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公開番号
2024117434
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-29
出願番号
2023023542
出願日
2023-02-17
発明の名称
硬化体の製造方法
出願人
太平洋セメント株式会社
,
国立大学法人 東京大学
,
学校法人東京理科大学
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C04B
28/00 20060101AFI20240822BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】高い成形圧力を要せずとも、十分な強度を有する硬化体を製造可能な硬化体の製造方法を提供すること。
【解決手段】CaO、SiO
2
及びAl
2
O
3
を含む組成物を加圧成形して成形体を作製する第1の工程と、
前記成形体を炭酸化する第2の工程と、
炭酸化後の成形体と、可溶性マグネシウム塩を含む水溶液とを接触させる第3の工程を含む、硬化体の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
CaO、SiO
2
及びAl
2
O
3
を含む組成物を加圧成形して成形体を作製する第1の工程と、
前記成形体を炭酸化する第2の工程と、
炭酸化後の成形体と、可溶性マグネシウム塩を含む水溶液とを接触させる第3の工程
を含む、硬化体の製造方法。
続きを表示(約 310 文字)
【請求項2】
前記水溶液中の可溶性マグネシウム塩の含有量が1~30質量%である、請求項1記載の硬化体の製造方法。
【請求項3】
前記可溶性マグネシウム塩が硫酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム及び塩化マグネシウムから選択される1以上を含む、請求項1記載の硬化体の製造方法。
【請求項4】
前記第2の工程において、成形体の炭酸化度が40質量%以上になるまで炭酸化する、請求項1記載の硬化体の製造方法。
【請求項5】
前記第1の工程において、成形圧力が1~20MPaである、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
建設分野で利用されている無機材料硬化体は、CaO、SiO
2
及びAl
2
O
3
を含む硬化体であることが多い。このような硬化体として、例えば、コンクリートやモルタルを挙げることができる。コンクリートやモルタルの製造にはセメントが必要不可欠であるが、セメントの生産時には石灰石の主成分である炭酸カルシウムの分解等によって多くの二酸化炭素が排出される。そこで、廃コンクリートの再利用が検討され、路盤材料や骨材として活用されてきた。しかし、道路建設の減少により廃コンクリートを路盤材料として消費することには限界があり、また骨材として再利用する場合、十分に表面の付着ペーストを取り除かなければ強度減少や乾燥収縮の増加等を生ずるため、付着ペーストの少ない良質の骨材を製造するにはコストやエネルギーの増大が避けられない。このような事情から、廃コンクリートの再利用は、未だ研究、検討段階にあり、完全実用化には至っていない。
【0003】
近年、廃コンクリートを用いた新たな試みとして、コンクリートを破砕し、圧縮成形を行うことで、骨材の選別や分別等を行わずに、十分な強度を有する硬化体として再生する技術が検討されている(非特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
酒井 雄也 他、土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)、Vol.72、No.1、p.32-40(2016)
酒井 雄也 他、土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)、Vol.76、No.4、p.306-314(2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献では、粉砕したコンクリートの成形物から十分な強度を有する硬化体を製造するために50MPa以上の高い成形圧力で成形体を圧縮成形している。即ち、硬化体の強度は成形圧力に依存するため、硬化体に十分な強度を発現させるうえで高い成形圧力を成形体に付与することが不可欠である。そのため、成形体を圧縮成形する際に多くのエネルギーが必要となり、コストの増大が避けられない。
本発明の目的は、高い成形圧力を要せずとも、十分な強度を有する硬化体を製造可能な硬化体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々検討した結果、CaO、SiO
2
及びAl
2
O
3
を含む組成物を加圧成形して成形体を作製し、この成形体を炭酸化した後、炭酸化した成形体と特定の金属塩を含む水溶液とを接触させることで、炭酸カルシウムの生成が促進され、高い成形圧力を要せずとも、十分な強度を有する硬化体が得られることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔5〕を提供するものである。
〔1〕CaO、SiO
2
及びAl
2
O
3
を含む組成物を加圧成形して成形体を作製する第1の工程と、
前記成形体を炭酸化する第2の工程と、
炭酸化後の成形体と、可溶性マグネシウム塩を含む水溶液とを接触させる第3の工程
を含む、硬化体の製造方法。
〔2〕前記水溶液中の可溶性マグネシウム塩の含有量が1~30質量%である、前記〔1〕記載の硬化体の製造方法。
〔3〕前記可溶性マグネシウム塩が硫酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム及び塩化マグネシウムから選択される1以上を含む、前記〔1〕又は〔2〕記載の硬化体の製造方法。
〔4〕前記第2の工程において、成形体の炭酸化度が40質量%以上になるまで炭酸化する、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の硬化体の製造方法。
〔5〕前記第1の工程において、成形圧力が1~20MPaである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の硬化体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高い成形圧力を要することなく、十分な強度を有する硬化体を簡便な操作で製造することができる。したがって、本発明は、廃コンクリートや廃モルタルの再利用法として有用であり、またセメント製造時やその他の産業から大気中に排出され炭酸ガスを可能な限り回収し、それを用いることで、資源循環と炭素循環を両立したカーボンニュートラルの実現に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の製造方法の一例を示すフローチャートである。
CaO、SiO
2
及びAl
2
O
3
を含む組成物の水酸化度の分析方法に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の硬化体の製造方法について詳細に説明する。
本発明の硬化体の製造方法は、第1の工程、第2の工程及び第3の工程を含むことを特徴とするものであり、その一例を図1に示す。
(【0011】以降は省略されています)
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