行直進弁20および右走行用供給油路19を介して右走行用方向切換弁22に接続されている。
(【0011】以降は省略されています)
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