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公開番号2024115371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-26
出願番号2023021035
出願日2023-02-14
発明の名称金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法及びその分離回収装置
出願人柿原工業株式会社
代理人弁理士法人 武政国際特許商標事務所
主分類B09B 3/30 20220101AFI20240819BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】粉砕した混合粉体中の金属被膜付き樹脂粉体の吸着率を低下させ、この金属被膜付き樹脂粉体を金属被膜粉体又は樹脂粉体から分離する。
【解決手段】金属被膜を付着させた金属被膜樹脂材pを粉砕して、金属被膜粉体a、金属被膜付き樹脂粉体b及び樹脂粉体cとの混合粉体mを生成し、混合粉体mを傾斜配置したベルト9で搬送させながら、先に樹脂粉体cは滑り落とし、磁力を用いて樹脂粉体c及び金属被膜付き樹脂粉体bと、金属被膜粉体aとに分離し、更に、分離した樹脂粉体c及び金属被膜付き樹脂粉体bを傾斜配置したベルト9で搬送させながら、先に樹脂粉体cは滑り落とし、磁力を用いて金属含有率の低い樹脂粉体cを分離回収する。
【選択図】図3


特許請求の範囲【請求項1】
金属被膜を付着させた金属被膜樹脂材(p)を粉砕して、金属被膜粉体(a)、金属被膜付き樹脂粉体(b)及び樹脂粉体(c)との混合粉体(m)を生成し、
前記混合粉体(m)を傾斜配置したベルト(9)で搬送させながら、先に樹脂粉体(c)は滑り落とし、磁力を用いて樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)と、金属被膜粉体(a)とに分離し、
更に、これらの分離した樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)を傾斜配置したベルト(9)で搬送させながら、先に樹脂粉体(c)は滑り落とし、磁力を用いて金属含有率の低い樹脂粉体(c)を分離回収する、ことを特徴とする金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)を傾斜配置したベルト(9)で搬送させながら、先に樹脂粉体(c)は滑り落とし、磁力を用いて金属含有率の低い樹脂粉体(b’)を分離するときに、
最初に混合粉体(m)を分離するときに使用する磁石(10a)の磁力より、強力な磁力の磁石(10b)を用いて、金属被膜付き樹脂粉体(b)を吸着して樹脂粉体(c)から分離する、ことを特徴とする請求項1に記載の金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法。
【請求項3】
粉砕した金属被膜粉体(a)、樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)との混合粉体(m)を選別するために、ベルト(9)を傾斜して掛け渡す2本のローラ(8)の一方に磁石(10a)を具備した粗選別ベルトコンベア(7)と、
前記粗選別ベルトコンベア(7)の搬送先の下方に配置した、選別した金属被膜粉体(a)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)と、樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)と振り分けるセパレータ(12)と、
前記セパレータ(12)の下段に配置した、前記金属被膜付き樹脂粉体(b)を更に選別するために、ベルト(9)を傾斜して掛け渡す2本のローラ(8)の一方に磁石(10b)を具備した精密選別ベルトコンベア(13)と、
を備えた、ことを特徴とする金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収装置。
【請求項4】
前記粗選別ベルトコンベア(7)のベルト(9)を振動させる加振装置(34)を更に備えた、ことを特徴とする請求項3に記載の金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収装置。
【請求項5】
前記粗選別ベルトコンベア(7)のベルト(9)の上方に空気を噴射させる噴射装置(35)を更に備えた、ことを特徴とする請求項3に記載の金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収装置。
【請求項6】
金属被膜を付着させた金属被膜樹脂材(p)を粉砕して、金属被膜粉体(a)、樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)との混合粉体(m)を生成し、
前記混合粉体(m)を傾斜配置したベルト(9)で搬送させながら、先に樹脂粉体(c)は滑り落とし、板状磁石(44)の磁力により金属被膜粉体(a)と金属被膜付き樹脂粉体(b)とを吸着し、吸い上げて分離し、回収する共に、
前記板状磁石(44)の磁力を調整して金属被膜付き樹脂粉体(b)の吸着率を可変させる、ことを特徴とする金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法。
【請求項7】
前記混合粉体(m)から前記金属被膜粉体(a)と金属被膜付き樹脂粉体(b)を分離するときに、該混合粉体(m)と、金属被膜粉体(a)と金属被膜付き樹脂粉体(b)とを吸着し、吸い上げる前記板状磁石(44)との間隔(d)を広くして、金属被膜付き樹脂粉体(b)の吸着率を低下させることにより、金属含有率の高い金属被膜粉体(a)のみを分離回収する、ことを特徴とする請求項6の金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法。
【請求項8】
