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公開番号2024117134
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-29
出願番号2023023050
出願日2023-02-17
発明の名称ナゲット径を推定する方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B23K 11/24 20060101AFI20240822BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】計測された熱膨張量と、収縮量と、電気抵抗値から、ナゲット径を推定することができる方法の提供。
【解決手段】ナゲット径を推定する方法であって、通電開始から通電終了の間における被溶接部材の熱膨張量の最大値である最大熱膨張量を、被溶接部材の通電開始前の板厚である初期板厚値で除した値である第1の値を算出する工程と、最大熱膨張量から通電終了後予め定められた時間経過時の被溶接部材の熱膨張量を引いた値である収縮量を初期板厚値で除した値である第2の値を算出する工程と、被溶接部材を含む通電回路全体の電気抵抗値であって通電開始から予め定められた時間内に取得された初期電気抵抗値によって、初期電気抵抗値と通電終了時において取得された電気抵抗値との差である抵抗変化量を除した値である第3の値を算出する工程と、第1の値と第2の値と第3の値とに基づいて形成されたナゲット径を推定する工程とを備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
被溶接部材を抵抗スポット溶接することによって形成されるナゲット径を推定する方法であって、
通電開始から通電終了の間における、前記被溶接部材の熱膨張量の最大値である最大熱膨張量を、前記被溶接部材の通電開始前の板厚である初期板厚値で除した値である第1の値を算出する工程と、
前記最大熱膨張量から、通電終了後予め定められた時間経過時の前記被溶接部材の熱膨張量を引いた値である収縮量を、前記初期板厚値で除した値である第2の値を算出する工程と、
前記被溶接部材を含む通電回路全体の電気抵抗値であって、通電開始から予め定められた時間内に取得された初期電気抵抗値によって、前記初期電気抵抗値と通電終了時において取得された電気抵抗値との差である抵抗変化量を除した値である第3の値を算出する工程と、
前記第1の値と、前記第2の値と、前記第3の値と、に基づいて、形成されたナゲット径を推定する工程と、を備える方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ナゲット径を推定する方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、被溶接材を抵抗スポット溶接した際に、溶接の品質を評価するために、溶接によって形成されるナゲット径の推定が行われることがある。特許文献1において、溶接制御装置の記憶回路に予め入力された被溶接材の材質および板厚から求められた固有抵抗値および比熱と、被溶接材を挟んで電流を供給する2つの電極間の電圧と、電極によって供給された電流の値を用いて被溶接材の溶接部における温度分布を決定する。決定された温度分布を用いて、溶接部の各部の固有抵抗値と、比熱を決定し、次に測定された電流と電圧の値を用いて、再度、溶接部の温度分布を決定する。この作業を繰り返すことで、溶接部の状態を推測する。推測過程において被溶接材の溶融温度を超えた部分をナゲットとして、ナゲット径が推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平6-170552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、2回目以降のステップにおいて、前のステップで推測された温度分布を用いて温度分布を推測している。溶接部の各箇所の実際の温度を測定していないため、推測過程において推測された温度分布と、実際の温度とに差が生じた場合、最終的に推測されるナゲットの形状と、実際のナゲットの形状とが異なる可能性がある。この場合、溶接品質の高精度な監視が難しくなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば被溶接部材を抵抗スポット溶接することによって形成されるナゲット径を推定する方法が提供される。この方法は、被溶接部材を抵抗スポット溶接することによって形成されるナゲット径を推定する方法であって、通電開始から通電終了の間における、前記被溶接部材の熱膨張量の最大値である最大熱膨張量を、前記被溶接部材の通電開始前の板厚である初期板厚値で除した値である第1の値を算出する工程と、前記最大熱膨張量から、通電終了後予め定められた時間経過時の前記被溶接部材の熱膨張量を引いた値である収縮量を、前記初期板厚値で除した値である第2の値を算出する工程と、前記被溶接部材を含む通電回路全体の電気抵抗値であって、通電開始から予め定められた時間内に取得された初期電気抵抗値によって、前記初期電気抵抗値と通電終了時において取得された電気抵抗値との差である抵抗変化量を除した値である第3の値を算出する工程と、前記第1の値と、前記第2の値と、前記第3の値と、に基づいて、形成されたナゲット径を推定する工程と、を備える。この形態の方法によれば、実際に計測された熱膨張量と、収縮量と、電気抵抗値から、ナゲット径を推定することができる。例えばナゲット径の推定過程において、溶接される部分の温度分布を繰り返し推定する態様と比較して、正確にナゲット径を推定することができ、溶接品質の高精度な監視が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
抵抗スポット溶接装置の概略構成を示す説明図。
ナゲット径の推定方法を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.本実施形態:
A1.本実施形態の構成:
図1は、抵抗スポット溶接装置1の概略構成を示す説明図である。抵抗スポット溶接装置1は、2つの金属板W1、W2を重ね合わせた被溶接部材WKを溶融し、接合する装置である。また、抵抗スポット溶接装置1は、本開示に係る被溶接部材WKのナゲット径の推定方法を実行する。抵抗スポット溶接装置1は、溶接ガン10と、ロボットアームRAと、制御部20と、を備えている。
【0009】
溶接ガン10は、可動電極110と、固定電極120と、可動電極側アーム130と、固定電極側アーム140と、電極昇降装置150と、電極調整装置160と、測定部170と、を備えている。
【0010】
可動電極110は、固定電極120と共に被溶接部材WKを挟持して、被溶接部材WKを加圧しながら通電する。可動電極110は、可動電極側アーム130に、電極昇降装置150を介して装着されている。可動電極110は、固定電極120と、互いの先端同士が対向するように、配置されている。可動電極110は、可動電極110と固定電極120の対向方向に沿った方向に移動可能である(図1の両矢印参照)。固定電極120は、可動電極110と共に被溶接部材WKを挟持して、加圧しながら通電する。固定電極120は、固定電極側アーム140に装着されている。
(【0011】以降は省略されています)

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