前記混合粉体(m)から前記樹脂粉体(c)と金属被膜付き樹脂粉体(b)とを分離するときに、該混合粉体(m)と、金属被膜粉体(a)と金属被膜付き樹脂粉体(b)とを吸着し、吸い上げる前記板状磁石(44)との間隔(d)を狭くして、金属被膜付き樹脂粉体(b)の吸着率を高めることにより、樹脂含有率の比較的高い樹脂粉体(c)でも分離回収する、ことを特徴とする請求項6の金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法。
【請求項9】
粉砕した金属被膜粉体(a)、樹脂粉体(c)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)との混合粉体(m)を搬送するために、2本のロ-ラ(8)間にベルト(9)を傾斜して掛け渡した搬送用ベルトコンベア(42)と、
前記搬送用ベルトコンベア(42)の上方に配置した、2本のローラ(8)間にベルト(9)を傾斜して掛け渡した金属吸着用ベルトコンベア(43)と、
前記金属吸着用ベルトコンベア(43)の下側のベルト(9)の内面に設けた、前記金属被膜粉体(a)及び金属被膜付き樹脂粉体(b)を吸着し、吸い上げるための板状磁石(44)と、を備え、
前記搬送用ベルトコンベア(42)と前記金属吸着用ベルトコンベア(43)との間隔(d)を調整し得るように構成した、ことを特徴とする金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収装置。
【請求項10】
前記金属吸着用ベルトコンベア(43)は、前記搬送用ベルトコンベア(42)を昇降させるように構成したものである、ことを特徴とする請求項9に記載の金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂メッキ部品等の金属と合成樹脂材との混合物のリサイクル技術に係り、特に樹脂メッキ部品から金属原料と樹脂原料を分離回収して、それぞれ金属原材又は樹脂原材として再利用することができる金属被膜樹脂材の金属と樹脂材の分離回収方法及びその金属と樹脂分離回収装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のドアノブ、ラジエータ・グリル等について、従来は金属製の各種部品の代替素材として、軽量化等を目的とした金属によるメッキ処理又は蒸着処理された樹脂メッキ製品が提案されている。その一方で、環境問題への対応としてこれらの金属で処理された樹脂メッキ部品を、金属原料と樹脂原料とに分離して再利用するリサイクル技術も実施されている。
【0003】
樹脂メッキ部品を、金属原料と樹脂原料とに分離する技術が提案されている。特許文献1の特開2002-28927号公報「樹脂粒状物の回収方法および樹脂粒状物」のように、金属で処理された樹脂素材について、固定刃と回転刃とからなる粉砕装置で粉砕し、磁力選別装置で粉砕粒状物を金属部分及び樹脂部分に分離して、樹脂粒状物を回収する方法が提案されている。
【0004】
この回収する方法に使用する磁力選別装置101は、図19に示すように、吊下型の強力磁石102を備えたものである。粉砕装置により粉砕された金属被膜、樹脂粒状物及び金属被膜付き樹脂粒状物との混合粒状物は、クッションタンク103へ搬送し、このクッションタンク103の下端部に取り付けたロータリーバルブ104を通して、第一コンベア105に混合粒状物を落下させる。更に一段下方位置に第二コンベア106を配置している。これらの第一と第二コンベア105,106間において磁力選別装置101の強力磁石102を移動させるように配置したものである。
【0005】
磁力選別装置101の強力磁石102を、第一コンベア105上を搬送中の混合粉体から金属被膜のみを吸着して、金属原料回収槽107まで搬送する。一方金属被膜が分離され、大部分が樹脂粒状物になった混合粒状物は、第二コンベア106で樹脂原料回収槽108内に落下回収させる。
【0006】
更に、特許文献2の特開2002-336732号公報「磁力選別装置」のように、エンドレスベルトを上下方向に所定間隔あけて配置し、永久磁石により、粉砕した混合粒状物から磁性体(金属被膜)を吸着する技術が提案されている。この磁力選別装置は、一旦吸着した磁性体(金属被膜)のエンドレスベルトへの再吸着を阻止することに技術的な特徴を有するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2002-28927号公報
特開2002-336732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
樹脂メッキ部品等の金属と合成樹脂材との混合物は、常にその大きさが同じではない。小さく破砕された樹脂粒状物では、磁石102に吸着されることなく第二コンベア106で樹脂原料回収槽108内まで運搬される。さらに、破砕された混合物の山の中に大きな樹脂粒状物があると、この大きな樹脂粒状物と共に金属被膜の破砕物も同時に吸着運搬することがあり、金属原料回収槽に樹脂破砕物が混ざることがある。そのため、分離効率が低くなりやすいという問題を有していた。
【0009】
逆に、大きな金属被膜破砕物があると、この大きな金属被膜破砕物と共に樹脂粒状物も同時に吸着運搬することがあり、樹脂原料回収槽に金属被膜が混ざることがある。破砕物の大きさ(外径)の大きな差異があると、分離効率が低くなりやすいという問題を有していた。
【0010】
本発明の発明者は、土や粉体を堆積した状態の物性を関する「安息角」について着目した。「安息角」は粉体等の流動性を表す指標として用いられる物性値の1つであり、水平な面上に粉体を静かに堆積させて、崩れない自然に形成された山の斜面と水平面とがなす角度のことである。本発明の発明者は、ベルトコンベアを傾斜させ、安息角を超えた状態にすることで、搬送される際に磁石で吸着されない樹脂粒状物を積極的に落下分離させ、分離処理能力が高まると考えた。
(【0011】以降は省略されています)

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